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友井川拓note 〜ラグビー以外〜 Vol.2『チームの為にすべきこと』について考える。

こんにちは、シャイニングアークス コーチの友井川です。

どの会社で働くかではなく、どのチームで働くかの方が重要。

世の中のほぼ全ての仕事が「チームワーク」*1

唐突ですが、『NINE LIES ABOUT WORK 仕事に関する9つの嘘』という本の中でこんな「言葉」に出会いました。そしてチームについてこう書いてありました。

会社の離職率は、どの会社で働くかではなく、どのチームで働くかによって左右される。よい会社の悪いチームで働くより、悪い会社の良いチームで働く方を人々は大事にしているということです。つまり、よい会社にしようというアプローチよりも社内の素晴らしいチームに近いチームをいかに多く作り出すことが出来るかで結果的によい会社になるのでないか。*1 (要約)

「よい会社がよいチームをつくるのではなく、よいチームがよい会社をつくる。」
ということですよね。事実だと思います。

私には個人的なミッションがあります。

【ミッション】
 スポーツで学んだ「チームワーク」の価値を信じ、世の人々に「共に達成する」という喜びを広めたい。そしてビジネス界における企業スポーツ人材の価値を高め、スポーツに携わる人の未来に貢献する。

その為に、ラグビーコーチという仕事と並行しチームビルディング研修などを実施させていただいたこともあります。このコロナ情勢のため断念しましたが、企業や社内からもいくつかのお話をいただきました。ビジネスにおいても「チームワーク 」のポテンシャルは高く、企業が注力すべき要素なのかもしれませんね。

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なので、今回は「チームの為にすべきこと」について書いてみたいと思います。

チームとは『共通の目的のために協力して行動するグループ。』

言い方は様々ですが、チームとは『共通の目的のために協力して行動(協働)するグループ。』と定義出来ると思います。つまり「目的(Missionや使命)」「協働」というこの2つが無いと”チーム”ではなく”グループ(集まり)”であるということです。

イタリアの社会学者フランチェスコ・アルベロー二は自身の著書「他人をほめる人、けなす人」でこう書いています。

誰もたった1人では何も作り出すことは出来ない。創造も個人的なものはなく、もっぱら集団的なものである。集団だけが未来のシグナルをとらえることのできる多数の目、多数の耳をそなえている。*2

それはスポーツでも仕事でも同様です。
何かを成し遂げる・創り上げるには周囲のサポート無しには不可能です。
ただし、チームとは、よい状態の時は個人の想像をはるかに超えるものを成し遂げらる素晴らしいものです。

いつもパーフェクトなチームやリーダーに出会うとは限らない。

しかし、理解しなければいけないのは、いつもよいチームに属せるというわけではないということです。もちろん、シャイニングアークスはよいチームです。(笑)

私はよいチームの条件は「よい環境があり、よい人がいる」ということに尽きると思います。当たり前。シンプルです。

でもこれが簡単ではない。

先ず、「環境」。「心理的安全性(サイコロジカル・セーフティ)」という言葉が近年多く使われていますが、成功しているチームの共通点は、各自がバランスよく会話に参加していること。つまり、チーム活動に多くのメンバーが真に関わっていることが重要です。合わせて、成功するチームのコミュニケーションスタイルは「1つのパターンに限らない」という事実もGoogleの実験(プロジェクト・アリストテレス)で証明されています。
仲良し・平等であればこの環境が保たれるわけではありません。ただし個人の居場所が確保されていることは最も大事です。そういった環境ではなく、集団思考(グループシンク)に陥るチームも散々見てきました。
*集団思考:特定の意思決定の内容にメンバー全員が内心反対しながらも表には出さずに意思決定が容認されてしまうこと。

次に「人」。「よいリーダー」がいるということです。
よいリーダーとは、メンバーに共に取り組んでいる仕事を成し遂げるための重要な一員だと感じさせること。そして、メンバーの個性を理解して成長させてくれる人だと思います。

フランチェスコ・アルベロー二もリーダーについてこのように述べています。

優れたリーダーは、自身の協力者たちに、自分たちは重大な事をしており、価値ある事業に参画しているのであり、実現するに値する仕事をしているのだと確信を持たせるすべを心得ている。

しかし、パーフェクトなリーダーに出会う確率も稀だということです。
それはビジネスでもスポーツでも...。
もちろん私自身はビジネスでもラグビーでも素晴らしいリーダーの元で、多くの事を学ばせてもらいました。でもいつもそういう環境であるとは限らないということです。

ではそんな時『チームの為にすべきこと』は何か?

