小説的インストゥルメンタルミュージック

ゴールデンウィーク。
今住んでいる5階の部屋の窓からは、200メートルほど離れたところにある神社の鬱蒼とした樹々が見える。いつのまにか新緑の季節で、ゆらゆらと風で揺れている緑を見ていると、パソコンやスマホの画面に疲れた目が癒されていく。

こんな季節はもう読書に最適である。窓からの風はどこまでも心地良い。初夏を匂わせる強い日射しの陰に隠れて炭酸のきいた飲み物でも机に置いておけば、あとはイスにふんぞり返って(もしくは床にごろ寝して)気の向くままにパラパラと本のページをめくるのだ。

こんな季節はやっぱり小説だ。村上春樹でも宮部みゆきでも夏目漱石でも藤沢周平でも、なんでもいい。小一時間でも、この静かで柔らかい生命力を含んだ空気の中で、自分だけの物語の世界に頭のてっぺんからもぐり込んでしまおう。

僕の中では小説はインストゥルメンタルミュージックだ。
映画は歌のあるポップミュージック。(とても大雑把で個人的な発想の「たとえ」だけど)

どちらも好きだが、自分の中に没入していく時にはインストを聴くことが多い。そして自分の中に没入する傾向がそもそも強い性格なので、必然的に小説を読む時間とインスト音楽に触れる時間の長い人生になっているようだ。

インスト音楽はツボ押しに似ている。歌詞がないぶん情報量は少ないが、聴いている人のツボをうまく押せればその人の中にイメージが作られ、広がっていく。結果的に聴いた人のぶんだけ違うイメージが作られるかもしれないが、その広がり・多様性こそがインストの魅力なんだと思う。


ちなみに最近は、暇があれば眼精疲労のツボをおしおし。
目の周りはもちろん、手の親指の付け根なんかも効果あるみたいですよ。


目指せ書籍化📓✨ いつかライブ会場のグッズ売り場にエッセイ集を平積みにしたいと思います。