安全管理者という役割
会社で「安全管理者」という係を任されています。
私は60人ほどの小さな製造系の会社の安全管理者です。もちろん本職は別にあります。 この係は50人以上の労働者がいる製造事業所には設置が義務付けられています。
仕事としては、安全衛生組織を作って、決まりを決め、月1回、職場パトロールや委員会を開催し、職場の安全に努め社員に周知することにあります。
しかし社員はなかなか私のやっていることを重視してくれません。 経営トップも口では「安全第一」と言いながらも、月末16時から開くたった30分間の委員会の最中に会議室に割って入って来て、
「会議を長々とやるのも結構だけれども売り上げデータを早く入力するように」
とメンバーのひとりである業務の女性に指示を出し、入力作業を優先させられました。
その月の売り上げを確定させることも、企業としてはもちろん重要なことではあります。
しかし数10分 書類の作成が遅れるくらい、なんなのでしょうか。
自分が早く帰りたかっただけで、安全活動を軽視していることがよく分かります。
ヘルメットや作業帽などかぶってもらうだけでも、なかなかたいへん。 ヘルメットのあごひもなんかはさらに大変。 意識づけをするのに1年くらいかかりました。
有機溶剤を扱うときのゴーグルや保護手袋、、、なかなか装着しません。
課長クラスの管理監督者の立場の人のほうがこういう義務を果たしていない。
見つけたときその場で注意はするんですが、「あ!」と言いながらも、とてもウザそうにしているのが伝わってきます。 私のいない酒の席で「うるさいこと言いやがって」と悪口を言われているとも聞きました。
事故が起きたとき、痛い思いをするのは、作業者自身なのに、誰のために保護具をつけているのか、わかっていない。
怪我などの労災が発生すると、私は自分の仕事をそっちのけにして怪我人を病院に連れて行かなければなりません。 ふだん文書を書かない人が怪我をした場合、聞き取って書類を代わりに作成してやることになります。
何かが起きると、私がコトの収束や再発防止、経営層への周知にあたらなければなりません。
まったく理不尽です。
会社が安全対策をするのはもちろんですが、究極的には作業者自身が身を守らなければなりません。
安全に努めることは作業者の義務だと思っています。 給与や支給品など待遇についての権利意識だけ強くて義務を忘れている。
自分の領分やメンツ、利権に関しての所有欲が強すぎる。 果たさなくてはならない義務を完全に忘れている。
そんなことはありませんか。
出社したときの状態で家に戻りましょう。
自分自身のためにも、大切な家族のためにも。
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