ウルリ派のつどい

ウルリ派たちの密やかな集まり。
1人の若者が立ち上がっていう。
「昔からの玉ねぎはどこへ行ったのだ?どこから、生まれて、どこへ行ったのか?まぎれもなく、土からできていない。この玉ねぎは深い大地の底からではなく、明るい日差しの注ぐ白い海で生まれたのだ!魚たちの顔を見るのだ。目を回して、伝えるだろう。ここにいるのは、畑のものだ!2度と土の中から泥の中にあるものを水の中にいれるな!と」
 やや老いた女性が立ち上がり、ゆっくりと語る。まるで、トロッコ列車の登りのように、少しずつ登っていくのだ。決して、くだり坂から、下がっていったスピードのついた声ではない。
「ここにある物語が、6人の魔法使いによって、捧げられるのを聞いたのだろうか?今何も、ない場所に、地の底から姿を現そうとする芽を皆が見ている。菜種の花は色の重なりを増している。火のような勢いで、話し続ける君に、何をコヨーテのように食べさせようというのだろう?」
 集まった人々は口々に、近くの人たちと顔を見合わせて、話し続けている。まだ、ここまで伝えられていないのだろう。あの話は、、、、。
 「馬の鳴き声と共に、やってきたのは明日である。足止めしたのは、未来?いや、いまだ。ここに5人の召喚を求める。何事にも、5人をここにきてもらおう。あと1人はもうこちらにいないのだから」
 そう言って、若者は椅子に座り腕を組んで黙りこむ。

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