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科学的に証明されたマインドフルネス11の効果

こんにちは。マインドフルネスストレス低減法講師のYusukeです。

ストレスや不安を感じることが増えてきた昨今、マインドフルネスに興味を持つ人が増えてきました。

それに応じてか、私が無料で配信しているマインドフルネス瞑想の再生数も、加速度的に増えています。

今回は、マインドフルネスに興味がある方のために、マインドフルネス瞑想の効果を紹介します。

根拠のない情報が蔓延する中で、科学的な根拠に基づいた信頼できる11の効果をそのソースとともに紹介します。

1、怒りのコントロール

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数ある感情のなかでも、一番厄介なのが怒りです。
怒りをコントロールできないと、家族や会社の同僚や上司、部下といった重要な人間関係に大きなヒビを生んでしまいます。

少し意地悪な発言から始まり、徐々に苛立ちが増し、それが積み重なると、やがて怒りが爆発してしまいます。その怒りは、配慮の欠けた発言や行動となって現れます。

そして、人間関係の悪化を招き、自分に対して強い罪悪感や恥、不安を抱くことになります。

マインドフルネスの効果の中で、最も認知されているものの一つが、感情のコントロールです。とくに怒りのコントロールに有効であることが様々な研究から分かっています。

フロリダ州立大学のJonathan G. Kimmes他が実施した「夫婦間の喧嘩中の心肺的反応とマインドフルネス」の研究によると、マインドフルネスの度合いの高さと、その個人や、恋人や夫婦の喧嘩の最中の心肺機能の健全さに関連があることがわかりました。

簡単に言うと、マインフルネスな人ほど、夫婦間の喧嘩中の心肺の反応(血圧の上昇や心拍数の増加)が緩やかで、なおかつ回復するのが早いということです。

ソース>>http://www.fincham.info/papers/2017-mindfulness-cardio.pdf

また、ノースイースタン大学のDavid DeSteno他が行った実験では、3週間の瞑想トレーニングが、怒りを起こすような出来事に対しての攻撃的な反応を大幅に減少させたことがわかりました。

ソース>>https://link.springer.com/article/10.1007/s12671-017-0847-2

このように、生理的な側面と行動的な側面から、マインドフルネスが怒りのコントロールに有効であることが分かります。

2、うつ病の予防

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マインドフルネスが不安やうつ病の改善に効果があることは広く知られた事実です。

といっても、日本で考えるうつ病とアメリカで考えるうつ病は少し違い、アメリカでは、日本ではおそらくうつ病と捉えない軽い憂鬱な症状もうつ病と認識されています。

メンタルヘルスへの意識が高く、少しでも精神的な落ち込みを経験すると、治療やセラピーを受けよう、ということになります。

日本もメンタルヘルスの大切さがもっと認知され、日常的にメンタルをケアする習慣ができると良いんですが。

マインドフルネスが不安やうつ病を緩和する仕組みについて、ハーバード大学医学部の教員で、マサチューセッツ総合病院に所属する神経科学者のGaelle DesbordesがfMRIを使い実験をしました。その結果、8週間のマインドフルネストレーニングを行った人の扁桃体(脳の辺縁帯にある感情を司る部位)の反応が、トレーニング前と比べて、緩和されていることがわかりました。

言い換えると、物事に対して過度に反応して感情やそれに伴う思考が生まれることが減少した、ということです。

ソース>>https://news.harvard.edu/gazette/story/2018/04/harvard-researchers-study-how-mindfulness-may-change-the-brain-in-depressed-patients/

3、不安や心配の軽減

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マインドフルネスが不安や心配を軽減することもこれまで何度も証明されてきました。

ジョンホプキンス大学の研究者たちが行った実験でも、マインドフルネストレーニングが不安やうつ病を緩和するという結果が出ています。

ソース>>https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/1809754

不安症の人は、浮かんでくる思考が不安を助長する不必要なものか、問題を解決するために必要なものなのか区別できないため、思考を上手く対処できません。

マインドフルネス瞑想を続けることで、思考に対して違ったアプローチができるようになります。例えば、「この仕事は自分には無理かもしれない」といった思考が来た時に、「この思考、さっきも浮かんできた。これはただの思考だ。自分自身の真実でもなんでもない。」と客観的に認識して、思考と自分自身が別であると気づくことができるようになります。

