小学期のスポーツで必要なもの

伝統ある小学生の駅伝大会が、指導や勝利至上主義の過熱によって中止になった記事を見た。これはたまたま駅伝大会のことだが、学童野球やミニバス、バレーボールでも、似たようなことがしばしば起きていると聞く。

スポーツ指導には正解はない。いろいろな考え方があろう。ただ小学期においては「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」だと思う。小学生の子供はなかなか自分から「できない」とは言えない。少しくらい変調があっても、その場に行けば忘れてしまうし、友達や仲間が参加しているのに、自分が置いてけぼりになることを嫌う傾向にもある。だが、こうした積み重ねがケガにつながってしまうのだ。

指導者が勝利に対して熱くなる過ぎていると、いつの間にか、小学生のスポーツなのに、大人のためのものになってしまう。真面目に一生懸命になればなるほど、それに気が付かない。子供を冷静に見て、ブレーキをかけるのが大人の使命ではないだろうか。たとえケガはしなくても、小学期で燃え尽きてしまい、中学ではそのスポーツをやらなかった、という声もよく聞く。

特に小学期においては、運動⇔栄養⇔休養⇔学校生活(勉強)のサイクルが上手く回ってこそ、スポーツは価値があるものになるのでは。運動する時間だけがスポーツではない。預かったその期間を一生懸命に指導したい気持ちには敬意を表すが、小学生はまだ人生の入り口に立ったばかり。指導者にはそれを認識してほしいと願う。

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