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九月の地下鉄

喧嘩でもしているのかな
そっぽを向いているふたり
世界はどうなっているんだ
手のひらの機械をいくらいじっても
死者には接続できない
こども時代は終わり
ヒーローだって誰も救いにいけない

どんな危機が迫っているというのだ
確認できない事象
つまりガッジーラということ
女の子が嘯いている
赤坂見附のきついカーブのあたり
もう仲直りして
そっと手まで握りあっている

きみはひとり
読みさしの本を閉じて
足元をじっと見つめている
顔をあげてごらん
地下のチューブを蛇行する暗闇に
ひかりがあふれているから
もう四ツ谷だ

地下鉄の轟音は
干涸びたことばを消してくれる
きみの気まずい時間までも
ここからスキップできる
いきなり高いキイで
歌ってもいいんだよ
国立から乗り継いだ電車が
九月のモグラになって
チューブのなかで
きっと暴れ出すんだから



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◎国立ランブリング「創作ノオト」
9月のランブリングは、国立を飛び出して、中央線で四ッ谷まで、
そこから丸の内線に乗り換えて。
吉田拓郎の「地下鉄に乗って」が聴こえてきそうで。
さあ、これから、町も秋に傾いていきますね。

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