マガジンのカバー画像

野球分析系

21
阪神、もしくはプロ野球について個人的な分析をした記事のまとめ
運営しているクリエイター

記事一覧

木浪が“リーグ最強ショート”になれた理由

木浪が“リーグ最強ショート”になれた理由

打率.267、本塁打1、OPS.657。これは、木浪聖也の昨年の成績である。一見、特に凄みがあるようには見えない。むしろとても平均的だ。しかし、木浪は「恐怖の8番打者」として注目を集め、ショート部門でベストナインを獲得した。一体なぜ木浪はリーグ最強選手の一角として評価されたのか。そこには、木浪の持つ強みと、それを最大限に活かした阪神のチーム事情があった。

上図は、昨年のショートの守備成績である。

もっとみる
投手運用の考え方

投手運用の考え方

昨今よく議論の対象となる「投手運用」。ネット上では様々な意見が見られますが、今回はこの件について、自分の意見を書いていこうと思います。

投手運用は魔法ではない

自分が一番言いたいことを今回は先に述べます。投手運用は魔法ではない、です。よく投手が故障した際に運用面を指摘する意見が見られます。確かに、そういう側面がないとは言いません。投げなくていい場面で投げたり、あまりに使いすぎたり、そういうパタ

もっとみる
絶対わかる「OPS」

絶対わかる「OPS」

OPSとは、野球における指標の一つです。今や野球ファンの必須アプリとも言える「スポナビ野球速報」でも手軽に調べることができ、まだあまりテレビ中継で紹介されることはありませんが、間違いなく浸透してきている指標といえましょう。しかし、そんなOPSについて、正直知らない、知ってるつもりだけど詳しく説明はできない、そんな方も多いのではないでしょうか。でも大丈夫です。これを読めば、説明できるようになります。

もっとみる
阪神現役ドラフト2022

阪神現役ドラフト2022

皆さん、お疲れさまです。12月9日に第1回となる現役ドラフトが行われ、阪神は陽川尚将選手を西武へ放出し大竹耕太郎投手をソフトバンクから獲得しました。では、獲得した大竹投手がどのような投手なのか、なぜこの放出と獲得に至ったのか等について、僕なりに考察していきたいと思います。

大竹耕太郎獲得について

大竹は熊本県出身、早稲田大から2017年育成ドラフト4位でソフトバンクに入団した左投手です。高校時

もっとみる
岡田構想の”キーマン”小幡竜平にかかる期待

岡田構想の”キーマン”小幡竜平にかかる期待

岡田新監督体制も始動し、気づけばキャンプも折り返し。さて、今年優勝するためのキーマンは誰ですか?と聞かれれば、僕はこう答える。「新外国人がどれだけ打つか、つまりノイジーとミエセスである」、と。しかし、岡田新監督の構想におけるキーマンは間違いなくこの人、小幡竜平である。今回は、その小幡を中心に岡田新監督の構想を深掘りしていこうと思う。

小幡竜平のこれまで

まずは、今季5年目を迎える小幡のこれまで

もっとみる
どうなる?現役ドラフト

どうなる?現役ドラフト

12月9日に初開催となる現役ドラフトについて、NPBから対象選手の条件に関する発表がありました。そこで今回は、現役ドラフトに際して阪神がどのような動きを取るか予想してみたいと思います。初開催で読めない部分が多いですが……というかほとんど読めないんですが、参考程度に読んでいただけると幸いです。

現役ドラフト対象選手

まずは、対象選手について確認しておきましょう。条件は以下の8つに該当しない選手で

もっとみる
2022年、阪神タイガースが優勝する理由

2022年、阪神タイガースが優勝する理由

あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いいたします。いきなりですが、新年一発目のnoteというものは、やっぱり所信表明にあたるものだと思うんですよね。プロ野球でいうところの開幕スタメンであり、今年はこれでいくんだとファンに示すもの。そこで僕は今回、このnoteでフォロワーの皆さまに所信表明をします。長々と言っていますが、今年も僕は「阪神が優勝するものだと思って応援する」ことを第一にやっ

