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【本】「40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい」再読③

毎回、改めて読み直すことの意義をしみじみと感じているこの再読シリーズ。今回も佐々木常夫さんの「40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい」を紹介していきたいと思います。要は「変わること」と「変わらないこと」があるってことですね。私は出口治明さんの「人間ちょびちょび説(人間の脳は1万3千年前から進化していない、というお話)」にとても共感していて、基本「人は変わらない」んだと思います。ですから、根幹は概ねいつの時代にも共通で、あとはその時々でちょっとしたアレンジが入るのかな、なんて考えています。では早速進めて参りましょう。


『「自利他利円満」でリターンを勝ち取れ』

世界的ベストセラー「7つの習慣」を著したスティーブン・コヴィーは、成功のカギを握る習慣として、「自分を理解してもらう前に、まず相手を理解するよう努力する習慣が必要だ」と説いている。「自分より人を優先すれば、相手の方がトクをするに決まっている。そんなの、奇麗ごとじゃないか」と思うかもしれないが、そうではない。相手をないがしろにして自分の利を求めるより、相手の利を優先してから自分の利を考える方が、実際に大きなリターンが得られるのだ。

「40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい」佐々木常夫著より

「損して得取れ」「利他心」「三方よし」

まさに「損して得取れ」ってことでしょうか。または「利他心」にもつながる考えですよね。あとは「盥の水を自分の方向に寄せるには?」というたとえ話が有名ですね。多くの人は、一生懸命手で自分の方へたぐり寄せようとしますが、これは一旦向かい側(相手側)に押し出したほうが、寄せて返す波によってより多くの水を自分の方へ導くことができる、という話だったと思います。ですから、まずは相手の利を考え、その後に自分の利も「おこぼれ程度」にいただく・・・なんて発想は本当に大事だと思います。近江商人の「三方よし」など、枚挙に暇がありませんね。

『「がっつり」付き合うな、「さらり」と行け』

人と接するとき、関心を持って相手を見る以外に、もう一つ大事なことがある。それは「できるだけ相手の『いいところ』を見る」ようにすることだ。最初は「この人とは合わないなあ」と思っていても、よくよく見たら、案外いいところもあると気付くことも少なくない。相手のいいところがひとつでも見つかれば、自ずと苦手意識がなくなりコミュニケーションをとるのが楽になるはずだ。

同上

反省!ここまで達観できなかったです・・・涙

これは耳が痛いです・・・どうしても「嫌なモノ(人)は嫌」とまるで子どものようなところがどうしてもあったものですから・・・涙。これは治らなかったですね、結局。というのも、根が単純なもので、どうやら周囲によると「すぐに顔に出るから、わかりやすい」とイジられたものです(笑)。そういうわけで、一旦「苦手だな」と思ってしまうと、なかなかその先入観から抜け出せなかったですね。ただ、今思えば、この佐々木さん流に「さらりと」という接し方ができていれば、そこまで苦手な人のことを、意識しなくても済んだのかな、とも思います。今の職場ではこの反省を元に、「さらりと」を意識しています。

『周囲全ての人を尊敬せよ』

物事は「ないもの」ではなく、「あるもの」で考えるのが大事。周囲を見渡せば、学ぶ材料は山ほどある。人間だれしも必ずそれぞれのいいところがあるはず。そこを学べばいいのだ。何も特定のこと人と決めつけなくても、様々な人から、様々ないいところを吸収しようとした方が、より多くのことを学べるはずである。その意味でも人間関係は「タテよりヨコ」で見た方がずっとトク。いいところを学ぶのに上も下もない。

同上

「適材適所」を見抜く眼力が試される

職場が比較的良好な人間関係で回っているときのエピソードになりますが、この考え方は持っていました。特にその部署では一応は「長」ではありましたが、私よりも長けている部分が、人それぞれあるわけで、何も自分が苦手分野まで歯を食いしばってやらなくても、それを得意とする人にやってもらえばいいわけで、そうした「適材適所」のようなものは考えていましたね。

「丸投げ」にならないよう、依頼には「微細な味付け」を

ただ、「じゃ、やっておいて」という「丸投げ」は、自分がされたらとても不快なので、極力そういうお願いの仕方はしないようにしていました。「こっちをやるので、こちらはお願いできるかな?」とか、一番しんどいところは自分が引き受け(もちろん嫌ですけどね)、軽いところをお願いするなど、単なる依頼であってもそうした「微細な味付け」を入れることで、「あ、こいつは丸投げじゃないんだな」と思ってもらいたいな、とは思ってました。ま、どこまで思われていたかは微妙ですが。

『「背面の恐怖」で部下を切れ』

「平成の鬼平」の異名を取った弁護士の中坊公平氏は「人を動かすのは、正面の理、側面の情、背面の恐怖である」と言ったが、この言葉が示すように、リーダーはまず「理」で説得し、時々「情」でサポートし、それでも従わないなら最後の手段として恐怖を辞さない覚悟が求められるのである。

同上

いくらカッコつけても、部下にはバレるもの

よく「部下は上司を3日で見抜く」というような言葉がありますが、あれって的を射ていますよね。「あ、この上司は口だけだな」とか「結局動かないな」とか。そういうわけで、いくらカッコつけていても、部下たちにはあっという間に「化けの皮」は剥がされるもの。ここを取り繕っていても仕方ないわけで、私の感想ですが、申し訳ないけどダメ上司ほど着飾って取り繕うけど、その実、部下たちにはすでにバレていてまさに「裸の王様」状態。

どこか一つで良いから、コイツもヤルな、という部分を持つ

結局、どこかで部下たちより「こいつ、ヤるな」という部分が多少はないとナメられてしまうんだと思います。じゃ、どうするか?当たり前かもしれませんが、「一番早く出社し、一番遅く退社する(←ただし、退社に関しては上司が残ると、部下が帰りづらい問題とかも起こるかもしれませんね)」「整理整頓など、社内美化に率先して動く」などは私もやっていました。本当であれば一番業績を上げる、お客様との関係性作りが一番うまい、といった「営業成績NO.1」が一番良いんだと思いますが、そこまで長けていなかったので、それ以外でなんとか「コイツはまあトップとしてまあ頑張っているな」と思って貰えるよう動いていた気がします。

OKライン、NGラインを明確にする

あとは「自分のOKライン、NGライン」を周囲にハッキリ分かるようにしておくこと、ってのも大事だと思います。コレをやったら叱られる、というかダメだということを明確にしておく。このラインをちょこちょこ動かしてしまうと、「なんで今回はダメで、前回はOKだったんだ?」となりますからね。たまにいませんか?こういう上司。あとは気分でもラインをイジらない、というのも大事ですね。ま、私の場合は先述のように、「顔に出てしまっていた」そうなので、実にわかりやすかったそうです(笑)。


いやー、今回もまた学びの多い内容でしたね。やっぱりこうして時々思い返す、読み返すことの大切さを毎回痛感しています。結局、リーダーシップやチームビルディングって、それこそリーダーやチームの数だけあるわけで、しかもフォロワーといいますか、メンバーが違えば同じ方法論が通じない場合もあるわけですよね、私は若干、一時の「成功体験」に酔ってしまい、同じ事に固執してしまうところがあったので、このあたり、もう少し柔軟にあるべきだったな、と反省しています。それにしても、こうして振り返るのって大事ですね、本当に。

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