キーマンって誰?
BtoBのセールス、マーケティングに関わる人でしたら誰もがご存知の キーマン
最近のSaaS系セールスですと トリガー なんて呼び方もしているみたいですが、言っていることはある程度一緒です。
キーマン
組織などの重要人物。中心人物。キーパーソン。
特に 新規見込客を開拓 する際には重要です。
「キーマンにアポを獲れ!」「その会社のキーマンは誰になるんだ!」「キーマンはちゃんと落とせてるのか?」「キーマンの反応はどうだったか?」
キーマンの定義を書かせて頂いた通り、商品|サービス導入に至る過程で重要な人物、キーパーソン を指します。セールス、マーケティングに関わる人たちは、日頃からキーマンとの接触から攻略方法について分析・研究を行い、最適なアクションを検討しております。
かくいう私も 十数年 BtoBのセールス、マーケティング支援に関わってきた経験から、寝ても覚めてもキーマンに憑りつかれた生活をおくっております。(大袈裟)
本日はキーマンについてのちょっとしたお話しです。
商材|サービスによってキーマンは変わる
あたり前田のクラッカーとセールス・マーケティング業界の歴戦の勇者はおっしゃると思いますが、念のための確認として書かせて頂きます。
商材|サービスによってキーマンは変わります。
例えば 金融商品|証券、不動産投資の場合は、経営者|決裁者がキーマンになります。単純な話、会社を儲けさす意味よりも、社長に儲かってもらうための商品|サービスと言う特性が強いからです。
なので証券マン、不動産営業マンは現在も社長アポ限定のテレアポをしております。社長アポ以外はゴミ扱い。単純明快ですが、奥が深く闇も深いです。(このお話は、気が向いたら今後)
BtoB向け商材でしたら、こんな人たちがキーマンでしょうか?
BtoB向け商材|サービスのキーマン
施工管理 >>>> 施工管理部長
CAD >>>> 設計責任者
PLM >>>> 生産管理部長
SFA >>>> 営業企画課長
MA >>>> マーケティング担当
CRM >>>> CSマネージャー
適当に書かせて頂きましたが、多分こんな感じであっていると思います。
経営者や決裁者がキーマンであるとは限らない
年間数百プロジェクトを運用するセールス、マーケティング支援会社に在籍している私は、嬉しいことに毎日のようにご相談を頂きます。
営業責任者
「展示会で集めたリードは担当者レベルばっかりだから、オタクのテレマーケティングとやらで、決裁者アポ を獲ってもらいたい」
マーケ責任者
「Web流入リードの質が悪いと営業から言われてしまうので、テレアポで 社長のリード を獲って貰えないか?」
お客さまのご相談の一例ですが、結論だけ先に申し上げますと・・・
「うちでは厳しいので他所をあたってください」
もちろん結論だけだとお客さまに嫌われてしまうので、少しだけ補足させて頂きます。
日本企業と海外企業の仕組みの違い
上記の図は、大陸系(主に中国)|欧米・欧州系|日本企業のそれぞれの 承認・決裁の流れ を表したものです。
海外(特にアメリカや中国)で営業を経験された諸先輩方からよく聞く話。
「俺が海外で営業していたころは、売りこみたい会社の経営者にビジネスレターを送りつけるわけよ。」
「そのビジネスレターには、往復分の航空券とホテルのスウィートの宿泊チケットを入れとく。」
「売りたい会社の経営者さんには一切お金を使わせず、ホテルに集まってもらうわけ。」
「初日はコンベンションと言う名の接待をする。いわゆる交流会でお酒を飲んだり、ゴルフコース回ったり。」
「2日目以降が本業の話。経営者が何十人も集まっているので、商談会をガッツリこなしていくわけよ。」
「一網打尽よ!海外の売込みはトップダウン と相場が決まっているから。」
「海外は土地が広い から日本のように1件ずつ回るより、金をかけてでも来てもらう方が手っ取り早いのよ!」
「海外の場合は、従わなければ辞めてもらう文化 だから、現場うんぬんに営業かけても意味ないんよ!」
・・・と、場末のスナックで何遍も聞かされた思い出。
そうなんです。
日本では通用しない です。
日本企業の場合、最終的な意思決定はもちろん海外同様、経営者|決裁者にありますが、大きく違うのは ボトムアップ型 のマネジメントスタイルを取っている会社が多いことです。
企業規模が大きくなるほど、ボトムアップ型が採用されております。
① 実務担当者の業務課題を実務責任者が洗い出す
② 実務責任者と実務担当者が課題解決できる商品|サービスを探す
③ 実務責任者と担当役員|部長が導入する商品|サービスを選定する
④ 担当役員|部長が経営者|決裁者に稟議を回し承認をもらう
海外のように、日本企業がトップダウン型、またはジョブ型(ジョブディスクリプション)であれば、狙うキーマンは特定の人物なので簡単ですが、日本の場合うまくはいきません。
日本企業の場合
経営者|決裁者 >>>> 知らん!!!
