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子どもはいつでも”安心”したい?-冒険とホームの話

もうすぐ母の日ですね。

昨年、絵本屋さんでは5月のセレクトテーマは「大好き!お母さん」を掲げていました。(ちなみに今年は「ピクニック!」です)

このテーマで改めて色々な絵本を見直してみると、お話のラストにお母さんが登場する絵本って、実はとっても多い。

例えば、こんな本。

ぎゅっと抱きしめ合う動物たちの姿を見て、お母さんが恋しくなってしまうおサルのジョジョくんのお話。幸せそうな動物たちの表情に癒されるスキンシップの絵本。

山を越えて川もわたって、途中で転んで泣いちゃっても、どんどこ突き進むももんちゃん。走って行った先には…?分かりやすい起承転結で、初めて読むストーリー絵本にもぴったり。

夜中に男の子を訪ねてきたのは、夜みたいに真っ黒なくまの子。よるくまと一緒にくまの母さんを探す、ベッドタイム・ファンタジー。


読んだことない方にはネタバレになっちゃいますが、どれも最後にお母さんが出てきて、温かい気持ちにさせてくれる作品です。

読書の醍醐味のひとつと言えば、「疑似体験」。特に幼児は、現実と空想の区別がつかず、主人公に感情移入しやすいと言います。

主人公が最後にお母さんの元に戻ってこれることで、きっと子どもは安心するんじゃないでしょうか?

ある時、そんなことをカフェのお客さまと話していたら、その方から質問が。

「やっぱり、子どもは安心を求めているんですかね?」

私はふと考え込んで、「うーん、どうなんでしょうねぇ。」とその場で答えは出せずにいたのですが、その後また考えて、思い直しました。

「子供は安心を求めてる」と思う。

なぜか。

何十年という人生の経験値がある大人の私達と違って、生まれてたった数年しか経っていない子ども達には、きっと毎日が、刺激であり、挑戦であり、冒険だから。

そしてその冒険に出かけられるのも、お母さんやお父さん、つまり「家庭」という絶対的信頼がある存在が、必ず待ってくれているからじゃないでしょうか?

保育園や幼稚園に行っても、お母さんは必ず迎えに来てくれる。家に帰れば、お母さんがいる。最後には、お母さんが守ってくれる。辛いことがあっても、抱きしめてくれる。

そう信じているからこそ、色々なことにチャレンジしたり、のびのび自由に遊ぶことができるんだと思います。

大人の私達だって、なんだかんだ、ハッピーエンドは嫌いじゃない。最後に救われると思えなければスリリングなアクションやホラー映画なんか見れないもの。(後味が悪くても面白い作品もあるけども。)

物語というフィクションの世界に入り込みやすい子どもなら、たぶん、尚更。冒険に出るためには、安らげるホームが必要なんじゃないかと。

子どもの信頼感や安心感は、親子で一緒に絵本を読んで楽しむ時間でも、きっと育まれるはず。

お子さんと一緒に、楽しい本、安らげる本、ちょっとドキドキする本、いろいろ読んでみてください。本の対象年齢が上がってくると、冒険の範囲も広がってきて、大人も一緒にドキドキできるようになる。

子どもと一緒に本を読むって、すごく楽しい!!段々とこちらまで童心に返るというか、大人の目線も子どもに近づいてくる気がします。もしかすると、横で物語を楽しんでいる子どもの気持ちも疑似体験しているのかもしれないな。ワクワク、面白そうに絵本を眺めている表情を見るのも、親として本当に嬉しい。これも「親子読み」の魅力だと思ってます。

お子さんと冒険の世界へ、さあどうぞ。


子どもの安らぎについて、前回の記事でも触れています。良ければ、こちらもどうぞ。


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