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日本茶を仕入れたい。卸売り元を探されている方へ。卸売り業者の選び方をまとめました。

こんにちは。すすむ屋茶店の新原です。

皆さん。お茶飲んでますか?というのも今日は朝から「さえみどり」の焙煎をしていて必然的に朝の一杯がさえみどりに。やっぱり美味しいんですよね。「さえみどり」。

僕はとても好きな品種ですね。甘くて鹿児島のお茶らしいお茶。是非お店に体験しにいらしてくださいね。

前置きが長くなりましたが、本日は業務用も含む日本茶・緑茶等のお茶を卸売り希望されている方に向けて、失敗しにくいお茶の業者選びを説明させていただきたいと思います。

昨今、日本文化が世界に注目されている点に加え、日本茶が健康に良い飲み物であることから都内を中心に「新しい形の日本茶専門店」が次々に誕生しています。僕も私も「日本茶専門店を開きたい」「日本茶を世界に向けて発信したい」また、飲食店・ホテルの業務用の緑茶もブラッシュアップして「お客様の満足度を上げたい」と思っている方も少なくないはず。

でも。正直どこに何を聞けばいいのかさえも分からない人ばかりだと思います。お茶って多くの人に飲まれているんですけど、どこで仕入れるのかなんて普通考えないですもんね。僕らぐらいのもんですね(笑)。

そこで今回はこれから「日本茶の専門店を始めてみたい」という方や、「美味しい日本茶を業務用で探したい」という方に向けて有益な情報をお伝えできればと考えております。今回の記事を読むだけでお茶の卸売りの流れが分かるように解説致しますので是非最後までご覧ください。


日本茶を仕入れる方法は基本的に3つしかない。

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①「茶農家」に問い合わせする。

②「製茶卸売問屋」に問い合わせする。

③「日本茶専門店」に問い合わせする。

日本茶を仕入れる方法は基本的に3つしかありません。

一般的な流通では「茶農家」がお茶を生産し、「製茶卸売問屋」がブレンド焙煎をおこない製品にし、「日本茶専門店」が最後にお客様に販売するという流れなのですが実はどのフェーズでもお茶を仕入れることができるんです。

但し、3つの方法それぞれ一長一短あるのでそれを順に説明をしていきますね。


①「茶農家」に問い合わせする。

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お茶のお店を始めたい。美味しい日本茶を仕入れたい。と考えたときに最初に思いつくのが「茶農家」さんに直接交渉する。ではないでしょうか?茶農家さんからお茶を仕入れることで、よりフレッシュな日本茶を仕入れることができます。そして何といってもその土地のその茶農家のその人だけにしかつくれないお茶となります。これって素晴らしいことだと思いませんか?

また一般的に価格面でも川上の最上流ということで交渉次第では安価に仕入れることができるんです。

他にも一緒に生産方法を考えたり提案することで、よりその土地のそのお店だけのオリジナルのお茶を作ることができます。

一方、マイナス面もいくつかあるんですね。

茶農家さんは自然を相手にしているので年によっては品質が落ちてしまって安定しない。お茶を焙煎する焙煎機がない場合がある。お茶を貯蔵する大型冷蔵庫がない場合がある。沢山の量を生産するので小分け(例えば10kくださいといっても無理)での仕入れがしにくい。等々

また直接交渉ですからお茶の品質を見抜いて買取価格を提示しなくてはなりません。これが一番のネックかもしれませんね。

とはいっても、その産地のその土地のここの農家さんのお茶を販売したい!という場合には「茶農家」に直接交渉問い合わせが一番だと思います。作り手と直接コミュニケーションをとることで産地の匂いや農家さんの思いも一緒に仕入れることができますからね。

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茶農家に問い合わせしたほうがよい方。

①大規模な販売先又は顧客を抱えていて、生産農家さんのたくさんのお茶を一度に仕入れることができる人。

②オリジナルのお茶。その土地のお茶、その人のお茶にとことんこだわりたい人。

③目利きに自信があり、価格交渉をしっかりできる人


②製茶卸問屋(卸売専門業者)に問い合わせする。

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製茶卸売問屋とは日本茶に特化した卸売業者のことで主に、静岡や鹿児島、三重、京都などの茶産地に多いです。

その産地にいる農家さんのお茶を茶市場で買い付けたり、または直接買い上げをしたりしてお茶を集めます。そのお茶をブレンドしたり、焙煎したり、又は袋詰めまでして製品にするのが仕事です。

よく僕は、製茶卸売問屋ってなに?と聞かれるのですが、僕は「築地、豊洲の仲買人みたいなものです。」もしくは「ブラジルにあるコーヒー商社です。」と答えています。なくてはならない鑑定のプロですね。

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製茶卸売問屋の仕事は日本茶のすべてこなす。といっても過言ではなく、目利きや加工、焙煎能力に長けていないと務まりません。クライアントによって、10トンのお茶を一度に焙煎したり、5kgのお茶を袋詰めしたり、大型冷蔵庫で保管してくれたりと「お茶の便利屋」みたいなものです。

また、地元の農家さんと共に生産する会社や、実際に畑を所有して日本茶の生産までもしている製茶卸売問屋さんもあります。そもそも仕入れをする時点で農家さんよりも畑に詳しくないと務まりません。

