銀山温泉への旅
人生で、一度は行ってみたいところはありますか?
あそこも、ここも行きたい場所が多いのですけれど、山形の山奥にある「銀山温泉」は、その中でも一番でした。
木造三層四層の旅館が立ち並ぶ小さな温泉街で、「千と千尋の神隠し」のモデルになったと言われているところです。
銀山温泉と山形市内の旅。立ち寄り先をご紹介します!
銀山温泉
「大正浪漫漂う」とか、「ガス灯の灯りがロマンチック」とか、キーワードばかりが頭の中を駆け巡っておりましたが、ホントーーーーに、その通りの町並みでした。
お宿は13軒のみ。お土産屋さんとカフェが数軒という、こじんまりした規模です。一般車両は温泉街に入れないため、近くの駐車場に停めて、お宿の方に迎えにきていただきました。
町に入ると、ほんのり硫黄の香り! 足湯や源泉が湧き出しているところも。
観光するところといえば、滝と銀山の跡くらい。どこも歩いて回れます。
5月半ばの東京は、30度近い気温になる日もありましたが、山形の朝晩は寒い! 遠くの山並みには、まだ雪が残っていました。
山形はちょうど桜が終わったタイミング。ところが、崖の上に一本だけ満開の桜を発見! なんだか待っていてくれたようなご褒美感!!
こういう場所なので、いっぱい観光したいという方には物足りないのかもしれません。
が、我が家の「旅行」は、別名「読書合宿」なので、この規模はちょうどよかったです。
東根の大ケヤキと徳良湖
山形駅でレンタカーを借り、銀山温泉を目指す途中で、2箇所立ち寄ったところがあります。
ひとつは、東根市にある小学校の大ケヤキ。樹齢千五百年以上で、国指定特別天然記念物。「いいの?」というくらい、普通に校庭に入って拝むことができます。
むかし東根城があったところだそうで、小学校の塀もお城の城壁そのまま。
もしこちらに行かれる方は、小学生たちが授業中の可能性があるため、配慮してあげてくださいね。
東根から尾花沢市にはいると、「徳良湖」が見えてきます。ここは花笠踊り発祥の地なのだそう。
オートキャンプ場やヨット体験などもあり。夏に来たら、気持ち良かっただろうなー! この日は、代わりに「鯉」が泳いでいました。
おいしい山形
山形はどこに行っても「水」がおいしかったです。「水」がおいしいということは、つまり食べ物がおいしい!
銀山温泉で泊まった「古勢起屋別館」さんでは、夕食と朝食をいただきました。旅の手配はダンナ氏がしてくれたんですが、決め手は「お酒含むフリードリンク」のサービス。笑
でも、お部屋に置いてあった「水」が、ゴクゴク飲んじゃうくらいおいしいんですよ。それだけでとても幸せな気持ちになれます。
食事は純和風の会席料理で、地産地消の食材を使用。ぜんぶおいしかったけど、中でもわたしのハートを射止めたのは尾花沢産「つや姫=米」です。
コシヒカリなどの品種よりも粒が大きいので、もっちり感があり、お米の風味を存分に感じられました。
こちらの旅館では追加料金を払うと、夕飯の肉料理を「肉増し」することができます。
予約したダンナ氏は、すき焼きやしゃぶしゃぶを想定して「肉増し」を選択。ですが、出てきたのはまさかのローストビーフ!
通常3枚のところ、「肉増し」サービスで「10枚」がドーン!!! めっちゃ肉を食ったーという感じでした。
朝ごはんも超豪華。ダンナ氏は「つや姫」ご飯をおかわりしてました。
山形駅の近くでは、米沢牛の専門店の「登起波(ときわ)」さんでランチを。
食後に散歩がてらプラプラ歩いて「Day&Coffee」さんで休憩。明るい店内でゆっくりさせてもらいました。
https://www.instagram.com/dayandcoffee/
山形駅の真ん前にある「茶蔵」さんでは抹茶アイスをいただきました。創業百余年・お茶の専門店「桑名園」がプロデュースするお店です。
帰宅後も、山形を満喫中。
求肥もちを特製餡でくるんだ「古鏡」。あんこ好きをうならせるおいしさです。この形と名前の由来は、羽黒山の「鏡池」から出土した古鏡をかたどっているからだそう。
オマケに、山形駅の構内で出合った「本のひろば」という自由図書館について。
新幹線の時間まで、ここのベンチで読書タイム。さすがに旅の途中なので「借りる」ことはできませんでしたが、こういう設備があるのはありがたいですね。
ふるさと納税で日本を旅する
今回、銀山温泉に行った理由は、実は「ふるさと納税」です。温泉のある山形県尾花沢市に納税すると、返礼品として宿泊割引券をいただけたのです。
これまでも返礼品に宿泊券のあるところを選んで、奈良や岩手など、日本のあちこちを旅してきました。
現地を旅すると、そこでまたお金を使うので、納税分に加えて地元経済に貢献できるのではないかなと思います。
実際に行ってみた銀山温泉は、心からくつろげる町でした。
とくに、ガス灯の灯り。ちょっと「鬼滅の刃」感がありますが。笑
むかし何かの小説で、初めてガス灯を見た主人公が、あまりに明るくて驚く、というシーンがありました。ロウソクや魚油の行灯しか知らなかった人たちには、驚きだったようです。
が、21世紀に生きているわたしは、蛍光灯の明るさを知っています。なので、わたしにとっては「ぼんやりとした明るさ」なんですよね、ガス灯って。
本を読むには暗いけど、周囲はまだちゃんと見える程度の明るさ。
降るような星空と、真っ暗な山。どうどうと流れる川の音。そしてガス灯。
すべてを照らし出さない明るさ(というか暗さ)が、これほど心落ち着くものだったとは……。
小説『陰陽師』の時代には、「闇」の部分が大きくて、その中でさまざまなものが蠢いていました。
でも、ガス灯の下では「明」と「闇」が緩やかにつながっています。完全に「排除」されていないぶん、「闇」がやわらかく感じられる。
人間の心の中にも「明」と「闇」があります。どちらが良い悪いではなく、そのどちらにも役割があるのではないか。
遠く北極星を眺めながら露天風呂につかり、そんなことをツラツラ考え、行きたいところは、いま行くものだと思い知りました。
ぜいたくでおいしい山形・銀山温泉の旅。この記事が参考になればうれしいです!
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