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【本の感想】公務員のタマゴに伝えたい話 著;福島 太郎

こんにちは、shingoです。

今回はnoteで仲良くさせていただいている、福島太郎さんの「公務員のタマゴに伝えたい話」の読書感想文を書きます。

▼アウトライン

福島さんは現在、基礎自治体(市区町村)の地方公務員で行政職(一般事務)の係長として働いていらっしゃり、本書は行政職としての視点から書かれています。

そんな公タマ伝のターゲットですが、「はじめに」から引用です。

公務員を目指す方や、若い公務員の方に伝えたいことがあり、本書をしたためました。普段は閉ざされがちな公務員の世界を御紹介します。

また、

基礎自治体以外の公務員や、民間の社会人に通じる普遍的な部分も含まれていると考えていますので、違う職種の公務員や民間企業を志望されている方にも参考になると思います。

主なターゲットは公務員志望や若手公務員だと思うのですが、広く社会人入門にあたっての参考書という位置づけであろうと思っています。

内容はというと大きく4章に分けられています。こんな感じ↓

はじめに
第1章 仕事のススメ方
第2章 人事のことや上司の下での歩き方
第3章 政策アラカルト(役所の個別具体的な政策等についての意見など)
第4章 フロンティアミッション(著者が燃えた・ドキドキした事業の話)

公務員の実情を紹介しながら、公務員としての仕事のススメ方や心構えが中心となります。

▼印象に残ったこと

特に印象に残った「はじめに」と「第1章」から挙げていきます。

〇はじめに

①行政とは「法令等の具現化」である。
②法令等の趣旨や行間を正しく理解し、自らの自治体に使いやすいように計画に盛り込むことが職員としての腕になる。

特に②に関して。ここに「仕事としての余白がある」と感じました。

仕事の余白=誰も答えを出したことのない問いに対して答えを考え出す
=市場価値を上げるための経験

だと個人的に思っています。

マニュアル化された業務をただこなしているだけでは、大した実績になりません。余白において、自分のクリエイティビティを発揮することで自己成長と市場価値が高まるのだと思います。


〇第1章 仕事のススメ方

・(公務員は)言われたことを実践する能力は高いが、創造性・改革性に富んだ職員は少ない。

・困難に直面したときに「できない」と答えるのは簡単。できる方法はないかと思考を継続してみよ。

・実際に実務を行う上で、特に交渉事に関しては学力や知識よりもコネのほうが有効なことがある。

・職制が上の方に確認をしながら事務を進めないと後出しをされて、1からやり直しになる。⇐これができる職員は少ないです、意外と。

・上司はホウレンソウをしやすい環境づくりをすることが必要。
・部下がホウレンソウを怠るのは~~~上司に大きな責任がある。
・36ページのホウレンソウが育たない要因は必見。

・作業レベルの仕事を頼まれたときでも、「なんのために」という視点を持て。

▼感想

4点、順番に申し上げます。

感想その1
新人研修のときに読んでおいたら、超効率的に仕事を進められる

私が人事の研修担当者だったら、

「強制じゃないけど、自費で買って読んでほしい」

と新人さんたちへお伝えします。それくらい役に立つ内容です。

感想その2
役所の内情、すげぇよくわかる( ;∀;)

現職が読めば結構こういう感想を持つんじゃないかなぁ。一方で公務員志望の方へ伝えるとすれば、

感想その3
役所って実際こんな感じなんだけど、あなたそれでも公務員志望続ける?

と問いかけたくなる本です。特に上記印象に残ったことの第1章で挙げた、

・(公務員は)言われたことを実践する能力は高いが、創造性・改革性に富んだ職員は少ない。

これは本当にそうだよ(笑)

良くも悪くも「良い子」が多い。マニュアルなど決められた仕事に対する能力は高いんですが、「余白」がある仕事や住民からマニュアルにない要望が寄せられたときには、委縮し消極的になる傾向があります。

原因としては、役所全体があまり積極的な雰囲気ではなく、時間とともにそれに飲まったり、そんな風土に挫折してしまうからだと思っています。

感想その4
第4章のような成功体験を積もう!

第4章は筆者が燃えた・ドキドキした事業のエピソードです。もう少し具体的に言うと、地域からの要望吸い上げから始まり、政策立案・政策決定に至るまでの話です。地方公務員の本懐とも言えます。

こういうストーリーや実績を生み出せる職員が「住民のヒーロー」になっていくと感じました。同時に、あらゆる職員が福島さんのような行動力と気合を持つ必要があります。

▼残念だった点と「期待」

残念だった点ふたつ!

・紙版だと値段が高い!(電子書籍は500円、紙は1,980円)
 ⇒あ、あ、あの、仕方がないことだとわかっています(笑)
・誤字がある。
 ⇒校正を経た書籍でもあることなので、これも仕方ない。

あと、期待!

福島さんの次作を期待しています。

また、恐縮でありますが、私は不肖でプロではありませんが、もしそれでもよろしければ次作の校正をお引き受けさせていただきます(; ・`д・´)

福島さん、がんばって!応援しています。

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