思考を上手く対処することで、不安や心配を生む思考に囚われる時間を減らすことができるようになります。

私の個人的な経験から、思考を思考と認識して切り離すだけでなく、実際に行動することでより効果的に不安や心配を軽減できます。

不安の原因の多くは、不明確なことを考えることです。もし自分が不安に思っていることがあるなら、それをできるだけ明確にしましょう。仕事に不安を抱えているなら、できる限り自分が行うべきことは何かを細かく書き出して、実態を把握しましょう。そして、一つずつ行動していきましょう。

状況を根本的に変える力は、行動からしか生まれません。

4、痩せる

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スマホやテレビを見ながらご飯を食べ始めて、気がついたら食べ終わっていた。

いつも食べ終わった後に、お腹がパンパンで食べ過ぎたと後悔する。

こんな経験ないでしょうか?

食事は毎日決まったように行うため、自動運転モード(無意識に行動する)に陥りがちです。自動運転モードのまま食事をしてしまうと、自分の体を意識した食べ方ができずに、無茶な食べ方をしたり、体重の増加に繋がります。

デューク大学とインディアナ州立大学が食習慣に問題を抱える人たちを対象に、マインドフルイーティング(食べる瞑想)の実験を行いました。

結果、彼らは、食事を以前より楽しめるようになり、食生活の管理が上手くできるようになりました。過食を抑制できるようになり、自分自身に対する自信に結びついたそうです。

ソース>>https://www.health.harvard.edu/healthbeat/mindful-eating-may-help-with-weight-loss

つまり、マインドフルイーティングは食事をもっと楽しめて、しかも痩せられるという、奇跡の一石二鳥トレーニングなのです!!!

マインドフルイーティングの方法については別で説明したいと思います!

5、日常のストレスを緩和

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昨年から続くコロナパンデミックから、世界的にますます多くの人がストレスを感じる状況になってしまっています。

ストレスの原因は様々で、経済や気候変動、飢餓など大きなものもあります。しかし私たちの日々のストレスの原因の多くは、休日に寝てばかりいる旦那や、何度言っても言うことを聞かない子ども、反りの合わない上司など、もっと細かいレベルの話です。

技術が発達し、昔に比べて便利で快適な世の中になっているはずなのに、なぜだか日々ますます忙しくなり、精神的にも、肉体的にも疲れ果ててしまっています。

マインドフルネスは、ストレスの原因の数を減らすものではありませんが、それに対してより落ち着いて効果的に対処する技術を与えてくれます。

オーストラリアカトリック大学の研究者たちは、「日常のストレスとマインドフルネスの効果」について実験を行いました。結果、“その瞬間に起こっていることに気づくこと”=マインドフルネスが日常のストレスの効果的な対処に関連することを証明しました。

ソース>>https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0092656616301118#!


ストレスの原因に効果的に対応できれば、私たちが感じるストレス量は必然と少なくなります。

これに関しては以前私が書いた記事と関連するので、興味がある方はぜひ読んでみてください。>>

6、睡眠の質が上がる

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長く、忙しい一日が終わり、食器を洗ったり、子どもを寝かしつけたり、最後の仕事のメールを書き終えて、ようやく寝床に着く。

疲れ果てているはずなのに、頭の中で色んなことがぐるぐる回り、なかなか寝付けない。

そんな経験をしたことはありませんか?