ジコウセヨ。

それは自ら考え、自ら行動することです。
自考(ジコウ)と自行(ジコウ)です。

当たり前の事です...が、それがなかなか出来ない。
パーフェクトなリーダーに出会うのは稀と前述しましたが、私はよいリーダーを作るのは部下やメンバーの仕事だと思います。

大事な事はフォロワーシップをフォロワー自ら発揮することです。
フォロワーには5つのタイプがあると、ロバート・ケリー氏が自身の著書『The Power of Followership 指導力革命』で提言しています。
あなたはどのタイプですか?

【5つのフォロワーのタイプ】
1、協働者:主体的、かつ積極的にチームの為に動くタイプ
2、破壊者:批判するばかりで自らは積極的に動かないタイプ
3、従事者:イエスマンタイプ
4、逃避者:自ら考えることをせず、指示されたことを最低限こなすだけのタイプ
5、実績者:自らの業務の範囲内だけでフォロワーシップを発揮するタイプ

「協働者」つまり『主体的かつ積極的にチームの為に動くフォロワー』が模範的フォロワーと言われています。

フォロワーはリーダーについて以下を知っておくべきだと思います。
 ・メンバーが考えているより多くの問題をリーダー達は抱えている
 ・リーダーは孤独である
 ・多くのリーダーはリーダーでありながらフォロワーでもある(リーダーの上には別のリーダーがいるという現実。)

ではどうすればいいのか。

チームをよくする為の行動に正解は・・・ないと思います。
私の考えはTEDTalkの 行動経済学者のアン・ダリエリーの『よい方向に行動を変える方法』が一番近いです。

・・・前略。わからないので、いろいろ試してみる必要があります。直感に従うと、あやまった道を進んでしまうこともあると、知っておかなければなりません。何が一番うまくいくか、私たちは、いつもわかっているわけではないのです。私たちができるレベルと、現在のレベルにギャップがあるのは、とても残念なことです。しかし、ギャップを埋めるために、できることはたくさんあります。簡単にできるものもあれば、もっと複雑なこともあります。しかし、それぞれの問題に直接あたって、1つひとつタックルしていけばいいのです。・・・中略。ギャップを完全になくすことはできません。しかし、いまより、ずっと改善できます。

必要なのはチームとして機能していないと嘆くこと、愚痴ること、自分の仕事のみに徹することではなく、チームの為に何をすべきなのか自ら『考え』『行動』することだと思います。

前述した通り、成功するチームのコミュニケーションスタイルは「1つのパターンに限らない」ということは、答えもチームの数だけあると言うことですね。

誰も正解なんてわからない。そして、誰かがやってくれるのを待っていたら何も起きません。とにかくジコウ(自考・自行)することです。

『知る』こと。そして、その為の一歩を踏み出すこと。

正解はないですが、私が思う大事なことは”人”を『知る』ということです。
リーダーやチームメイトがどんな思考・考え方を持っているのか『知る』ことから始めてもいいと思います。それは本当に小さなことでもいいです。

大事なことは自ら一歩踏み出すということ。小さな一歩でもチームにとって大きな影響があるはずです。
上司、リーダーと『雑談』する。そんな簡単なものでもいいと思います。『雑談』することですら簡単ではない関係の職場やチームもありますよね。コーヒーに誘ったり、ランチをしたり小さなことでもいいと思います。
また社内の会話を促す為にコーヒーマシンやウォータサーバーの位置を変えたいと提案してみる。そんなことでもいいです。まずは小さな一歩を。

そしてあなたがリーダーであれば、チームメンバーをよく知ること。知ろうとすることが重要です。

リーダーとフォロワーが一歩ずつチームにとってよいと思うことを自分で考えて行動に移す。そんな当たり前のことが一番大切なように思います。

”自ら始める” 
NTTコミュニケーションズの信条です。

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最後までありがとうございました。

【参考文献1】
『NINE LIES ABOUT WORK 仕事に関する9つの嘘』
 マーカス・バッキンガム (著),
 アシュリー・グッドール (著),
 櫻井祐子 (翻訳)
 出版社 : サンマーク出版

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【参考文献2】
『他人をほめる人、けなす人』
 フランチェスコ・アルベローニ (著),
 大久保昭男 (翻訳)
 出版社 : 草思社文庫

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【参考動画3】
TED Talk 
心理学者のダン・アリエリー『人々に行動を改善させるには』



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