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南アフリカでマイカーを持って分かったこと。

南アフリカに現地就職して間もなく3か月を迎えます。
ここで生活を始めてすぐ、会社からはクルマを支給してもらいました。車種はトヨタのカローラでベースグレード。日本でいう社用車のような基本的な装備だけが揃っていてデザインもひと世代古いものです。このクルマを毎日の通勤や客先を回ったり送迎などで使用しています。
そこで今回は南アフリカのクルマ社会についてまとめます。

南アフリカのクルマ社会の基礎知識

南アフリカはイギリスの影響を受けてきた国。なのでクルマは右ハンドル・左側通行です。走ってるクルマは多種多様。高速を走れば、トラックくぐれそうなくらい薄いクルマがかっ飛ばし、欧米を走るようなピックアップトラックやSUVもたくさん。ヨーロッパの高級車や日本車も見かけます。

アフリカというと日本の中古車が売れるというイメージを持たれがち。もちろん東アフリカをはじめ、そういう国もたくさんあって、日本語が書かれたクルマは品質の証みたいな考えもあるそうです。が、南アフリカではときどき日本の軽自動車?というのを見かける程度。日本語の書かれたトラックなどは見たことないです。

実は南アフリカでは自動車生産工場が多くあり、長いところでは50年以上の歴史もあります。日本メーカーではトヨタや日産が、欧米からはダイムラーやBMW、フォードなどが生産しており、主に南アフリカやアフリカ諸国に向けて出荷しています。
そして実はBMWやダイムラーは日本向けの一部クルマをここで生産しているそうです。右ハンドルのクルマ社会・ヨーロッパと変わらぬ時差・ヨーロッパより船便が短く済む立地というのは、いい条件が揃っているからだろうと思います。

道路事情や交通ルール、そしてマナーは?

まず、イメージされがちな未舗装道路…無くは無いですが少ないです。サファリや自然公園など行けば何キロと続くことがあります。舗装されてる道も穴だらけということは少なく管理されてます。
しかし、高速道路でも少しデコボコしていたり、カーブが急だなと思うことも少なくなく、質や安全管理はあまり高くないです。

交通ルールもほぼ日本と同じ。
ラウンドアバウトがあったり、左折レーンがあれば信号に関わらず安全確認で曲がれたりというくらい。動物注意の標識がカバだったりバッファローだったり。←

そんな中で独特なのは、信号のない交差点で全方向に一時停止がある場合。
日本だと優先車線という考えがありますが、南アフリカにはありません。一時停止があるので皆止まるのですが、最初に動き出すのは交差点に先に着いた車から。つまり来た順に出るので対向車が出たり、右から来たり、自分の番だったりとスリルがあります(笑)。
ただみんな守っているので、順番を逃すこともなく「お前の番だ」とクラクションや手招きしてくれます。ちなみに信号が点灯していないこともある南アフリカ、そんなときもこのルール適応されます。片側3車線とかある交差点ではさすがに先着順はムリなのでほぼ雰囲気。隣のクルマに合わせてます。(笑)

そしてマナーはというと…正直悪いです。
日本でも問題になってるあおり運転。降りてケンカというのは見ないものの、120km/h以上の速度で後ろにベタ付け、パッシングはよくあります。高速道路では左車線からの追い越しや路肩走行も見ます。さらに用を足すために路肩で停車して降りるなんてことも。

高速道路は?

南アフリカの高速道路網は、充実していて日本の国土の3倍の広さがあるものの、大都市間はすべて舗装された道で繋がっています。

そんな高速道路の最高速度は120km/h!むちゃくちゃ速いです。
そしてほぼ無料で走れます。「ほぼ」というのは、都市をまたぐ関所のような料金所を通過するときだけ支払うので近距離では無料で乗れるのです。
ブッ飛ばせて、無料となると皆使います。すると朝は大渋滞。一度事故が起きると大事故でガードレール突き破ってたりクルマが横転というのももはや日常です。

そんな120km/hで走る高速道路で、ビックリするのがある標識。
「この先、3km、歩行者注意」
高速道路脇にタウンシップなどあるところでは路肩を人が歩いていたり、横断があるのです。またヒッチハイクで立っている人や野菜や果物の露店まであります。なので、路肩に止まる車もいてなかなかコワいです。

途上国でクルマを持つと…。

南アフリカで現地就職をした私、もちろん多くの現地の人と働いています。
クルマ社会の南アフリカとはいえ、クルマを持つ人はそれほど多くありません。

ギブ&ギブ&…テイクが通る途上国生活。私の場合は足。クルマを持っている少ない社員の中でも私の身分はまだ低いほう。乗せてくれといわれることは日常です。仕事が長引いた時は方向が逆でも家まで送ることもあります。

さすがにヒッチハイカーを拾うことは危険もあるのでまだないですが、持つものをシェアする関係が成り立つのでトラックの荷台に人をたくさん載せているクルマも見かけます。

そして目に見えてお金があるように見られるので、犯罪者の格好の的。
駐車中の車内に物が見えるのはもってのほかで、「運転中も助手席に置くな」「窓を開けるな」「夜は交差点に止まるな」と注意されることは多いです。
実際、知り合いは10センチほど開けた窓に腕を突っ込みスマホを狙われたということもあります。

また、スマッシュ&グラブという犯罪があるのですが、信号で停車したところを襲撃、窓を割って荷物やクルマを奪うというもの。
チームで動く犯罪者だと、物乞いのフリをして車内を確認・マーキング。次の交差点で武器を持った人がマーキングを頼りに襲撃するという例も。

そういったことがあるので、多くのクルマのサイドウィンドウにはスモークフィルムが貼られてます。(日本では運転席・助手席は違法)

また、大使館からの情報で見かけるのは空港で目を付けて追跡し、偽の警官のフリをして道路上でクルマを止めさせるというもの。もちろん、したがってクルマを降りると持って行かれます…。

他にも、家の自動ゲート(南アフリカでは一般的)が開くのをゲート前で待っているとき、後方にクルマを止めて逃げ道を無くし襲撃することも。例を挙げるとキリがありません。

挙句には、そういう犯罪が多いので自主防衛のために銃を携帯していた父親が窓をノックした息子に発砲して亡くなるという悲しい事件も。

まとめ

さて、今回は南アフリカの車事情を書いてみました。
最後は怖い・暗い話になってしましましたが、怯えることばかりではありません。

南アフリカでクルマを持つと出来る楽しみが、マイカーで行くサファリ!
多くの公園は四駆でなくても周ることができます。写真を撮ることが趣味な私はこれが楽しみで仕方がないのです…!
もう少し仕事や生活が落ち着いて休みが取れるときには、これを楽しみたいと思ってます。

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