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独りじゃない実感。

2009年 10月 聖公会新聞

 北海道は、もうすっかり秋。遠くの山々に目をやると、山頂には雪、裾野には紅葉が広がっている。この風景は素晴らしいが。秋はあっという間に過ぎて行く。もうすぐ長い冬が来るのだから備えるようにと、風が告げている。とはいえ、秋は実りと収穫の喜びの季節。旭川市郊外や隣接する鷹栖町、深川市の水田では、黄金色の稲穂が穂先を垂れて刈り入れを待っている。とても豊かで胸が満たされる光景だ。

一方、我が家の菜園では、寒さで赤くなれないトマトがいじけてぶら下がったまま。ナスも、花が咲いたチマサンチュも、どうにかしろと言っている。青ジソだって、霜が降りたら全滅だ。そうなる前に収穫・保存しなくては駄目になってしまう。毎朝毎晩、畑の横を通る度に、まずいな・・・と思うのである。


 副牧師時代を経て、現在牧師二年目の私は、独身で新築の牧師館に一人暮らし。悠々自適な生活環境で、思う存分牧会に励むことが出来るだろうと思っていたが、規則正しく健康的な生活をすること自体、実はとても努力が必要だ。いざ信徒訪問に行っても、教会の昔の出来事や人物の話題が通じず、時代が変わった・・・と寂しい顔を見ることもあるし、力及ばないじれったさと空腹を家に持ち帰ったりもする。


 人が独りでいるのは良くないと神様がおっしゃるのは本当だと思う。イエス様が二人を一組にして宣教に派遣されたことも、「二人組」なら働きをより広げる力を持つことをご存知だからこそだろうと実感している。そして神様は、二人組のための「もう一人」を備えて下さっている。

定年後、毎日が主日になった委員さんは、いつも訪問に同行して下さり、おかげでより暖かい交わりが得られるようになった。ある委員さんは、一緒に礼拝と会衆の事を考えながら聖歌の選定に協力して下さるし、いつも手作り弁当でお腹を満たして下さる委員さんもいる。密かに黙々と事務作業をこなす委員さんや、専門的な知識と技術で助言を頂ける逸材も与えられている。

宣教パートナーが一緒に居ることくらい、心強いことはない。私は恐れずに言いたい。私一人では無理でも、「あなたが一緒」ならもっと出来ることがある。神様があなたを宣教パートナーとして、教会の働きに送って下さいますように。

主はほかに七十二人を任命し、御自分が行くつもりのすべての町や村に二人ずつ先に遣わされた。そして、彼らに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。」
(ルカによる福音書10章1~2節)

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