日本茶のことを熟知していますから、まずは相談に乗ってもらうのも良いかと思います。

製茶卸売問屋さんには様々な規模の会社が存在しており、自分の商売規模とやりたいことをうまくマッチする会社さんを見つけるのが大切です。日本茶専門店に特化した問屋さん。スーパーのOEMに強い問屋さん。等々たくさんの茶問屋さんがあるのも事実なので注意を。

またマイナス面を上げるとすれば、どうしてもこの土地のこの茶農家のお茶を扱いたいといってもそこの農家さんとのつながりがなければ扱うことができません。またやはりお茶の産地にある以上地元のお茶をお勧めされるでしょうから、その場合茶農家さんとの直接交渉のほうがよいでしょう。

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但し、卸売りを依頼するには万能な業種であることは事実です。なぜなら数ある生産者の中から、更にその年の良い茶葉を選んで集めることができますから品質はピカ一で安定します。ワインでも寿司でも美味しいと評価されるのは生産家でもなくソムリエだったり、漁師さんでなく寿司職人だったりするのに近い感覚ですかね。質が良く美味しいお茶を集めることができますね。

製茶卸売問屋に問い合わせしたほうがよい方。

①日本茶のことに詳しくなく、焙煎から保管まで。なんでも相談したい人

②日本茶の様々な商品を作ってみたい人。お茶のOEMをお願いしたい人

③品質のよいものを必要量だけ安く仕入れたい人

手前味噌ですが、僕が運営する「すすむ屋茶店」は製茶卸売問屋の機能をもった専門店ですのでよければ相談してみてください。

以前「tha tea today」で取材をさせていただいた、京都の矢野園さんは京都を代表する製茶卸売問屋なのでお勧めです。

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③「日本茶専門店」に問い合わせする。

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日本茶専門店に相談するのも僕は得策だと思っています。川下に位置するから割高なんじゃない?と思っている方も多いと思いますが、決してそんなことはありません。日本茶専門店は、多くの茶農家や製茶卸売問屋から、これだ!というお茶を「セレクト」して販売していますから、品質に対して高すぎる。ということはないと思っています。

また、すでに完成された(焙煎され袋詰めされた)お茶をそのまま仕入れるので間違いはありませんし、失敗のリスクも低いです。

また、雑貨店や飲食店を運営されている方で、いろんなお店の日本茶を扱ってみたいという方や、少ない量を売れた分だけ仕入れしたいという方には、むしろ日本茶専門店のほうがピッタリだと思います。そのお店によっては卸売りやまとめ買いで安く販売してくれるところもあると思いますから、問い合わせをしてみたらいいと思います。

但し、この農家さんのお茶を販売したい。とか。焙煎温度をちょっと調整したいなどの細かなオーダーは対応できないところが多いと思います。そういったオーダー品のお茶ではなくそのお店のお茶を売りたいということであれば日本茶専門店に問い合わせるのはベストだと思いますね。日本茶専門店のお茶を販売することでそのお店を知っているファンの方にお茶を通じて知ってもらうこともできますし、そこから様々なコラボレーションが生まれることだってありますからね。

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そう考えると、川下だからといって割高ではないことは、分かっていただけるのではないでしょうか?更に専門店の通常販売で購入すれば日替わりで、京都のお茶、静岡のお茶、鹿児島のお茶。と飲み比べることもできますのでおすすめです。ご自身がお住まいの街にも面白い日本茶専門店があるかもしれませんから是非調べてみてください。

但し、この「農家さんのお茶」というよりも、この「お店のお茶」になりますのでそれを良し。とする方に限ると思いますね。

日本茶専門店に問い合わせしたほうがよい方。

①様々なお店のお茶を、扱いたい雑貨店、飲食店の方

②日替わりでお客様にお茶を提案したい方

③扱いたい「日本茶専門店のお客様」と「自社のお客様」とのお客様層が重なる方。

お勧めの日本茶専門店も紹介しておきますね。

京都の「一保堂茶舗」さん

静岡、ぐり茶の杉山製茶さん

僕が運営しているお店も。「すすむ屋茶店」美味しいです。「嘉左衛門茶舗」

最後に

いかがでしたでしょうか?

どのフェーズにも一長一短ありますので、それぞれのお店や環境によって問い合わせ先を変えたらいいと思います。

僕は、日本茶の業界がもっと盛り上がってお客様に美味しいお茶が届くには日本茶のことを知らない人たちに、もっと日本茶の業界を知っていただく必要があるはずだと思っています。つまり新規参入が必要不可欠だと思っています。だからこそ僕が知っていることを日本茶に興味がある人に伝えたいと思っているんですね。

日本茶は、しっかりと運営することができれば、とても面白いビジネスになると思いますし、とてもやりがいのある仕事です。どんな些細なことでも結構です。私達すすむ屋茶店にお問い合わせをいただきましたら卸売りチームが様々な日本茶の「分からない」を一緒に解決致します。

これまでも、これからも、日本茶に興味を持っている人がもっと簡単に。日本茶ビジネスをすぐに始められる環境を作りたいと思っています。

今回の記事が、あなたの日本茶ビジネスを少しでも手助けするものとなれば嬉しいです。

お問い合わせはこちらまで。


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