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鶴谷昌隆選手 ラストメッセージ

先ごろ退団した兄の知憲(ハルノリ)と共に、双子のラグビー選手としても知られるFL 鶴谷昌隆。通称、マサ。2013年度入部以来、社員選手として8年間を過ごしてきたが、7月末日をもって、シャイニングアークスを退団することとなった。同時にNTTコミュニケーションズも退社し、チームを移籍して今後はプロラグビー選手として活動を続ける。

トップリーグが終わり、新リーグとなって日本ラグビー界が大きく舵を切った今、シャイイングアークスも転換期を迎えている。今回彼の下した決断に対して、チームとしてエールと共に気持ちよく(寂しくなるけど)送り出したい。

ファンの皆さまにとってもイレギュラーな時期に突然の報告となってしまうので、退団に至るまでの経緯を本人に語ってもらった。

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退団を考え始めた時期

正直言って、昨シーズンが終わって退団選手への声がけが始まってからですかね。やっぱり、ハル(双子の兄弟の鶴谷知憲選手。2020―2021シーズンで退団)が辞めるってところですね。彼自身はラグビーを続けたい気持ちがあったし、僕が見ていてもまだ全然やれると思っていたのですが、彼がラグビーを続けられる環境が無くなってしまったところで、『どういう気持ちでラグビーをやっているのか』ということを自分自身に問いただしてみました。

そうなった時に、僕は本当にラグビーが好きだし、自分の我儘かもしれないんですけど、辞める時には後悔の無いようにしたいと思いました。それが、退団に至った流れの始まりです。

妻には、会社を辞めてプロ選手になりたいということや、引退した後にはどういうふうになりたいとか、どういうことをしたいという話を重ねて納得してもらいました。

退団するかどうかを決断するまでには、めちゃくちゃ考えたし、プレッシャーも不安もありました。また、いろんな反対意見もありました。

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プロラグビー選手として再出発

退団することになったハルがラグビーを続けられるチームを探している中で、僕をラグビー選手として評価してくれているチームの存在を知り、コンタクトを取りました。僕は今社員選手なので、移籍情報を流すこともできないし当然他チームからのオファーも来ないので、そのチームと話し合って入団を決めました。

今後はプロ選手となりますので、空いた時間で勉強して資格なども取っていきたいと考えています。

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シャイニングアークスでの8年間

ロブ(ロブ・ペニーHC)が来てからやってきたラグビーは、ボールをしっかり動かして展開してスペースに攻め込むラグビーだったので、凄く楽しかったです。もうカラダに染み付いてしまっています。これからロブが再び指揮を執るわけですが、同じ方向性のラグビーをやってくれたら嬉しいです。

いやー、本当にいいチームだと思います。自分が大学を卒業してから8年間、ラグビー選手としても人間としても成長させてもらったと思っています。本当に感謝しかないですね。スタッフの方々を始め、チームメイトもそうだし、上司を始め職場の人たちにも理解してもらって、ラグビーに打ち込める環境を作っていただいてきました。自分がここまで成長できたのも、チームと会社のおかげだと思っています。

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これからのこと

今30歳ですが、目標としたらあと5年ぐらいはやりたいと思っています。環境を敢えて今に比べたら居心地の悪い場所に変えることで、人間的にもまた一段階成長したいと思っています。20代中頃にも漠然とプロ選手としてやりたいと思っていた時期はありましたが、その頃は先のことなど何も考えていなかったし、今このタイミングでプロ選手としてのスタートを切ることに関しては、選手生活を終えた後のビジョンも考えていますし、僕の中では良かったかなあと思います。

そうは言っても、むちゃくちゃ、寂しいですよ。チームもチームメイトもコーチもスタッフもみんな好きなんで。ほんとに寂しいですね。でもやっぱり、自分で決めたことだし。新たな挑戦をすることに前向きに今はなっています。このチームにいたからできたつながりは絶対切れないし、これからもお世話になることもあるかもしれないですし、反対に自分が何か手助けできることがあれば自分から手を挙げたいと思うし。

若い頃はいろいろと我儘を言ってきたと思いますが、まー、それでもここまで続けさせてくれて、今こうしてプロとして挑戦させてくれることも、本当に感謝しかないです。ありがとうござました。

また、グラウンドで会いましょう。




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