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日々の言葉 #95『バガボンド』

今日の言葉は、井上雄彦さんの『バガボンド』から。

主人公はもちろん宮本武蔵なんですが、幼馴染の又八や、伊織少年、槍の達人・胤栄じいさんら、武蔵を取り巻く人々も魅力たっぷり。

剣の道を究めようとする武蔵自身、悲しいくらいに自意識過剰で、人間くささにあふれています。いい目をしてるんですよね。

2015年2月から休載状態だそうですけど、九州に渡った武蔵は、この先どうなるのかしら……。

武者修行の旅を続ける武蔵は、奈良にある槍の聖地・宝蔵院を訪ねます。二代目・胤舜に立ち会いを求めるんですが、圧倒的な力の差に、なんと敵前逃亡。

初めて感じる死の恐怖と、ドン底まで落ちた自意識に苦しむ武蔵。ここでようやく悟ります。

<「強い俺」は虚像だった>

強くなりたいと望む者にとって、「現実サイズの自分」と向き合うことほどつらいことはなかったでしょう。うう、武蔵……となった瞬間でした。

長年、新人研修を担当してきたので、新人たちが「現実サイズの自分」と向き合う瞬間を、どう支えるかが課題でした。

肥大化した自己意識に気付き、ハリボテの自分に幻滅する。

ここをどう乗り越えるかが、その後のお仕事人生を楽しくしてくれるのかもしれません。よく伝えていたのは、「先輩と比べても意味ないよ」ということでした。

マンガにせよ、小説にせよ、“物語”を読むメリットは、違う視点を得られることだと思います。そして、相対的に自分を見られるようになることも、いい点ですよね。

わたしは一時期、ほっこりやさしい人たちが登場する小説が読めなくなりました。

(こんな人たち、現実にはいないもん……!!)

そんな気がしてしまったからです。同時に、自分がいかに「競争社会」に生きているのかを実感したのでした。

エンタメ小説を読みながら、『7つの習慣』でいう、パラダイムシフトが起きていたのです。

コヴィー博士は7つの習慣を、「原則を中心に据え、人格を土台とし、インサイド・アウト(内から外へ)のアプローチによって、個人の成長、効果的な人間関係を実現しようという思考である」と語っていますが、言うは易く行うは難し。

頭では分かっているんだけど、行動につながらない。

こんな悩みもよく聞きますが。これ、実は行動を止めている理由があるはずなんです。

もしかして、「強い俺」という虚像を抱えている可能性も……。

7つの習慣の実践は、具体的な行動に変換できるかどうかにかかっているといえます。ゴールがワクワクする目標なら、心は自然にそちらに向かって動き出し、行動しているはずだから。

その目標は、ワクワクするものですか? 苦行になっていませんか?

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「なぜ」が人生を深くする。
毎日、小さな問いを発信しています。
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