担当役員|部長 >>>> 問題ない!!
実務責任者 >>>> たぶん問題ない!
実務担当者 >>>> ・・・実は
日本企業の場合、このようになることが多いです。
キーマン大国ニッポン
つまり、上記の図のように日本企業の場合は、業務に関わる人達がキーマンになる可能性が高い です。そのためアプローチが必要な キーマンがとても多くなります。
日本でアメリカ式のマーケティングが育たない理由の一つとも言われる キーマン多すぎ問題
非常に厄介です。
日本企業で DXが進まない!なんて話も、とどのつまり 関わる人が多いからです。海外の場合は、上が決めたからそれに従うしかないという文化のため世はこともなし。もちろん 従わない場合は辞める という選択肢を使う。
上記の問題から、新規見込顧客の開拓~課題発掘~商品|サービスの検討~導入のタイムフレームが海外に比べ3倍ほど長くなる日本企業に対し、誰をキーマンとし、どのようなアプローチが必要か?
コロナショック以降も業績を伸ばしている企業のセールス・マーケティング責任者さんに色々と聞いてみたところ、現代でも使える・・・いや 根本的には変わらない王道のアプローチ こそ重要と教えられました。
日本式RPG“ドラクエ営業”につきる
勝手にそう呼ばせて頂きましたが、日本式でしっくりくる営業は ドラクエ営業 です。
ドラクエから営業を理解するという本は、服部 隆幸先生 が出されておりますが、小生・・・まだ読んだことがございません。(重複した内容でしたら大変申し訳ございません)
ドラクエ営業とは、地道に レベル を上げて 装備 を整えて 仲間 を集めて 大魔王 を倒すという 日本式RPGの王道を営業活動で実践 することを呼ばせて頂きます。
つまり、営業活動で重要視される キーマンを経営者|決裁者と考えることは、ドラクエ営業で言うとレベル1で大魔王に挑むことと一緒 です。
百戦錬磨の大魔王(経営者|決裁者)にはプレゼンなんて効果が無い!
レベル も低い。装備 も整っていない。仲間 もいない。こんな状態で新規顧客開拓で経営者|決裁者にアプローチすることの不毛さはご理解いただけたと思います。
レベルを上げる
テレレレッテッテレー♪
先ずは営業のレベルを上げましょう。会話力、コミュニケーション力、洞察力、提案力、回避力。様々な営業スキルを備えるために、本を読み、セミナーに参加し・・・。一番レベルが上がりやすいのは 実践 です。
コロナショックの影響で、営業活動は オンライン化 しましたので実践回数は増やすことができます。
オンライン商談が主流の時代になって私が実践したのは、前職の上司や同僚、部下に時間を取ってもらい、ロープレ大会 を何度も行いました。
前職の仲間たちは、それぞれ異業種に再就職をしている人が多かったため、ロープレ大会は大変良い刺激をもらいました。(私は幸運ですw)
また、オンライン商談は訪問とは別物です。コミュニケーションがとり辛い、周りで何が起きているか把握しづらい、声と映像だけで相手とやり取りするため、最初はやり辛さを感じると思います。
細かなテクニックは、世に出る諸々の記事や書籍にて学ぶとして、とにかく実践をこなすことが重要。
お客さまを使って実践をこなすには、弾が足りない|勿体ないとお考えの方にはオススメです。もちろん自社の上司や同僚、部下でも問題ありません。1回10分でも良いので何度も回数をこなすことが重要です。
武器|装備(コンテンツ)を整える
コンテンツ作成のスキルは、今後のセールスで重要になると思います。
詳しいお話は、昨今色々な著書がございますので、そちらをご覧いただければ理解が深まると思います。
武器|装備を整えたら次にやることは・・・
仲間を集める
私がこの記事で書きたかったのは 仲間を集める こと。
しかし、ルイーダの酒場システムで戦士|僧侶|魔法使いのパーティーを集めるという話ではございません。
魔王軍のモンスターを仲間にすることです!
