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読書をすることで「自分」を考える


「自分」を受け入れること


さて、前回は自分を受け入れるために
読書が有用であるということについて書いていきました。

毎日の生活の中では、
なかなか変化に気づかない。

毎日一緒にいる人の小さな変化には気づきにくい。

久しぶりに会ってみると、
変化に敏感になっていたりする。

当然「自分」は、
毎日出会う対象ですから、
変化には気づかなかったりする。

だから、自分を客観的にとらえる練習はしておきたいものです。

今の自分が、
どんな感じなのか。

今の自分が、
どんな状況なのか。

以前の自分と、
今の自分は違うんだってことを、
きちんと受け入れておきたいですね。

そのうえで、
年齢に抗ったり、
過去の自分を超えていこうと努力していくのは、
良いことなのではないかと思います。



「自分」とは何か


さて、最近は西加奈子さんの「i」という小説を読み始めました。



その名の通り、自分を表す「i」。
主人公の名前も「アイ」ちゃんです。

このアイちゃん。
養子なんですね。

父親はアメリカ人?(忘れました・・笑)
母親は日本人。

自分はシリアの血を引いている。

シリアでは紛争が絶えず、
そのまま生きていれば自分はこんなに裕福に暮らすことはできなかったかもしれない。

ニューヨークの同時多発テロ事件以来、
中東では戦争が続いている。

自分はアメリカ人の父親(たぶん・・)と、日本人の母親に引き取られ、
血がつながっていないのに、
こんなにも幸せな暮らしをしている。

「自分で決めていいよ」
「自分で選んでいいよ」

そう言われる度に苦しくなる。
自分で選択なんてしたくない。
自分はなぜ「選ばれ」たのか。
どうして自分だったのか。

自分で選びたくなんかない。
「個性」なんて必要としていない。

高校を日本で過ごすアイちゃんは、
アメリカにいたときよりも穏やかに過ごすことができている。

同化できるから。

みんなと同じ制服をまとい、
みんなと同じ価値観を必要とされ、
みんなと同じにふるまっていればよいから。

しかし、見た目の異質さは隠すことはできない。

「自分」とは何なんだろうか。
自分にとって「i」とは??

考えさせられる作品です。

評価があまり高くないので、
積読になっていたのですが、
読み始めたら面白い。



西加奈子臭の強い作品w


西加奈子さんの作品は深い。
けれど、深すぎて、
というかその深淵に読者を引き入れていくために、
すごく丁寧に描写がされるんですね。
その丁寧な描写が微細すぎて、ちょっとついていけなくなる時がある。

もちろん登場人物の心の中身を書けば書くほど、
そのあとに起こることに対しての行動の根拠が分かるようになる。

それでも、「そんな細かいことまで書いちゃう?」と
ちょっと引いてしまうようなこともあって、
リアルすぎて娯楽じゃなくなってしまうこともあるんだよな。

迫りすぎて深刻、というか。

楽しみたい読書じゃなくなってしまうことがある。

この「i」についても、
同じように前半からかなりトバしては、いるんだけれど、
始めから伝えたいことがストレートで、
どこに進んでいくのかわからない怖さはない。

ノンフィクションを読んでいるかのような心境だ。

西さんのこれまでの著書を考えると、
これからすごい展開になるのだろう。

結局のところ、想像もしなかったところに連れていかれるのかもしれない。

それでもいい。

読み、考え、想像する。

まだ途中でも、十分に楽しませてもらっているこの書を読む感覚を、
これからも十分に楽しみたい。


ここまで読んでいただいてありがとうございます!

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