スポーツスタートアップを立ち上げて5年。
2019年2月末日をもって、株主が変化した。
意図してリリースを打っていないので上記についてここでは多くを語らないが、今まで投資してくださった投資家の方々に多少なりともリターンを出して次のステップへ迎えたことは、正直何より安心したし、嬉しかったし、未熟さも感じた。
2014年1月27日に起業して約5年、2015年末に弊社のプロダクトであるスポーツチームマネジメントツール「TeamHub」をリリースして3年強、スポーツメディア「AZrena」をリリースして2年半が経っていた。
<目次>
①本選択の理由
②スポーツ×スタートアップという挑戦
③5年間で一番心がけていたこと
④お世話になった神たちへ
⑤さいごに
■自己紹介
小泉真也(34)小学校2年までサッカー、3年からは野球。高校で肩を壊し野球を断念。やる事が無くなり麻雀にどハマりするも、スマホの可能性に心奪われITに急激に興味を持ち勉強。大手IT企業を経て中高同級生(現COO)&IPO経験者の凄腕エンジニア(現CTO)と29歳で起業。好きなアニメはH2とSTEINS;GATE
フォローしていただけるよう頑張るが、基本はスポーツと競馬と麻雀のことばっかり呟いている。
①本選択の理由
「スポーツ × EC」
2019年からは、スポーツ × EC領域に踏み込み、革命を起こしたいと考えているからに他ならない。
TeamHubもさることながら、昨今の女性 × スポーツメディアの立ち上げもECを常に考えている。スポーツ×「リアルな物を扱う」か「ベッティング」の可能性を元々感じていたからだ。
②スポーツスタートアップという挑戦
先に結論から言うと、語りつくせない程の辛酸をなめてきた。
何を言われてきたか。
これをまとめるだけで本が出来上がる。名言集ならぬ罵詈雑言集だ。
それは別のタイミングでまとめるとして、私達が手がけているプロダクトはスポーツをする人、支える人向けである。
さて、ここでスポーツと言われた時想像するのはどんな絵だろう。
ほぼ大多数が「観る側」によった技術や環境ではなのではなかろうか。
投資家に伝えるうえで必要なことは、自分事として捉えて頂き共感値をあげることだ。「スポーツをする側」の課題を理解し、その先のビジネスを想像するのはかなり難易度が高かった。椅子にふんぞり返っているスポーツとは無縁の太っちょに、Doスポーツがこれだけ熱い!と伝えても暖簾に腕押しだった。(まぁ当然なのだが)
そんなこともわからず手当たり次第に説明の場を求めては場所を選ばず熱く語ってきた。結果、ボロ雑巾のように扱われてきたことも多数ある。
「あー、スポーツね。周りの人不幸にするから趣味でやりなよ!会社としては絶対ダメ。調達なんてもっとダメ。起業って、○○みたいな会社を言うんだよ?君は人を不幸にするよ?」
「VCを入れてリターンを実現できるほどの収益になるモデルとは思えません。前回ラウンドと同じ評価で、D評価。回収不能。」
「そんなのより、ゲームやりなよ。ゲームが技術的に難しいならメディア」
「nice to have だけど must have じゃないよねぇ」
※私が嫌いなことばRanking1位ですコレ。
「すみません、上からNGがきました」ご一緒できません。
※キャッシュアウト2ヶ月前、途中まで進めていた投資家にお断りを入れ、契約準備に入っていた時
今回は時間軸と経緯を除いてサラっと書いている(機会あれば別noteに書かせて頂きたいと思う)が、1つ1つにおけるダメージは
同級生で空手家(伝統派 黒帯)である弊社COOである馬場がこんな感じになるくらいのダメージはあった。
さすがにこの時は
大剣豪、シシオ氏になるところだった。
③5年間心がけていたこと
細かくは無数にあるが、大きくは3つ。
・どんなに裏切られても裏切られても、裏切らない。
・「交流会」にあまり行かない
・筋トレ
である。会社を5年経営してわかったことの1つとして
様々なタイミングで「裏切られた」と感じることが必ず起きる。
その時、感情に身を任せるのか感情を捨て理で動くのかでその後の結果が圧倒的に変わる。圧倒的にだ。これは声を大にして伝えたい。これを意識しているだけで実際売上として1,000万円以上は変わったことがある。
「交流会」については全否定なのではないのだが、あまりに意味の無い「情報交換会」なるその後に繋がらない会が非常に多い。
特にスポーツの世界では、横の繋がりが大事なこともあるのでまったく行かないとは言わない。
私も自分の価値観で学びがありそうであれば行くようにしているし、ワクワクするメンバーの会であればスケジュールが空いていれば基本馳せ参じる。
ただ、
・プロダクトが伸びている
・会社が伸びている
状態で無いと、結局その会に行く時間・お金がもったいないし、
・プロダクトが伸びる
・会社の売上を作ることが出来る
・圧倒的な学びがある