夜なかなか寝付けず困っているあなたに良い知らせがあります!マインドフルネスには睡眠の改善効果があることが実験で分かっています。

南カリフォルニア大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究者たちがマインドフルネスと睡眠について実験を行いました。6週間のマインドフルネストレーニングの結果、睡眠の質が向上すること、そして睡眠に関連する日中の疲労の軽減することが分かりました。

ソース>>https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2110998

この実験対象は年配者ですが、とはいえお年寄りだけが睡眠の質が向上する理由は見当たりませんので、あらゆる年齢に効果が期待できると考えられます。

実際、私の知り合いの40代の男性が、寝付きが悪く困っていたときにマインドフルネス瞑想に出会い、1ヶ月ほど寝る前にマインドフルネス瞑想をした結果、眠れるようになったと話してくれました。

寝る前にマインドフルネス瞑想を行うと、過剰に活性化していた脳を落ち着かせることができ、さらに副交感神経を覚醒させることで体を休息モードにできるので、寝付きやすくなります。

寝る時に頭に浮かぶ思考が煩くて寝られないと悩む方は、ぜひ2週間ほどまずは寝る前にマインドフルネス瞑想を試してみましょう。

私の配信している呼吸のマインドフルネス瞑想の音声です。
https://anchor.fm/yusuke-taniguchi/episodes/BGM10-ennkhr/a-a440t6h

7、集中力が上がる

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スマホで音楽を聴きながら、1つのウィンドウでニュースを見ながら、ご飯を食べているような人を見かけたことはないですか?

いつからか、私たちは1つのことをしながら別のことをする“ながら星人”になってしまいました。

脳は同時に1つのことしか注意して処理できない仕組みになっているため、“ながら”と言っていますが実際には高速で切り替えているというのが正しい表現です。

複数の対象を行ったり来たりしていると、1つのことへ注意を集中する力が落ちてしまいます。また心理的にも、1つのことをしている時に、すぐに別のことが気になってしまう癖がついてしまう可能性があります。

これは完全な個人的見解ですが、今の“ながら生活”はADHD(注意欠陥多動障害)を助長してしまっているのではないかと危惧しています。。。


スマホでゲームをするとよく分かりますが、別のことが頭に浮かんでいる時ってパフォーマンスがガクッと落ちませんか?

集中力とパフォーマンスには密接な関係があります。それはゲームでも勉強でもスポーツでも仕事でも同じです。

自分の集中をコントロールできる力は、瞬間瞬間の行動の質に直結する極めて重要な力です。そんな集中力を鍛えるトレーニングとして有効なのがマインドフルネス瞑想です。

リヴァプール・ジョン・ムーア大学の研究者たちが、マインドフルネス瞑想と認識的技術の関係性について実験を行いました。結果、マインドフルネスが集中力や注意をコントロールする技術の改善に強く結びついていることが分かりました。

マインドフルネス実践者は集中力と認識的技術を測定する様々なテストで高得点を記録したのです。

ソース>>https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19181542/

集中力がなくて悩んでいる方は、ぜひマインドフルネス瞑想を行なってみましょう。

8、傾聴力が上がる

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コミュニケーションの大切さは、今更言われなくても私たちのほとんどが身を以て知っている事実です。とくに、人と良好な関係を気づきたいなら良い聞き手になれ、とよく言いますよね。

しかし、良い聞き手になるにはどうしたらいいの?と聞かれると、意外と返答に困るものです。

結論を言うと、マインドフルネスを養うと、良い聞き手になれます。

ミネソタ大学の研究者たちが効果的なコミュニケーションと傾聴力におけるマインドフルネスの役割について実験を行いました。

その結果から、マインドフルネスがコミュニケーションとアクティブリスニング(能動的な傾聴)に役立つことが分かりました。とくにマインドフルネスの要素のうち、「説明すること」と「観察すること」が強く関連していると結論付けています。

言い換えると、マインドフルネスを養うことで、会話の流れをより注意深く観察することができるようになり、そしてその観察から得たことを上手く言葉で説明できるようになるため、良い聞き手になれるということです。

これは、1つ前の記事EQ(エモーショナルインテリジェンス)の4要素の一つ、社会的認識力につながる話です。

まだ読んでない方はこちらから>>

9、血圧の低下

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高血圧といえば、脳卒中や心臓病の主な原因として知られています。

