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あなたの年収は幾らですか?

そりゃ誰も答えてくれませんよ。


本日は転職や結婚の話では無く「初手でやたらとBANTは聞くな」の話。

「あたり前田のクラッカー」と思いますが、念のため解説。


イベント来場者の申込みフォームアンケート、LP問合せ、新規のテレアポなんてのもそうですが、マーケティング・セールス畑に長年いらっしゃる方なら、アンケートやヒアリングでBANT確認した経験があるかと存じます。

 「“初手”で売れそうな客かふるいにかける」

 BANTを聞き取り、スコアの高いリードからアプローチしたい。

 BANTは皆さまご存知だと思いますが「売れる条件」の必要情報を聴取すること。(MEDDICなんてのもありますが)

B (Budget)       :予算はあるの?
A (Authority)  :決済権はあるの?
N (Needs)       :ニーズ(需要)あるの?
T (Time frame):いつ導入するの?いつ検討するの?

プロダクトのセールス(FS)は、どんな規模の企業であれリソースは限られております。少ないリソースで「売れる条件」が整っているお客さまへ優先的にアクションする。

営業効率を上げるためにBANTを確認することは確かに大切です。


でもね…。

【BANTは万能なのか?】

【初手でBANTは聞けるのか?】 

BtoB業界で働いて15年間、延べ百数十社、千以上のプロダクトセールス、マーケティング支援をさせてもらった経験から「あたり前田のクラッカー」を少しだけ解説します。

 

【BANTは万能なのか?】 

万能ではありません!

BANTって超絶失礼な言い方をすると、あなた(の会社)は「鴨ですか?」「葱背負っていますか?」「鍋抱えていますか?」「味噌付いていますか?」「食べごろですか?」と聞くようなもの(笑)

例えば…「予算ある」「決済権ある」「ニーズある」「年内導入する」

BANT全てのスコアが整っていても、いざ営業をかけたときに、「他所の会社に任せている」「既に導入製品が決まっている」など入る余地が無いなんて経験されたことがあるかもしれません。

鴨が葱背負って、鍋抱えて、味噌まで付けているが、よくよく鴨の首元を見たら「他社さま予約済み」と札が付いている…(笑)。

BANTが揃った時点で、「他所(競合)のお世話になっている可能性が高い」わけです。(コンペに加わることができれば良いですが)

実際、弊社のクライアント様で、BANT確認をされることもございますが、重要視されているのは、意思決定のプロセスに関わる(最終承認者でなくてOK)人であり、かつその人が課題やニーズの案内(説明)に対し「同意」しているか?くらいです。


つまり…BANTにこだわり過ぎちゃダメって話。

 

【初手でBANTは聞けるものか?】

ここで、タイトルに戻ります。


想像してください。

あなたは独身です。これから結婚を考えているが相手がいません。

そんな中、突然メールが届きました、もしくは知らない番号から突然電話がかかってきました。どうやら結婚マッチングサービスの営業らしいです。

メールのアンケート、もしくは電話でこんなことを聞いてきました。 

「あなたの年収は幾らですか?」
「貯蓄は幾らありますか?」
「現在パートナーはいますか?」
「現在のパートナーに満足されていますか?」
「家族や親戚、また友人付き合いに問題を抱えていませんか?」
「結婚に対しご家族の承認を取ることは難しいですか?」
「いつ結婚したいですか?」

初めて届いたメール、もしくは見ず知らずの人にいくつ答えられますか? 

ちなみに私は一つも答えられません。答えたくありません。

もし、必須のアンケートでしたら「嘘」を答えるかもしれません。

 

結婚願望があったとしても、答えられるはずがありません。

年収や貯蓄って個人の「超」機密情報ですよ!

家族、親戚、友人のことなど、気心知れた間柄ならともかく教えたくありません。

 

「結婚したくても、いきなりそんなことを聞くヤツの世話になんかならねぇ!」

これが、「初手でやたらとBANTは聞くな」のもう一つの理由です。

 

会社に置き換えてください。

BANT情報は全て、企業のアキレス腱でもある機密情報です。

そのような情報は、全従業員が理解しているわけでもありませんし、得意先や付き合いの長い代理店にも滅多に教えません。(国の機関だったら別ですが) 

聞かれる立場で考えてください。

必要性があったとしても答えられない or 答えたくないのがBANTです。

 

初手でBANTは聞けるものか?の答えは…お分かりいただけたと思います。

 

 

【じゃあどうするの?】

教えてくれないのであれば、こちらが調べるまでです。

個人と法人で違うところは、「ある程度の情報が公開されている」ところです。

・役員情報|組織図
・サービス|商材|パートナー
・従業員数(増減)
・増(減)収|増(減)益
・純利益|利益剰余金|総資産
・銀行|VCからの投資
・採用|増床|移転|新店舗
・ニュースリリース
・イベント出展|リスティング|SNS活用|動画
・Webサイトのタグ

 BANTが無くても公開されている情報を元に、「売れる条件」の会社か?は幾らでも調べられます。(専門の調査会社もありますが、簡単に調べられる世の中です)

 

 BANTを聞く前に「お客さまの信用|信頼を勝ち取れ」

BANTは仲良くなってから☆彡


これはあくまでも、個人の経験による「持論」でしかございません。

「いや!実は初手でもこんな聞き方でBANT獲れるぞ!」と秘技がございましたら教えてください。

 

それこそ、機密情報なので教えられないと思いますが(笑)

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