もっとみる
なぜ阪神は開幕から大型連敗しているのか

なぜ阪神は開幕から大型連敗しているのか

「イチにカケル」をスローガンに優勝を目指してスタートした2022年の阪神タイガース。しかし、開幕からまさかまさかの9連敗。一体なぜ、このような状況に陥ってしまったのでしょうか。

狂い始めたそもそもの元凶は、2月の終盤に起きた安芸キャンプのクラスターにあると、僕は考えています。これによって、罹ってしまった選手はもちろん、そうでない選手もホテルでの待機を余儀なくされ、チームとしての活動そのものが停止

もっとみる
NPB復帰のチャンスは夏に来る

NPB復帰のチャンスは夏に来る

近年、実績のある選手が戦力外通告を受けたあとになかなかNPBから声のかからないケースが目立っている。今年であれば、通算345試合登板のアンダースロー・牧田和久や通算379試合登板のサイドハンド・秋吉亮らがその筆頭だろう。つい最近までバリバリ一軍でも出場しており、獲得すれば即戦力になるであろう彼らに声がかからないのはなぜか。その答えは、近年のNPB全体における若手育成重視にあるのではないかと私は考え

もっとみる
なんで糸原がセカンドなんだよ

なんで糸原がセカンドなんだよ

そう思ってる人、けっこういると思います。実際、確かに糸原のセカンドの守備は上手くない。せめて他のポジションなら…と思うことがあるのは事実でしょう。しかし、そんな糸原がなぜセカンドで使われるのか、その理由を紐解いていくと、阪神というチームの過去の問題点と現在の努力が見えてくるのです。

糸原入団当時の阪神の編成

まず、糸原が入団した当時の阪神の野手編成から大きな問題があります。上図の左が糸原の1年

もっとみる
リリーフ投手こそコントロールが必要?

リリーフ投手こそコントロールが必要?

皆さんは「球が速いけど、コントロールに不安のある投手」はどのポジションで使うのが良いと思いますか?おそらく、多くの方が「リリーフ」と答えるのではないでしょうか。1イニングであればなんとか、球の勢いはあるしコントロールも誤魔化せるのではないか、そう考えるのが一般的ではないかと思います。しかし、実はそうではないのではないか、というのが今回のテーマです。

今回は、「コントロール=BB/9(与四球率)の

もっとみる
阪神戦力分析

阪神戦力分析

先日、他球団ファンでポジションごとに貢献度の一覧を作っている方を見かけた。それを見て「これを阪神でも作ってみたら面白いんじゃないか」と思ったのがきっかけで、こちらの表を作成。

まずはこの表の説明から。この表からわかることは、阪神における各ポジションの強みと弱み、そしてポジションごとの各選手の貢献度である。数値は各ポジションの平均と比べてどれだけ得失点に貢献したかを表している。例えば、マルテはファ

もっとみる
虎の最重要人物?

虎の最重要人物?

最近あまり名前を聞くことはないが、今になって僕が改めて凄いと思う人物がいる。誰かと言うと、和田豊だ。長年阪神ファンをやっている人なら必ず知っている名前だろう。選手としてプレーしていたのは20年以上前、監督を辞めてからももう6年が経過する今になって急になぜ?と思われる方もいるかもしれない。でも、時間が経った今だからこそ思うのだ。

現役時代の和田は阪神一筋17年、通算打率.291、1739安打をマー

もっとみる
阪神2021戦力整理予想

阪神2021戦力整理予想

今シーズンも大詰めを迎え、新たな選手を迎えるドラフト会議までももう1ヶ月を切っている時期になりました。二軍は一軍より一足先に全日程を終え、10月4日には第1次戦力外通告期間が始まります。そこで、今回は阪神の戦力状況を踏まえつつ、今季の戦力整理予想を行いたいと思います。不快に思う方もいると思うので、そういう方はここで閉じていただけると幸いです。

もっとみる