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Vivid BAD SQUAD(プロセカ)/「下剋上」と、揺らぐ正しさのこと。

こんにちは。桜小路いをりです。

今、プロセカの現在開催中のイベント「Light Up the Fire」のストーリーを読み終えて、勢いで記事を書き始めています。

予め付け加えておくと、プロセカをご存知ない方には、かなり不親切な記事になっています。申し訳ありません……。

でも、はちゃめちゃにカッコいい今回の書き下ろし曲「下剋上」は、ぜひ色んな方に聴いていただきたいので(!)。

ストーリーの核心を突くネタバレはせずに、書き下ろし曲を中心にしつつ、私の想いだけをひたすら綴っていく記事にします。

最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

今回は、ViViD BAD SQUAD(以下、略称の「ビビバス」で失礼します)のメンバーの白石杏ちゃんがバナーになっているイベント。


書き下ろし曲は、Misumiさんの「下剋上」です。

バナーのイラストが泣き顔だったこともあり、Misumiさんのコメントに不穏な言葉が入っていたこともあり、覚悟はしていましたが……重い……。

生きていく上では喜びや楽しみもある一方、様々な葛藤や失意、困難がつきものです。(中略)打ちのめされアスファルトを這いつくばった者にしか見えない景色がきっとあると信じています。

Misumiさん楽曲コメントより

目の前が真っ暗になるような事実を聞かされても、越えたい夢と今の自分とのギャップに打ちのめされても。

それでも、辿り着きたい場所があって、その先で見たい景色がある。

打ちひしがれて、涙でぐちゃぐちゃになっても、傍には温かな仲間がいる。

そんなビビバスの関係性に改めて胸を打たれたし、彼らが越えたい夢が、夜が、どれほどの熱量で溢れていたのかも、ひしひしと伝わってきました。

今回のストーリーの中心になっている凪さんは、「街」が書き下ろされたイベントのストーリーで、そのカッコよさに「杏ちゃんが憧れるのも分かるな……」と、密かに感じていました。

杏ちゃんが生まれ育った場所であり、凪さんが生まれ育った場所であり、音楽がずっと鳴り止まない街である「ビビッドストリート」。
その場所を、ふたりがどれほど愛しているか。

それが分かっていたからこそ、今回のストーリーは、正直つらかったです。
でも、そのしんどさまで、揺さぶられる想いまで含めて、かけがえのないゲーム体験でした。

(ここで、独り言もとい私の心の声を少し。)
正直に言うと、この展開、読めてはいたんです。できれば、外れてほしい読みでしたが……。創作をするひとりの物書きとして、このくらいガツンとくる転換点がないといけないことも、これがさらにビビバスの結束を強固にしていく、というのも分かったうえで、あえて叫びたい。凪さん……!!

このストーリーを読んで私が感じたのは、「正しくあること」の難しさでした。

倫理的に、道徳的に、学問的に。
あるいは、個人的に。

凪さんの「正しさ」は、きっと凪さんの中にしかなくて、杏ちゃんの「正しさ」も、きっと杏ちゃんの中にしかない。

そして、ふたりの「正しさ」は食い違っていて、ビビッドストリートの人たちは皆、杏ちゃんと凪さんのためを想って「凪さんの正しさ」を実現するために行動していました。

しょうがない何度妥協したか?
正しくありたい正しくあれない

これを「闇」と捉えるかは、人によるかと思いますが。

私は、そもそもビビッドストリートを単なる「街」と捉えるのは、あまりにも寂しいことなんじゃないかなと感じます。

いわば、住んでいる人全員が強く結束しているような、そんな「街」でしょうか。
それぞれが音楽という糸で繋がり合っていて、みんなが互いを気にかけ合っていて。

杏ちゃんに音楽を続けてほしい。
杏ちゃんに笑っていてほしい。
凪さんの我が儘を聴いてあげたい。
凪さんの覚悟を受けとめてあげたい。

生半可な想いでは、凪さんも、街の人に我が儘を言うことはできなかったと思います。それこそ、この歌詞にあるように。

壊していい? 壊れていい
変わってしまってもいい

「下剋上」歌詞より

純粋に音楽だけで繋がり合っていた街の人の関係性は、この我が儘を通すことで少なからず変わってしまうかもしれない。

そして、杏ちゃんとの間にあった信頼関係は、きっとなくなってしまう。

それでも凪さんが貫き通したかったのが、「凪さん自身の正しさ」でした。

そんな苦渋の決断だったことが分かるからこそ、杏ちゃんも、涙でぐちゃぐちゃになっても覚悟を決められたのだと思います。

あの夜を越える。
凪さんと街の人の覚悟が詰まった、一世一代の伝説のイベントを、何としてでも越えてやる。

それが、凪さんに歌を教わった自分ができることだ、という杏ちゃんの想い。
杏ちゃんが見出した「正しさ」。

ますます強くなるその想いは、炎みたいに熱くて、でも、きっと炎のように儚くはない。

それこそ、玉鋼みたいに、熱せられて叩き上げられて、なお強くなっていくような。
ビビバスの想いは、そんなふうに、さらに強固になっていくんじゃないかなと思います。

ねえね こんなもんじゃないと
笑って空振らないで ちゃんと
裏返す盤面 熱帯びた心臓がある

「下剋上」で煌めいているのは、圧倒的に、「今、ここにいて、夢に向かって突き進むこと」でした。

その覚悟と、情熱と、凛とした美しさ。

いつか見返してやる、もっと高みへ上り詰めて見せる、という想いを、好戦的で強かな表情で、少し苦しげに、でも凛然と歌い上げるビビバスが、本当にカッコいい。

フル尺が3分弱と短いのも、「伝えたいのはこれだけ」と言い切って、颯爽と「光」のほうへ駆け出していくような潔さを感じます。

——もう迷わない。涙を拭いて、ここから這い上がるんだ!!
『夢の先』へと再び走り始めたVivid BAD SQUADの1曲、お聴きください。

公式さんから出た言葉の通り、このイベントで、ビビバスの夢は「伝説のイベントを越えること」だけではなくなった気がします。

もっとその先、「次の世代」としての覚悟を背負って駆けていく決意をも、「夢」の中に新たに内包されたような。

今後、ストーリーがどう展開していくのか。
どんな書き下ろし曲が生まれて、ビビバスのどんな一面が見えてくるのか。
とても楽しみです。


ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

プロセカをプレイしていない方には、分かるようで分からない記事になってしまったと思うのですが……。

もし、これを機に「プロセカ、なんか気になる!」と思った方がいらっしゃったら、YouTubeでストーリーが無料公開されていますので、ぜひ調べてみてください。

(参考までに、ビビバスの結成の経緯が描かれたメインストーリーと、私の「プロセカ」についての記事を貼っておきます。)

完全に蛇足ですが、今回のストーリー内でボカロの鏡音リンちゃんが「このくらい朝飯前」のことを「このくらい朝ごはん前なんだから!」と言っていて可愛かったです。
これから、ぜひ真似っ子したい。(それだけです!)

今回お借りした見出し画像は、赤いガーベラの写真です。イベントの新規イラストの中で、赤いガーベラが随所に描かれており、「これしかない!」と選ばせていただきました。赤いガーベラの花言葉は、「限りなき挑戦」や「常に前進」です。

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