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【ミカタをつくる広報の力学】 #06 取材のフシギを考える

広報担当者が理解や協力を得るために、どうやって周りにミカタをつくっていくか。私の実体験をもとに、ミカタのつくり方を綴るコラムの6回目です。

社内の話ばかり続くと飽きるので、今回はメディアに目を向けようと思います。

ある広報担当者から「頻繁に取材される会社は何が違うの?」という質問を受けたことがあるので、「どうして頻繁に取材されるのか」というフシギについて書いていきます。

今回は、メディア関係者から実際に聞いた話を総合してお伝えします。


※初めての方は、「#00 イントロダクション」をお読みいただくと、コンセプトがわかりやすいかと思います。


取材されやすい企業

テレビとか新聞を見ると、いつも取材されている会社やお店があることに気付きます。

コロナのときもテレビで毎日のように見るお店がありましたが、お店だけでなく、人に関しても取材される人は決まっているような気がします。

いつもメディアに出ている人は、なぜ取材されやすいのか。

この答え、様々なメディア関係者の意見を総合すると、実にシンプルなものになりました。

「取材されやすいのは、メディアに出ているからです」

答えがループしてしまいそうですが、正にそういうことらしいです。
多くの取材を受けているということは、それだけ信頼があるということで、皆さん安心して取材を申し込めるのだそうです。

でもこれでは「ニワトリとタマゴ」なので、何が安心なのか、具体的に掘り下げてみます。


1.社会的信用

昨今の傾向として、反社会的な組織との関係などを、とても気にするような社会になりました。なので、取材してメディアに載せた後で、「よくよく調べたら反社会組織でした」では、非常にマズイわけです。

その点、たびたびテレビや新聞に登場している人であれば、社会的な信用は担保されているようなもの。だから安心して取材できるのです。

この話、反社会とかだけでなく、エビデンスとしても通用する場合があります。

新聞に出たニュースが、テレビやネットで取り上げられるのはそのためで、
「新聞掲載情報なら大丈夫」という安心感があるのでしょう。


2.制作の都合

プレスリリースだけでは、どんな取材になるか読めないケースがたまにあります。

例えばテレビだと、「画になる素材はあるか」とか、「カメラやクルーが入れる場所か」とか。「喋れる人がいるか」なども気になる要素でしょうか。

時間をかけて制作できるコンテンツであればロケハンもできますが、ニュースの場合は即時性を求められることもあるため、臨機応変が重要です。

ところが、取材されたニュースを見れば、一目瞭然でどんな現場になるかがわかります。つまり、事前に現場を想定して取材に取り掛かることができるわけです。制作サイドにとっては大きな安心感ですよね。


3.取材対応

取材の申し入れは、直前の場合も少なくありません。

ギリギリまでネタを探して、旬な情報を精査して、なんとか間に合うタイミングで取材を申し込む。中には、「今から1時間後で大丈夫ですか」みたいなケースも。

そんなときに「はい、大丈夫です。何を準備すれば良いですか」という感じだと、とても頼もしい。現場でも打合せがスピーディで、取材対応もトークも慣れているなら、スタッフも気が楽ですよね。
また何かのときにはあそこに頼もう、となるかと思います。

対応が良ければリピーターが付く、というのはどの業界でも同じかもしれません。


おわりに

取材する側が安心感を抱く要素として、「社会的信用」「制作の都合」「取材対応」の3つをピックアップしました。
すべての記者さんが同じ答えとは限りませんが、取材獲得の手がかりの一つになってくれればと思います。

ちなみに、会社や人だけでなく、場所にも「取材の常連」がありまして、
サラリーマン取材の「新橋」や高齢者取材の「巣鴨」がそれにあたります。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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ではまた次回お会いしましょう。

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