血圧を抑えるとなると、一番手っ取り早いのは薬でしょう。そういえば、私のおばあちゃんもよく薬を飲んでいました。

薬にもちろん効果はありますが、日常の生活習慣も高血圧を改善するのに大きな役割を果たします。

マインドフルネス瞑想と血圧の抑制につながりがあることは、これまでにいくつもの実験で証明されてきました。そんな中、近年マインドフルネスと血圧に関する19の実験内容が改めてメタ分析されました。結果として、やはり日常的にマインドフルネス瞑想を実践すると血圧の抑制に効果があると結論付けられました。

ソース>>https://journals.lww.com/jhypertension/Abstract/2017/04000/Meditation_and_blood_pressure___a_meta_analysis_of.5.aspx


高齢の方ほど高血圧になりがちなので、ぜひマインドフルネス瞑想をしてほしいですね。

10、粘り強くなる

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興味深いことに、マインドフルネスが個人の目標設定や目的達成に役立つという報告があります。

「The International Journal of Wellbeing」に掲載された論文によると、マインドフルネス瞑想を日常的に行なっている人には高い“自律性”がみられ、それがより効果的な目標設定や目標到達に関連していると考えられています。

ソース>>https://www.internationaljournalofwellbeing.org/index.php/ijow/article/view/83

また、マインドフルネスを養っていると目標に対する不安やストレスを緩和できるので、それも粘り強く目標達成する姿勢に繋がると考えられます。

11、良いリーダーになる

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ハーバードビジネスレビューに掲載されているマインドフルネスとリーダーシップの記事によると、マインドフルネストレーニングが、リーダーシップを強化することができるとしています。

ソース>>https://hbr.org/2016/12/how-to-bring-mindfulness-to-your-companys-leadership

具体的には、マインドフルネストレーニングをすることで、次の3つのメタ能力が身につくからだと述べています。

①メタ認識
これは、問題が直面するような困難な状況のときでも、自分が何を考えているか、どう感じているかを客観的に観察する力です。反射的に起こる感情や思考の波にのまれず、一歩引いて冷静に物事を見ることができます。

②許容力
これは、物事をあるがまま捉える力です。正直な心と自分や他者に寛容な姿勢を持って、その瞬間経験していることを見ることです。

③好奇心
これは、自分の内側と外の世界に情熱的な興味を持つことです。常に物事を新鮮な目で見る力です。


もしあなたがリーダー的な立場にあり、より良いリーダーになりたいと思うのであれば、ぜひマインドフルネス瞑想を実践してみましょう。

まとめ

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ということでこの記事では、根拠に基づいたマインドフルネスの11の効果を紹介しました。

おさらいしておくと

1、怒りのコントロール
2、うつ病の予防
3、不安や心配の軽減
4、痩せる
5、日常のストレスを緩和
6、睡眠の質の向上
7、集中力の向上
8、傾聴力の向上
9、血圧の低下
10、粘り強くなる
11、良いリーダーになる


ということで、マインドフルネストレーニングをすると様々な効果があることが分かって頂けたかと思います。

しかし、最後に一つだけ注意があります。

マインドフルネス瞑想を行うときは、こういった効果を得ようと考えることは一旦忘れてください。マインドフルネスでは、目的を達成しようともがけばもがくほど遠ざかってしまいます。これは、言葉遊びではなく、事実です。


そうはいっても効果を忘れて瞑想を長期間継続することはなかなか難しいです。

なので、例えば、半年やってみたら、気づいた時にはこういう効果があるかものしれない、という風に考えましょう。

マインドフルネス瞑想をする時は、できるだけ何も期待せず、ただその瞬間に起こることに集中しましょう。


マインドフルネス瞑想を始めてみたい方は、ぜひ私の瞑想音声を使ってみてください。

https://anchor.fm/yusuke-taniguchi/episodes/BGM10-ennkhr/a-a440t6h



では、今回はこのへんで。

最後までお読み下さりありがとうございます!


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