怪我の功名

実は1月末に手首の骨折に見舞われまして、でも、そのことで大きな発見がありました。

日頃から、「気功は心身を今よりよくする方法」と言い、「健康度が増すことで、状態がよくなったり、能力が開花したりするのであって、気功は決して『秘術 病気治し』」ではないと言っていますが、それでも身体の不快や困りごとや、精神的な問題などに対して、気を送ったりすることはあります。
ですが、やはり気功自体は中国の養生文化の精華なので、やっぱり外傷的なものへの支援としては疑問がありました。「歯が折れたら歯医者へ、骨が折れたら整形外科か骨つぎへ、ひどく切れたら縫ってもらう方がいい」というのが基本スタンスです。

新医学気功は中国の医療気功として生まれました。創始者の楊峰老師はものすごいパワーの持ち主で、漢方処方と気功とでものすごい成果を上げていらっしゃいます。
その老師にご指導いただきながらも、外傷への支援は躊躇があったのです。

以前、ちょうど私が楊峰老師と出会って気功を習い始めた頃合いに、知り合いが、足の骨にヒビが入るという怪我を負い、どうしても短期間に治す必要があるということで、有名な気功師の方に気を送っていただいて、どうしても歩いて行かなければならない用事に間に合わせたということがありました。
どちらかと言えば疑り深い性分の私は、自分が気功を習い始めているにもかかわらず、猜疑心がいっぱいでした。

こわばっている筋肉に気を送ったり、不調の内臓の経絡に気を通したりして、人様から感謝されたり、驚かれたりするようになっても、骨折や歯科のお悩みの支援は苦手だったのです。

外傷によって神経を断裂された方がいて、その方に気を送った場合に、強烈な痺れや痛みが現れたことも二の足を踏むきっかけではありました。

そんな私が骨折です。骨頭がはっきりと複数に割れ、しかも根本からボッキリの状態でした。主治医が適切な手技で整復してくださり、その後プレートを入れる手術をしていただきました。
正直、これは日常生活に戻れるのかと不安になる当初のレントゲン画像でしたので、不安もありましたが、手術後の画像をみて、これはある意味チャンスなのではないかと思いました。

受傷当日の手

まずは全身の気の安定を図り、それを患部に注ぎ込むように包み込むようにするように意識しました。痛みや腫れは変化なく、赤黒いバケットにブドウ色のクリームパンをつないだような我が手は、少し揺れても激痛がし、指先も動かない状態でしたが、術後1週間くらいで指先が動くようになり、術後3週目の診察では主治医から「これはキレイに着いたね。固定を外してリハビリに行ってもよさそうだ」と言われるまでに回復しました。
※結局はカルテをまじまじと見て、私の年齢を考慮して5週間固定となりましたが。

受傷10日目の手
受傷2週間の手(検査前)

固定が取れた私の手は相変わらずドス黒いクリームパン状態で、手のひらを30度程度しか回せず、親指で人差し指(薬指じゃないです)に触れない状態でした。
まずは一番気になる部分に意念を置いて、具体的な目標を決めて気を送ることを繰り返しました。指ならば人差し指に触る、中指に触る、薬指に触る、小指まで届かす、根元まで触る、水平に開く、指を広げる、グーにする、チョキを作る。手首なら90度回す、手の甲を見る、机にぺったり手をつく、空中で水平を維持する。
またそれとは別に全身の十二正経や奇経八脈に気を流したりする練習を行いました。特にいわゆる小周天にあたる督脈・任脈は何度も気を巡らし、排邪法も行なっていくと、腫れも引き、ドス黒さも薄らいでいきました。

リハビリ1週目の手

当然、リハビリ担当の先生やスタッフの方の手厚い、時にモロに痛いリハビリ施術のおかげではありますが。

それでもリハビリの初めに「最初に手がつけるようになるとしたら、グーではなく、ちょうどゴリラが歩く時に手を突くように(ナックルウォークというそうです)指の第一関節(DIP関節)と第二関節(PIP関節)の間の部分で補助的に突ければよくて、グーでは突けたらだいぶいいですね」と言われた段階は経ずに、パーで優しく突く段階に至ることができました。

ナックルウォークするゴリラ

受傷約3ヶ月の現在は、まだ右に比べると不自由なことも多く、握力も大差がありますが、PCのタイピングなどができるようになっています。

完治したわけではないので、総括はできませんが、50代後半という年齢としては、かなり順調なのだろうと思います。
つまり、気功の外傷に対する支援は、5週間かかる骨の接着を3週間に短縮し、リハビリの段階をいくつか省略する働きがある(私の感想です)のだということです。
つまり、日頃から1日10分くらいを練功に割けるなら、いざという時に治療までの期間を短くしたり、状態を軽くしたりする支援は可能なのではないかというのが私の感想です。

現在の手(この記事作成中)

「どんな難病でもたちどころに治す」とか、「気合い一撃で取れた腕がくっついて動く」とかいうのは胡散臭い話で、あればむしろ宗教的な奇跡なのだろうと思います。
※武士が深手を負った時に仏壇や神棚の埃を擦って縛ったら治ったって類いの逸話はいくつか聞いたことがありますし、西行法師の反魂の法失敗の話は読んだことがあります。

我が師である楊峰老師が、「東洋医学と西洋医学は相補的に働くべきで、気功と医術もその関係に似ている」とよくおっしゃってた理由が身に染みました。

それにしても身体というのは不思議なもので、骨が着く間は髪も髭も爪もあまり伸びず、体の元に戻ろうとする順序ははっきりとあって、気圧や天気・湿度には思った以上にビビッドに反応して、骨折部位の周囲の皮膚だけ毛深くなったり(保護したいのかもしれません)します。
そういう変化をきちんと自覚しながら気功で支援をしていくというのはありだなと実感していますし、プロとして方法をたっぷり模索することができました。
※これからも勉強です

現状としては、「いつでもプレート抜けますよ。まずは十分にリハビリして。手術すると2週間はリハビリできないし、多少の後戻りは起こりますから」と言われるところまで受傷約3ヶ月で回復することができています。

この期間、気功教室もお休みにしていたので、ここからまた再開していこうと思っています。
遠隔でも初級技法では全く効果の差はありません。よかったらSkypeかZoomで対応しますので、ページ下の「クリエイターへのお問合わせ」欄から、またはFacebookの「新医学気功日本中心」からお気軽にお問合せください。

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