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他者との境界線を引く②

他者との境界線

他者との境界線は目に見えるものではありません。

しかし、私と他者との境界を意識することは、健全な対人関係を築く上でとても大切です。

境界線が曖昧になることで、どんな不都合が起きるか例を上げましょう。

・他人の感情を強く引き受けてしまう

・他人からの依頼やお願いを断ることができず、自分の感情を抑えたり我慢を強いてしまう

・人に嫌われないよう、他人の目を気にしてしまう

・他人の意見に振り回されてしまう

このような状態を繰り返すと、ストレスが蓄積されて、度が過ぎるとうつ症状を引き起こすこともあります。

他者に自分の領域に侵入されるので安心できず、毎日を不安な状態で過ごすことになります。

境界線を引けることで

「周りの人は私の敵ではない」

「この世界は安心できる場所だ」

「ありのままの自分で生きても大丈夫だ」

という感覚を持って生きていくことができます。

自我の確立

人が成人に至る過程では、自我の確立がなされます。

乳幼児は親の保護がなければ生きることができません。

ですから、親の保護下のもと、親と一体となることで生命を守ることができます。

乳幼児は、お腹が空いたり、排泄をしたり、何か嫌なことがあれば、泣くことで親が何とかしてくれます。

子が生きていくためには、親や養育者の全面的な支援が必要でなのです。

この乳児期から幼児期、学童期、青年期を経て人は成人になりますが、この過程で自我を確立し、親から離れ独り立ちすることになります。

自我は、「自分はこういう人間だ」という自分のアイデンティティーを発見し、自分らしさを認められたときに確立されます。

そして、自我を確立するためには、自分の存在の輪郭を捉えることが大切です。

それは、自分の心を守ることで、自分と他人との境界を明確にしていくともいえます。

幼児が親の頼みごとに対して、「嫌だ」と反発することがありますが、それは自分の嫌なことを排除することで、自分の内側と外側を切り分け、自分の心を守る壁を築いているのです。

このような反応を反復しながら、強固な境界線が引かれていきます。

ですので、親の言うことに対して「嫌だ」と言えないまま大人になった人は、心を守る壁を作ることができないまま大人になっていきます。

そういう意味で、反抗期は成長過程で必要なものであり、親のいうことに「嫌だ」と答える子供を見たら、健全に成長していると喜ぶべきでしょう。

過保護な親や過干渉な親は、子が自我を確立するのを妨げてしまいます。

「あなたが失敗するのは受け入れられない」
「あなたが痛い思いをするのは受け入れられない」
「ありのままのあなたでは受け入れられない」

というメッセージを子は無意識に受け止めてしまいます。

これでは、幼少期に十分な受容体験をすることができません。

その結果、子は自分の存在を認めてもらえず、自分自身に確信を持てなくなってしまいます。

親という字は、木に立って見ると書きます。

親は子を離れた場所で見守り、何かあったらすぐに駆けつけ、寄り添うことができるような関わり方をすることが大切です。

次回へ続く…

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