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mistake

 とある日本のゲノム解析企業(スタートアップといっていいステージ)社長から依頼されたオンライン通訳案件。シンガポールで行われたアクセラレータ主催イベントで投資家向けに自社ピッチ&質疑応答を30分で行う。5分発表&25分質疑応答。私から事前に想定Qへの回答例を含めた打合せを社長に要求するも、社長からの回答はNo. イベント直前30分にだけ時間を取れると言う。その事前打合せで、ピッチ資料を読んだ私(通訳)からいくつか質問を投げるが、社長がまともな回答を準備してない事は明らか。本番の質疑応答セッションでは満足に答えられず、イベント終了。終了後の反省会で社長と私の間に流れる、気まずい雰囲気。このほろ苦い生傷の感覚。

 新しい事に挑めば、失敗はつきもの。人は失敗から学ぶ。だが、多くの人は失敗をしたくない、恥をかきたくない。なぜなら、失敗した時のあのなんとも言えない所在なさ、情けなさ、自分の力が至らない現実を突きつけられる感覚を味わいたくないから。しかし残念ながら、数をこなしても失敗の度に感じるこのほろ苦さは毎回変わることはない。

 通訳者は黒子。私は話者ではない。的確に言葉を訳し、コミュニケーションの媒介となっている限り、結果がどうなろうと知った事ではない。話者がどうなろうと、通訳者には直接的な損害も(利益も)生じない。一方、私は自分で事業を行い、毎日主体的にコトに向き合ってもいる。通訳者として、他人の発言に触れ、話者の人生の一端に携われるのは、貴重な学びの機会である。他の業界の最新の情報に触れられる。だから通訳の仕事も請けている.

  話を戻し、失敗(mistake)にどんなmindsetで向き合えばいいか。Kobe Briantの言葉を借用したい。

・失敗を恐れる感情との向き合い方 (07:05-)

"What I try to do is trying to be still, and understanding the things come and go.  Emotions come and go. Important thing is to accept them all, embrace them all. And then you can choose what to do with them which you want versus being controlled by emotion. Lot of time I've seen young players even myself when I was younger, being consumed by particular fear and to the point where you are saying  "Ok, it is not good to feel fear, I should not nervous in a situation feel like that. It is nothing but to grow" versus stepping back and "Yeah, I am nervous about a situation and I am fearful. But what am I afraid of ? and then unpack it and then you have ability to look at it what it really it is which is nothing more than your imagination running its course. "

『私が心がけているのは、心を穏やかに保つ(筆者注 still ≒ 静止する )こと。

 物事が行ったり、来たりする流れを客観的に観察するようにしているんだ。 感情も同じことだよ。様々な感情が押し寄せては、また過ぎ去って消えていく。それを眺める。大切なのは、それらの感情の去来をそのまますべて受け止める事、一旦それらの感情をギュッと抱きしめてみる。そうすれば、感情に支配されることがなくなり、次の行動を適切に選択・対処することができるようになる。

 若い選手たちにそのようなケースをよく見るし、私自身も若いころは、そうだった。特定の恐怖に飲み込まれ、「恐怖を感じるのはよくない。成長する機会以外の何ものでもないんだ」と自分に言うのと、一歩引いて
「ああ、俺は今のこの状況に対して緊張しているんだな。でも、ちょっと待てよ。俺は今、本当は何を恐れているのだろうか? 」と立ち止まって見る。
そして、その恐怖を感じる感情の正体を解きほぐしてみる。

 すると、自分の想像力が単に暴走している以外の何ものでもないことに気づけるんだ。本当の姿を見つめることができるようになるんだよ。
(日本語意訳)

上記、書いたように、失敗に慣れる事はない。

ミスったら、誰だって嫌な気分になる。それは決して変わらない。

大事なのは、それを受け止めるマインドセット

その先に、自分は何を見ているのか。他人からは決して見えないこの部分がこれからの自分の人生を(つまり行動を)大きく左右する。
気持ち・覚悟の持ち方ひとつで、物事はいかようにも映る。
事象そのものは、いつでも無色透明なのだから。

ひとつ気をつけたいのは、mistakeのケアをしっかり行うこと。
常に失敗し続けたら、誰だろうとメンタルを病んでしまう。挑戦の高さと頻度もよく考えて、成長曲線を歩みたい。

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