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日々の言葉 #85『彼女の名前は』

今日の言葉は、チョ・ナムジュさんの『彼女の名前は』から。

日本でもベストセラーとなった『82年生まれ、キム・ジヨン』の作者チョ・ナムジュさんの短編集です。

60人余りの女性にインタビューをして、書き上げたという一冊。ただ「生きている」だけで立ち塞がる不条理に、声をあげた女性たちが描かれています。

結婚してすぐにケンカを繰り返し、ついに離婚を決めた女性。家に帰ったとき、妹にプロポーズされたことを告げられます。

「結婚やめよっかな?」

そう悩む妹に、主人公は「がんばらないで、自分のままでいて」と伝えるんです。

離婚にまで発展してしまった、直接のきっかけは、姑の行動でした。

突然訪ねてきて、冷蔵庫の中のものをチェックし、お惣菜を買ったことをたしなめられる。

義母としては、信用できない食べ物。
主人公としては、忙しいときに助かる食べ物。

短い短編なんですが、義母の言葉に、真綿で首を絞められるような気がしちゃう。およそ正反対の認識を抱えていることが伝わってくる描写に、チョ・ナムジュさんの筆力を感じました。

こういう小説を読むと、『7つの習慣』の第5の習慣である「理解」って、本当に難しい習慣だなと思います。

義母には、若い世代の価値観を理解しようなんて姿勢がこれっぽっちもないんだもん。言うことを聞くことは、「譲る」もしくは「折れる」ことのようでつらい……。

わたしは関西出身なので、結婚して姑と暮らしていたとき、味噌汁や煮物の味が合わなくてとても困りました。義母が席を立ったすきに、お水を足したことも一度や二度ではありません。

逆に、わたしの味付けは薄かったようで、煮物にバシャバシャとしょう油をかけられたときは、内心「ウッ!」となりました。

ふたりで話し合うことはなかったのですが、ある日、義母が提案してくれました。

「食事は別々に食べようか」

義母も気が引けていたのかもしれません。「理解」のベースにあるのは、愛情なのだなと感じた思い出です。

相手を理解するために、自分ができることはなんでしょうか?

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「なぜ」が人生を深くする。
毎日、小さな問いを発信しています。
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TCS認定コーチ・7つの習慣セルフコーチング認定コーチのしんちゃんです。
コーチングに興味ある!という方は、こちらのnoteもご覧ください。


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