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「二刀流」プレーヤーの矜持ーSH/WTB 鶴田 諒

2011年入部。今シーズンでチーム在籍11年目となる。通称、つる(さん、ちゃん)。いつの間にかチーム在籍期間最長選手になった。スクラムハーフとウィングの2つのポジションをこなす、ユーティリティ・プレーヤー。闘志を剥き出しにするタイプでは無いが、そのプレーでもキャラクターでもチームに落ち着きを与える。ベテランの域に差し掛かった今だからこそ見えてきた、チームの課題や自分のプレースタイルなどを語ってもらった。

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同期の山下弘資選手が引退して、在籍期間最長に

東海大学にいた時、日本選手権で対戦した試合のおかげでチームに入れたようなもんですね(笑)※。東海大学時代の同期で今も現役でやっている選手は、東芝(東芝ブレーブルーパス東京)ではリーチ選手、三上選手、豊島選手とか、他にも日野(日野レッドドルフィンズ)には木津選手とかいて結構多いです。

チーム内の東海大出身選手では、石井魁選手と湯本睦選手がいますね。

今32歳で、12月に33歳になります。僕がこのチームに入った時は30歳代後半の選手も結構いましたが、今はだいぶ若くなっていますね。年齢で云えば、アキさん(山田章仁選手)の次ですね。在籍年数でいったら最長になりますね。自分ではあんまりベテランになった感覚は無いですけど。いつの間にか(笑)。

同期は4人いましたが、土肥と冨沢が2、3年で退団してしまったので、長い間山下と二人でやってきました。その山下が昨シーズンで退団してしまいましたので、ついに一人になってしまって寂しいです。

※2010年2月7日に行われた日本選手権一回戦vs東海大学の試合。東海大学のインゴールに持ち込んでからのまさかのパスミスもあり、辛くも11-7で勝利。
https://www.ntt.com/rugby/archive/result/100207/report.html

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スクラムハーフとウィングで、それぞれの持ち味は?

自分では、どっちがいいというのは無いんですよ。どっちでも大丈夫ですし、こだわりも無いんです。ただ、どちらのポジションでも苦手なところとか弱点は、はっきりしていますね。

もともとは、ずっとSHをやっていました。ロブ(ロブ・ペニーHC)が来た年に、練習試合でウィングがいなくて、とりあえずやってみてくれと云う感じでやってみたらかなりいい感じで行けたので、そのシーズンからウィングで出させてもらうようになったという感じですね。

ラグビーは高校から本格的に始めたんですけど、ド素人でとりあえずセンターなのかウィングなのかみたいな感じでやっていました。特に試合に出ることもなく膝の怪我をしてしまって、2年生の頃は棒に振ってしまいました。怪我が治らないまま3年生に上がった頃に、監督からハーフがいないから練習しておけと言われて、ハーフをやるようになりました。

大学4年間は、ハーフ以外やったことなかったです。ウィングは高校1年生の数カ月間ぐらいしかやったことないので、やったことあるとも言えないぐらいの経験です。

体力は昔からありましたが、脚がダントツで早かったというわけではありません。トップスピードは、別に早くはなかったです。でもセブンズの経験もあったので、ウィングをやることに対しての自信はありました。

ハーフとしてかなり手堅いディフェンスをしていましたので、当時ディフェンスを重視していたロブHCにそういうところをを評価してもらったんじゃないですか。

ハーフとして自信があるのは、キックのところですね。キックゲームというか、エリアをどう獲っていくかというところで、チームのハーフの中でキック力は一番あると思っています。ハイパントも高く上げられますし、長いキックも蹴れますので、その辺ですかね。

ウィングとしては、チームの他のウィングと比べてダントツに脚が遅いのですが(笑)、ボールのもらい方で自分らしさが出せているんじゃないかと思っています。もらい方がうまいとは、言ってもらっています。

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思うように行かなかった昨シーズン

自分はどちらかといえばグイグイと引っ張るタイプでは無いので、意見の対立がヒートアップしすぎないようになだめたりする役回りをしていました。昨シーズンは、今までで一番不満が出ていたシーズンだったかもしれませんね。

練習試合も少なかったので、アピールするチャンスがなかなか無かったからかもしれません。そういう状況で公式戦が始まり、勝てない試合が続く中でもメンバー変更があまりなかったりすると、試合に出られない選手からは不満も出て来ました。

僕自身は、選手起用に関しては別に不満はありませんでした。若い頃のように先発で試合に出ることは少なくなったのですが、そういう環境でも自分の役割を見つけることができたので、納得はしていました。

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ベテランに差し掛かって

昔はどれだけ食べても体重が増えたりしなかったのですが、最近はお腹いっぱい食べちゃうと体重増えちゃうので、コントロールが必要になってきています。

筋力に関しては、低下はしていないと思うんですけど、ここから向上させるのはなかなか労力が必要で、キープすることを大前提にやっています。

昔は自分の苦手なことに対してそれほど追求していなかったんですけど、今は何が原因なのかとか追求して、そこに対してアプローチしてダメだったら次のことを探してという感じのことをするようになりました。

それでうまくなっているのかどうかは自分ではわからないのですが、拓さん(友井川拓バックスコーチ)とかも褒めてくれたりすることもありますし。

拓さんからは、OBの中でもまだやりたいと思っていたのに退団せざるをえなかった選手がたくさんいるので、現役をやれるところまでやったほうがいいと言われています。先のことはあんまり考えないで、今は一年一年という感じですね。

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他選手との違いを見せる

ハーフをやるとすればレイドロー選手がいるので、なにか違いを見せないと試合には出られないと思っています。

レイドロー選手のプレースタイルは自分と似ていると思っていて、テンポを上げるとかじゃなくて安定型だと思うんですけど、僕の円がこのぐらいだとすれば、その一回り大きい円を持っているというか。キックもコントロールがすごくいいですし。例えばハイパントを落とす位置をあそこまでコントロールできるんだっていうぐらい、コントロールして蹴っていますね。ほんとすごいと思います。

あとは、世界で戦って経験してきたことが多いので、それを言葉にして伝えることですね。コトバでも引っ張っていけるところは見習わなければと思うんですけど、なかなか真似できないですね。

僕の持ち味としては、試合でリザーブからでも登場したら多分みんな安心してくれるんじゃないかなと思っていたりはします。ウィングもやっていきたいので、色々探りながらやって行きます。

ラグビーって、いろんな持ち味を持った選手がいるからこそいいと思っていますので。

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チームとして新シーズンに向けて

チーム文化に関しては、選手ミーティングの議題にはよく挙がるんですけど、なかなか文化って作れないじゃないですか。自然とやっていることが第三者から見たら良い習慣だと言われたり、そういうことだと思うので、第三者からの声が無いってことは、やっぱりまだチーム文化が築けていないんじゃないですか。

とはいえ、なにかアクションしないと文化は生まれて来ないと思うので、今は若い選手を中心に社会貢献活動に積極的に取り組んだりしていて、これからじゃないですか。

ラグビーの戦い方で言えば、うちのスタイルを作ろうとしているとは思うのですが、そこが昨シーズンはぶれてしまった気がします。そこが選手間の不満にもつながっていった部分はあったのかなとは思います。

今年はそこをもう一度見つめ直すいい機会だと思います。

まずは、チームの掲げる2つのV(VictoryとValue)のうち、勝利のVを達成することが一番だと思いますので。そのためにも自分たちのスタイルを持っておきたいと思います。

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最後に何か言っておきたいことは?

あんまりオジサン扱いしないでください!(笑)

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