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明月よ。

大阪の京橋の夜。
天体ショーを眺めるひとたちの群れ。

自然災害、胸ふさがれる事件、事故が陰々滅々と押し寄せて来る21世紀、14番目の10番目の月の2番目の木曜日に。

ふと、藤原定家を思い出す。
「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」と書いた定家を。
明月記を書いた詩人をふと思いだす。
紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ。
呪文のように呟きながら、ぼくは家路についた。

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