ちょっといい話。スポーツとは自分と向き合うこと

群馬のある公立中学の陸上部の話です。そこに砲丸投げの女子選手がいました。砲丸投げを専門にしていたのはその子だけ。他の選手が校庭を走っている間、1人黙々と、中庭で砲丸を投げていたそうです。生徒が通れば、一時中断。練習を始めるのも、終えるのも自分の判断です。投てきを教えてくれる先生もいなかったので、もっぱら自分でフォームを勉強したそうです。

「なにやってんだ!」とゲキを飛ばされる指導者もいない一方で、気を抜いても、さぼっていても誰も何も言わない。毎日が自分との戦いです。

こうしたなか、その女子選手はしっかりと自分と向き合い、県大会で好成績をマーク。陸上で高校推薦を勝ち取りました(陸上で高校に行ったのは、家庭の事情もあったそうです)

自分と向き合える強い心、そして同じことを続けていける粘り強さ。指導者がああだこうだ言わなくても、培える選手は確かに、中学生でも存在する。あらためてそう感じました。

高校ではケガに苦しみ、陸上で入学した以上、砲丸をやめるわけにはいかない、という葛藤も経験したそうです。

その選手は母となり、いまはミニバスをしている娘さんのサポートをしているとか。

思えば受験勉強も、自分と向き合うこと。スポーツでも、大人が何でも先回りしなくてもできる力を、中学生は持っているのかもしれません。

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