巡航ミサイルと弾道ミサイルの違い(巡航ミサイル編)


巡航ミサイルとは

巡航ミサイルは、飛行機のように翼と推進力を持ち、長距離を自律飛行し目標を攻撃するミサイル。
精密誘導が可能となっており命中精度は数メートルと大変高いものとなっている。
また、弾道ミサイルは探知が容易であるがそれに比べ巡航ミサイルは低高度を飛行したり、地形に合わせて(山に沿ってなど)の飛行が可能なため弾道ミサイルに比べて探知はされにくい。

巡航ミサイルの種類

発射母体による分類

空中 ALCM air launched cruise missile(空中発射巡航ミサイル)
陸上 GLCM ground launched cruise missile(陸上発射巡航ミサイル)
海上 SLCM surface ship launched cruise misslie(水上艦発射巡航ミサイル)
潜水艦 SLCM submarine launched cruise missile(潜水艦発射巡航ミサイル)

攻撃目標による分類

対艦攻撃 ASCM anti-ship cruise missile(対艦巡航ミサイル)
対地攻撃 LACM land-attack cruise missile(対地巡航ミサイル)

巡航速度による分類

亜音速巡航ミサイル subsonic-speed cruise missile
超音速巡航ミサイル supersonic-speed cruise missile
極超音速巡航ミサイル hypersonic-speed cruise missile
この速度についてはこちらの記事を参照

戦場での巡航ミサイルの使用方法

では、戦場では巡航ミサイルをどのように使用するのか。
弾道ミサイルにおいては、精密誘導が不可能なため広範囲に危害を加えられる核弾頭といった大量破壊兵器・ABC兵器(Atomic biological and chemical weapons・核兵器・生物兵器・化学兵器)を載せる。
しかしながら、精密誘導が可能な巡航ミサイルの場合は通常弾頭を使用することが多いです。
では、このミサイルをどう活用すれば効率的でしょうか。
それは、対地攻撃の場合は敵港湾施設や敵航空基地・レーダー・通信施設といったものを攻撃するのが良いとされています。
では、詳しく見ていきましょう

港湾施設

港湾施設とは、整備や、停泊ができるドッグなどを指します。
船というのは整備を高い頻度でする必要があります。
もし、この施設を破壊した場合は戦禍が長引いた際に味方に有利となります。(敵は港湾施設を直す必要があり、その分敵の修理や弾薬・食料の補給を遅らせられるから)
また、停泊中の艦艇も破壊できるため有効な1手です。
そして、海上自衛隊の場合は地方総監部など、司令官がいる施設があるため、破壊した場合敵は大きな損害を被ることとなります。

レーダー

レーダー施設というのは、敵の目です。味方の飛行機が敵領空に侵入する際に一番厄介です。逆にレーダーを潰した場合は敵に自分の位置がバレないというわけです。(早期警戒機がいることを除く)

航空基地

いくら強い戦闘機や爆撃機・レーダーが破壊されたとしても警戒管制ができるAWACSが居たとしても地上に居る際はなにもできません。
飛行機は多くの時間を地上で過ごしています。そのため敵航空基地を破壊することは同時に戦闘機など軍用機を破壊することにつながるわけです。
また、滑走路や管制塔を破壊した場合はやはり復旧するまでは離着陸は大変難しいものとなります。そのためこちらも敵航空戦力を割く手段として大変有効です。

通信施設

すこし意外に感じる方もいるかも知れませんが通信施設というのは大変重要な場所。理由をわかりやすく説明しましょう。もし、相手が核保有国だった場合、攻められた時点で味方の潜水艦にSLBMを発射せよ、と指示するでしょう。その指示を行うのが通信施設です。もし通信施設が破壊された場合は敵の通信能力を下げることができます。

巡航ミサイル保有について

トマホーク保有を決めてからポンコツだ!湾岸戦争で使用された以上の数を保有するなんて!アメリカの在庫処分だ!などという全く的外れな論説が一部の左派・左翼、そして国務大臣経験者からも見られました。
しかしながら、ウクライナ紛争を見ていると分かる通り精密誘導ができる巡航ミサイルとは非常に大切な、重要な兵器です。日本防衛のためには必要不可欠といっても良いでしょう。
また、400発という大変多くの数ということですが、中国は軍事大国です。アジア太平洋地域ではアメリカと互角、いやそれ以上でしょう。
その中国に自衛権を行使する場合に巡航ミサイルを発射したとき、迎撃されるものも多いと考えられます。そして、中国は先程も言った通り軍事大国のため、狙うべき目標が多数あります。そのため、中継ぎであるトマホークでさえも400発という数なのです。

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