ドラクエ色が強くなってしまったため、よくわからない説明になってしまいましたが、つまりはこういうことです。
魔王軍 >>>> 営業したい会社
大魔王 >>>> 経営者|決裁者
中ボス >>>> 担当役員|部長
モンスター >>>> 実務担当者|実務責任者
営業をかけたい会社の実務担当者|実務責任者にアプローチをして課題を認識してもらい、商材|サービスの必要性を理解してもらう。
実務担当者 >>>> 仲間パーティー
実務責任者 >>>> 仲間パーティー
中ボス >>>> 担当役員|部長
実務担当者|実務責任者に仲間になってもらい、担当役員|部長の面談を取り持ってもらい、営業|実務担当者|実務責任者のパーティーでプレゼンに挑む。
営業部長まで仲間になったらあと少し
担当役員|部長にプレゼンをして、競合比較、見積りを再提出。導入までのスケジュールや、そのほか直接説明が必要な人を確認し、次回のアポイントを獲得する。
ここまで出来たら勝率は上がります
で、ココからいざ大魔王!と行きたいところですが・・・。
中ボス以降は意外と チート仕様
担当役員|部長が望まない限り、営業が直接経営者|決裁者にアプローチする必要は無いということです。
経営者|決裁者は多忙です。なかなか時間を作れません。しかし、社内の話でしたら別です。役員会議、取締役会、ボード会議など社内の人間と会うことに時間を割くのです。
そこで重要になるのは、担当役員|部長の存在。経営者|決裁者が出席する会議に同席が可能な人物です。
担当役員|部長を仲間にしたら、経営者|決裁者に有効な情報を提供しましょう。一般的にはペライチの資料です。
ペライチ資料の内容
1.その商品|サービスを導入するとナンボ儲かるか?
2.その商品|サービスを導入するとナンボ抑えられるか?
事前に営業部長と攻略方法について議論する
もちろん経営者|決裁者は一筋縄ではいきませんが、多忙な経営者|決裁者に重要なことは 投資をしてまでやることなのか? と訴えることです。なので要点だけに絞るペライチの資料が効果があると言われております。
さて、ドラクエ営業の流れをザックリと書かせて頂きました。
実際に成長している企業のセールスチームは、大手法人や官公庁を攻略するため、延べ 数十回の商談、百人近いキーマンと接触 すると聞き及びます。(企業規模によりキーマンの数は増え、商談の回数も増える)
何も特別なことはしておりません。地道で長い道のりです。もちろん独りでやることは出来ません。セールスチーム全体で攻略するわけです。
マーケティングでイベント集客して・・・
インサイドセールスで追客してオンライン商談して・・・
オンライン商談で部長を呼び出して・・・
フィールドセールスが仲間と共に部長に提案して・・・
で・・・誰がキーマンなの?
話は戻りますが、キーマンは誰なのか?
新規見込顧客の開拓で、一番最初にアプローチするキーマンはこの人
実務担当者 もしくは 実務責任者 です。
役職は特に関係無いと思いますが、イメージで言うと・・・
最初にアプローチするキーマンの役職
・マネージャー|リーダー
・課長|係長|主任
実務担当者|実務責任者とコミュニケーションを取りましょう。
マーケティングでイベント集客したり、広告で認知活動を行い、ランディングページやホワイトペーパーで問い合わせを集めましょう!もちろんテレアポも有効です。この段階は 質より量 です。数をこなさないとレベルがあがりませんので。
段階を踏んで、次のキーマンはもちろんこの人
カンダタ・・・いや 担当役員 もしくは 部長 です。
担当役員|部長にたどり着いたと言うことは、実務担当者|実務責任者は仲間パーティになっているはずです。
実務担当者|実務責任者と相談し作戦を練りましょう。
まとめ
長々と書かせて頂きましたが今回のお話をまとめますと・・・
まとめ
・キーマンは組織などの重要人物、中心人物
・商材|サービスによりキーマンは変わる
・経営者や決裁者がキーマンであるとは限らない
・日本はボトムアップ式のため関わる人が多い
・ボトムアップ式には「ドラクエ営業」
・ドラクエ営業は地道に攻略することが大切
・最初にアプローチするキーマンは実務担当|実務責任者
最後に
ドラクエフォントをマイPCにインストール、またフリーのドット絵を手に入れた記念として、どうしてもやりたかったネタを書き綴ってみました。
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それではまた
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