「みんなの食卓でありたい~ま!つ!や!」を調べて競合の視点をどこに置くかによって未来が左右されることに気づいた話。
最近、期間限定で販売したうな丼がかなり話題となった松屋。
商品は期間限定のため終了しましたが、そのリーズナブルな値段から信じられないハイクオリティで話題になり、全国の店舗で売り切れが続出したらしいです。
今回はそんな松屋をマーケティングトレースしてみました。
僕も月に2~3回はお世話になっております。
基本的に牛丼チェーン店は松屋にしか行かないくらい松屋のファンです。
なんたってサラダがシャキシャキで抜群においしい。
そうか、改めて思うと僕はサラダで牛丼チェーンを選んでいるのか。。。
という事実はさておき、さっそく松屋をマーケティングトレースしてみました。
松屋を調査して気づいた点
今回、松屋を調べてみて気づいたところはシンプルに1つのみ。
「競合は吉野家やすきやなどの他社牛丼チェーン店だけじゃない」ということ。
外食問わず食品を扱う業者全般は、特に最近では常にユーザーの購買行動が急激に変化している。
ある人は健康志向で糖質制限をする食事を選んだり
ある人はSNSでバズる商品を選んだり
ある人はとにかく安くて腹持ちがいいものを選んだり
とにかく情報が溢れすぎて、ユーザーが選択しやすい時代になってきました。
その中で、「これまで意識してきた競合だけじゃない競合」が業態の枠を超えて襲い掛かってくる。
例えば、これまでは吉野家やすきやを競合としてきたが、上記の通りユーザーの購買行動が変化が激しくなってきました。これまでの「牛丼チェーン」のユーザーがコンビニやスーパー、または新たな業態の店舗に流れています。そこを認識しつつ、自分たちの強みを活かす戦略を打ち出すことで、ユーザーを取り戻すことができるか。
しかし、そこが成功することでも、まだ以前のユーザーが戻ってきただけであり、これからの成長を伸ばすためには新たな起爆剤となる斬新な企画を考えないと成長し続けることは難しい。
松屋はそこまで考慮して、ユーザーに驚きと期待を超える商品を提供し続けていました。
非常に学べることが多かったです。
では、そんな松屋をまずは企業概要から紹介していきます。
企業概要
・創業は1966年6月の牛丼チェーン店 ※会社として現在の形は1980年1月設立になる
・売上高は981億円
・従業員数約1,500人
・全国約1,200店舗
最近の松屋事情
・牛めしの価値をさらに高めた「プレミアム牛めし」の開発
・期間限定商品が話題になっている
・松屋のチャレンジングなメニュー開発によりファン層からは「どうしたんだ松屋!?」と言われるまでになっている
他社牛丼チェーンとの差別化要素
・牛めし以外のカレーや定食メニューが充実しているため「とりあえず松屋に行けばなんかある」が成立する
・食券システムによる支払い業務を効率化
・ほとんどのメニューに味噌汁がついてくるお得感
・生野菜サラダは国内産で常にシャキシャキ
松屋の強いところは上記にも記載している通り、「とりあえず松屋」でも成立するところです。
極論、理由がなくても松屋に行く層は一定多数います。
行ってから何を食べるかを考える。
さらにワンコイン以内で食事が完結するため、下手にコンビニ弁当を買うよりも安い。
ランチも提供している外食チェーン店を通しても最安値に匹敵します。
続いてはさらに企業を細かくしるために、3C分析、PEST分析、4P分析、5Forces分析を行いました。
3C分析
Customer【顧客】
・メイン顧客は成人男性、特に20~40代までの労働者や学生
・1人でガッツリ食事をしたい人
・安くてボリュームを求める人
Competitor【競合】
・他社牛丼チェーン店
・同等の価格で多種多様な商品を提供しているコンビニやスーパー
・健康志向などによる食事制限によりヘルシーな食品を扱う業者
Company【自社】
・ワンコイン以内でガッツリ食事ができる
・牛めし以外にも充実した定食のラインナップ
・これまでの牛丼チェーン店の概念を覆す「バズる」限定商品の開発
PEST分析
Political【政治】
・税制による価格の変動
※軽減税率については、イートインとテイクアウトは同一価格で対応する
・主要メニューの多くは外国産であり、関税による料金の変動が考えられる
Economical【経済】
・消費環境の変化や業態を超えての食品という枠での競争が激化している
・外食市場全体は売上高、客数、客単価が2019年6月時点で前年同月比は約3%アップしている
Social【社会】
・健康志向による食事制限により糖質オフの製品を出す業者が続出している
・食事の多様化により、常に新しい目を引く商品が開発されている
Technological【技術】
・生産性向上を目的とした業務内容の見直しと対策の徹底
・世の中の流れ、多様化する消費者の趣向に合わせた商品開
4P分析
Product【商品】
・ワンコインで購入できる牛丼やカレー、肉類を中心とした定食のラインナップ
・グループ会社にはとんかつ、ラーメンなど多種多様な店舗を展開
Price【価格】
・主要の牛めしやカレー以外は基本的にワンコインに収まる
・限定商品を除くと定食類でも800円以内に収まる
Promotion【広告】
・LINEやTwitterなどのSNS、Webメディアのクーポンで幅広く展開している
・ネット界隈で限定商品の評判により認知拡大
Place【流通】
・日本全国、海外ではアメリカ、中国、台湾に進出
・全国各所にセントラルキッチンを保有
5Forces
外食市場自体は伸びているものの、業態が多様化しており、これまで以上の伸び率を獲得するためには、これまでと同じでは必ず衰退することがわかります。
昨今は、糖質オフだけではなく、「良いものにはそれ相応の料金を支払う」といった世の流れになりつつあるため、単に「安い」「美味い」「早い」だけで通用しないでしょう。
それらを考えた上で以下、、、
もし企業のCMOだったら
・テイクアウトにオードブルを新たに入れて、テイクアウトの強化する
・シャキシャキのサラダと肉類で食べられる糖質オフメニューの開発
・オリジナルカレーをレトルトで販売するなど主要メニューを再度ブランディングする
・スポーツのスタジアムで販売拡大
・「米」を主役しにした商品を開発、「コメが美味しい」を浸透させる
これからもお世話になります松屋。
ありがとうございました。
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