というような会でなければ、「まずプロダクトを伸ばすために何をすべきか」が最優先であると思っている。
私はスポーツ分野におけるスタートアップの中では、間違いなく一番飲み会や交流会に顔を出す回数が少なかったと思う。(飲み会は好きです)
飲み会・交流会に出る回数=事業の伸びや今回のようなM&A、調達に繋がるかと言われれば、絶対にそんなことは無い。あくまでプロダクトが先。交流が後だと私は思っている。
筋トレについては、もはや説明不要であろう。自分との対話なのだ。
少し分解して話すと、起業においてはどんなに試行錯誤しても結果が出ないことの方が多い。成果がいつでるかもわからない。
筋肉は別だ。
短期的にも長期的にも、「痛み」と「見た目」という二軸で答えをくれる。
努力が形になるのだ。元AKBリーダー高橋みなみの名ゼリフ「努力は必ず報われる」という言葉は筋トレのことを話しているのだと、今でも信じてやまない。
④お世話になった方々へ
そんな袋叩きされていた状態が創業当初から続いた中で
「君たち何かやりそうだから、投資するよ」とプロダクトも何も関係なく人だけでシード投資してくださった、Samurai Incubate 榊原さん
「面白いじゃん、やろうよ」とプロダクトのリリース前状態でも数千万というお金を投資してくださり、リード投資家として本件最後まで契約書関連や投資家紹介で相談のってくださったVenture United 金子さん、丸山さん
一度投資をGlobal Brain時代に断られたにも関わらず、「熱量半端ないのでやりましょう」と再度検討し会社・立場が変わって投資を即決してくださり、プレゼン資料や事業計画含めて一番寄り添いながら伴走してくださった、KLab Venture Partners 御林さん
「俺はいつでも投資するから、本当に困った時に言ってこい」
と、創業当初からサービス・プロダクトの相談に乗ってくださり、スポーツ・ヘルスケア系のインベスターとしてリードしているiSGSインベストメントワークス 五嶋さん
経営会議で一度NGが出たにも関わらず、その結論を覆す動きをしてくださり、本社第一号投資をしてくださっただけでなく、大会連携を中心に実務部分でも様々な動きをしてくださった毎日新聞社 小田原さん、高塚さん
熱量踏まえさらに大きくなるタイミングで、この決断を後押ししてくださったこと、心より感謝です。
事業面では、特に初期プロダクトに対してしっかりとしたUXのアドバイスを数度となくくださったGUILD 深津さん、プレゼンを鍛えてくださったYahoo 伊藤さん、一番苦しい時にお仕事をくださったブルータグ 今矢さん、博報堂DYMP菅さん、川崎市山田さんには特に感謝を述べたいと思っています。
また、本ディールの前に色々とアドバイスをくださったMさん、さらには、スポーツの可能性を信じ投資してくださった個人投資家の方々、今回本決断で無い別の選択肢を提示してくださった新たな投資家の方々、スポーツにおける課題を共にディスカッションしてくれる選手の方々、特に初期を支えてくれた女子ラクロスのYさん、人生の大事な時間を賭してJoinしてくれているメンバー、近くで支えてくださる友人、家族、諸先輩方。そして苦楽を共にしてきたスポーツベンチャーの方々そして一番は、いつもお世話になっているスポーツをしていて話を聞いてくださる方々並びにTeamHubユーザー・AZrena読者の方には心より感謝しています。
本決断を礎に、ここからさらに人生を賭して勝負していく所存ですので、引き続きよろしくお願いします。
⑤さいごに
ネットエイジマフィアである創業者であり現CTOの濱本から始まったさまざまな出会いの連鎖が、今に至ると思っている。先ほどの交流会の話と矛盾する部分があるかもしれないが、良質な「出会い」は一番大事なものだと思っている。
唯一私の持つ武器は、
「スポーツを武器に起業しよう」
「スポーツを軸とした新規事業を起こそう」
「大手からスタートアップを立ち上げることってリスクじゃない?」
「スポーツスタートアップ立ち上げたけど調達難しいし営業決まらないしぶっちゃけ滞っている」
という方々に対して起業から調達、売上構築の体験談やデータ、国内外の市場の調査結果等で話すことはできるし、支援出来ることはあると思っている。迷っている方は気軽に私のTwitterにDMください。
繰り返すが、ここからがスタート。私が思い描く「スポーツをしている人が感じる未来」を創る序章である。ようやくやりたいことを思いっきり出来る。会社、プロダクトの今後が楽しみで仕方ないのが今だ。どんどん色々な会社・人を巻き込みスポーツをする・支える環境をよりよくしていきたい。
また、本件を通じスポーツスタートアップがさらに活況となることで、スポーツがさらに楽しいものとなり、「やろうぜ!」となる回数が増えることを心から願いつつ、さらに邁進していく所存である。
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