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【ミカタをつくる広報の力学】 #05 営業部門にミカタをつくる

広報担当者が社内で理解や協力を得るために、どうやって周りにミカタをつくっていくか。私の実体験をもとに、ミカタのつくり方を綴るコラムの5回目です。

開発部門、技術部門に続き、今回は営業部門をミカタにする話です。
営業にとってのメリットは割とシンプルで、営業の売上に貢献するか、得意先との関係向上に貢献するかが問われます。
問題は、「どうやって貢献するか」ですが、今回はそれについて話します。


※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。


得意先からの評価で営業をミカタに

ご存じのように、広報・PRの経済的な効果測定は、現在でもかなり難しい課題です。メディア露出の広告換算がいくら高くても、営業の売上に繋がっているかは、実際のところはわかりません。

なので売上ではなく、PRの効果によって得意先との関係値を向上して営業の信頼を得ていきましょう。

市場のデータや他社の動向は普段の情報収集活動で得られますが、逆に得意先の反応は営業に聞かないとわかりません。最もPRの効果が出てほしい相手の反応は、データではわからないのです。

その情報を唯一聞きだせる相手が営業なのです。
ミカタにしない手はありませんよね。

その機会を得るためにも、日頃から営業とは頻繁にコンタクトをとっておきたいものです。今は直接会うのが難しいご時世なので、電話やリモートでも良いかもしれませんが、できれば文章とかではなく「生声」がいいでしょう。


外出が多い営業は朝捕まえる

私は得意先の情報収集の一環として、営業と雑談するために頻繁に営業のエリアにお邪魔していました。

今はコロナ禍でみんな社内にいないかもしれませんが、営業はコロナじゃなくても社内にいない人が多いです。

だから、営業の人とコミュニケーションをとるのは朝です

私がいた会社は営業の人数が多く、全員とコミュニケーションをとるのは難しかったので、営業部長を狙ってアプローチしていました。

毎朝8時から始まる幹部会議の前に捕まえるのです。

「おはようございます。情報持ってきました」

営業は社内でも社外でも競争することが多いので、武器になる情報は喜ばれます。競合企業のプレスリリースなど、新聞からは得られない情報が良いかもしれません。

実は、営業をミカタにしたときの一番の魅力は、得意先の情報が得られることではありません。

営業部門とタッグを組むと、採用事例をニュースにしたいときなど、得意先との交渉がしやすくなるのです。

私の場合は展示会でしたが、社内へのインフルエンスも、営業の人に手伝っていただきました。


営業発信だと社内の反応も違う

その会社には複数の営業部があったので、展示会への出展事例は各営業部から一つずつ出してもらいました。

他の営業部のことは興味ありませんが、自分の部署から出展されているのならば話は別。皆さん応援しに来てくれるのです。しかもお客様を連れて。

自分の同僚の実績なら、普段から見ていて説明もできるので、営業にとってはビジネス拡大のチャンスになります。

さらに、社内の参加者を集めるのにも効果があります。

管理部門や広報部門が声をかけても消極的な反応なのに、営業が声をかけるとノリが良くなるのはなぜなのでしょう?
理由はわかりませんが、やっぱり営業職というのはコミュニケーション能力が高いのでしょうか。社内のみんなも応援に来てくれます。

結果、ブースは大賑わい。
営業さんからもお礼を言われました。「またやってくださいよ!」

営業さんの功績の方が大きい気がするんですが(笑)


おわりに

得意先とのパイプは、得意先の意見や情報を得るのにも、企業間連携を活用したPRにも、効果を発揮しますので、営業部門とはとにかく仲良くして、密にコミュニケーションをとりましょう。

営業と仲良くなるためのツールとして「競合企業のプレスリリースなど」と書きましたが、企画書が書ける人であれば、得意先に持っていくツールも喜ばれますのでアレンジしてみてください。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ではまた次回お会いしましょう。

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