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英雄的行為の及ぼす影響。結局、人の心を動かすのは命を懸けた行為だ

 Twitterにて「JSF」さんによる以下のようなツイートを目にした。

――その通り! 全くその通りなのだ!

意外とこのようなゼレンスキー氏を讃えるような発言を見かけないのだが、彼が立派なのはロシア軍から逃げなかったことにある。

前大統領のヤヌコヴィッチはマイダン革命の際、自国の民による反乱にすら恐れて国外に逃げ出したのに、ゼレンスキー氏はロシア軍が今にもキーウに迫ろうとしている状況で逃げなかったんだよ。捕らえられたらほぼ確実に処刑されるに決まっているのにキーウに留まり続けたんだよ。己だけではなく妻や子供まで処刑される可能性があるにもかかわらず。

この勇気と覚悟と偉大さを分からない者が多すぎる。

「私たちはここにいる、独立を守る」 首都からウクライナ大統領が政府幹部と - YouTube

また、ロシアによる軍事侵攻から間もなくのことだが、ゼレンスキー氏の身を案じた英米は彼の亡命を計画したが、ウクライナに留まるというゼレンスキー氏の意志が固く計画は実行されなかったという事実もある。

英米が大統領脱出準備 亡命政権樹立を支援―ウクライナ:時事ドットコム (jiji.com)

東日本大震災の折、当時の民主党政権は天皇在位中の上皇陛下に対して京都か京都以西に避難するよう非公式に打診したそうだが、宮内庁は上皇陛下の意向として、「国民が避難していないのに、あり得ない」と伝えたそうだ。

福島事故直後、天皇陛下に避難打診 民主・菅政権、宮内庁は拒否:中日新聞Web (chunichi.co.jp)

私はこの後日譚を知り、さらに上皇陛下への敬愛の念を深めることとなったのだが、キーウに留まり続けたゼレンスキー氏の態度にも同様に尊敬の念を抱かずにいられない。

ただの元コメディアンじゃないかとゼレンスキー氏を馬鹿にする者が多いけど、肩書や経歴なんてどうでも良いんだよ。

危機的な状況のなかでどういう行動を取るかで人間の真価が決まると思うのだが、ゼレンスキー氏は最悪な状況のなかで見事にを発揮したんだよ。

あれが全てなんだよ。 あれが全てなんだよ!

そういう考えに思い至らずにゼレンスキー氏をディスる輩が多いのだが、私には到底理解できない。

――ていうか、我々日本人こそが本来ゼレンスキー氏の行動や態度を理解してやらないといけない筈なんだよ。

我々日本人は、一個人が神がかった崇高な行為で強敵に対峙した姿を見ているじゃないか? 先の大戦時、己の命を犠牲にしてまでも強敵を倒そうとした人たちを見ているじゃないか?

そう、特攻隊として散っていった若者たちを。

彼らこそ己の命を顧みずに大義の為に戦った人たちの代表みたいなものじゃないか? 彼らを戴いている我々日本人こそ、危機的な状況で命を顧みずに戦っているゼレンスキー氏に共感の念を抱き応援しなければならないのではないか?

大戦末期、作家の山岡荘八は神雷部隊が待機する鹿屋基地で、師範学校出身の西田高光という若者に訊ねた。

「この戦いに日本は果たして勝ち抜けると本心から思っているのか」

 「戦死してしまって日本が負けても悔いはないのか」

すると、西田はこう答えたという。

「学鷲(予備学生出身の搭乗員)は一応インテリです。この戦争について疑問を持っている者もいるし、私もそうですが、そう単純に日本が連合軍という大敵に勝てるなどとは思っていません。でも、無条件降伏は、ありえないと思っている。ですから、少なくとも今の戦局を小康状態にまで盛り返して、有利な講和に持ち込む、それしかないんじゃないかなあ。われわれはそのために突っ込むんですよ

西田は特攻したからといって米国に勝てるなどとは思っていないのだが、しかし己や仲間たちの命懸けの行為が戦後の講和に繋がる筈だと考えたのだ。だから死んでやろうと考えたのだ。

【人間爆弾「桜花」最後の証言】(4)沖縄陥落 迫る出撃「日本は勝ち抜けると本心から思うか」山岡荘八の質問に西田中尉は答えた…(2/3ページ) - 産経ニュース (sankei.com)


https://geolog.mydns.jp/www.geocities.jp/kamikazes_site/tokko_episode/nishidacyui.html

結果、西田の予測通り日本は敗北したワケだが、特攻隊の勇姿は米国の占領統治に大きな影響を与えたに違いないと私は確信している。

米国が天皇制を廃止せずに存続させたのは、もちろん天皇の威光を利用して統治を容易なものにしようという意図もあったろうが、もし天皇制を廃止にでもしたら、日本人は再び特攻のように命を懸けて反抗してくるに違いないと恐れたに違いないし、そこに若干の尊敬の念も含まれていたとすら私は考えている。

英雄的行為は多くの人たちの心を動かすのだ。特攻隊の英雄的行為は米国の人間にも影響を与えたのだ。

ゼレンスキー氏の英雄的行為も同じだ。彼の勇気ある行為が世界の人たちの心を動かしたから、多くの国がウクライナへの経済的・軍事的支援を買って出ているのだ。

もちろん、女子供まで命懸けで戦うウクライナ人の姿勢が共感を呼んでいるのも事実だが、大統領自らの英雄的行為が与えるインパクトは相当に大きい筈だ。

英雄的行為は理屈を超える力を持っているのだ。

そんな英雄的行為をプーチンやロシア兵に見ることができるだろうか? 国際法を無視してウクライナへ軍事侵攻し、民間人に対して虐殺・略奪・強姦・子供の誘拐等を繰り返す。こんなヤツらの何処に英雄性を見出すことができるのだ! ただの犯罪者の集まりに過ぎないじゃないか!

欧州議会はロシアを「テロ支援国家」に認定したが、いやいや、あの国は「テロそのもの国家」だ。クソったれの集まりに過ぎない。感情論でもなんでもない、これは厳然たる事実なのだ馬鹿野郎め。

欧州議会、ロシアを「テロ支援国家」と認定: 日本経済新聞 (nikkei.com)

親露派を気取っている日本の人たちよ。もう、いい加減に認めよう。ゼレンスキー氏は英雄だよ? 特攻までして戦うメンタリティのある日本人がそれを理解できないなんて劣化の極致だよ?

いい加減にしてくれ。










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