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「脳が冴える勉強法」(著・築山節)①

以下、脳神経外科医である築山節さんの「脳が冴える勉強法」からの学び。

幼少期は①感覚系と感情系、②小学校中学年くらいから運動系、③一番最後に思考系を育てるとよい。

・感覚系:いろいろな音を聞かせたり、言葉を聞かせたり、いろいろな景色を見せたり、いろいろなものに触らせてあげる。感覚系を豊かに育てる事に幼少期の脳は適している。

・脳の覚醒度を上げる。そのような生活を意識する。「①運動」「②作業興奮(じっとしていると脳の活動は落ちていくので、身体を動かす)」「③緊迫感・切迫感(締切があると集中力が増す)」を、どのように自分の日々の生活の中に配置・設計していけるかを工夫する。

・脳のピークをうまく持ってくる事を意識する。①体を動かして脳の血流を良くする→②片付けなどの簡単な作業行って第一次的な作業興奮を起こす→ ③前日の復習などできる勉強を行って、脳の覚醒のピークに向かわせる。ピーク時にやるべき今日のチャレンジ(新しく学ぶ/取り組む事、今日の一番コアとなる対象)に取り組む。

・集中と拡散を上手く使う。"こまめに(机/部屋の)片付けする人"は、これがうまい。少し片付けする、その後勉強に取り掛かり、このチャプター1時間で1章やると決めてやる。その後、身体を動かして、場所を変えてまた1時間取組む等、日々の単調な学習/仕事への取り組みについても、集中できるルーティンを整えていこう。

・寝る前には、①今日得たものを確認する ②明日することを確認する。気持ちよく睡眠へと導入していく事が目的。今日はここまでやったぞ、との気持ちにさせる。寝ている間にも、脳は働いている。

・(小さな頃には)子供によく話をさせる。脳の後ろ(後頭葉)から前(前頭葉)に引き上げるイメージ。子供は10,親は1話す位の割合で良い。動物学的に親の行動の真似をするので、似てくるのは自然。親自身が自分の言動に気をつけよう。

・特に子供に対しては、報酬系を育てるのが大切。これをしたら褒められる、楽しい、嬉しい。そんな感覚を育てる。よく出来たときにしっかり褒める。子供の頃に苦手科目を作らせない事は大事。子供にとって、わかりやすい報酬は、①できる喜び、②褒められる喜び、③反応してもらえる喜び。これらをうまく毎日使って、子どもの行動を変えていくような設計をする。

・時間的制約をうまく設計する。強制的に、今日の15時までにこれを終了させないとヤバい状況を作ってしまう。制約があると脳の効率は上がる。

「欲」をうまく使う。欲は、脳に意欲を起こさせ、人間を行動に駆り立てる原動力として、とても重要。勉強(仕事)に使えない時間があるからこそ、使える時間の制約が必然性を伴ったものになる。

・脳の【報酬系】を利用する。ご褒美が与えられるとわかっている行動は、繰り返したくなる。繰り返す事で、その行動に関する脳神経細胞のネットワークが強化されていく。このシステムを無視した行動は、原則として長続きしない。

行動初期の”できる喜び”を味わえない時には、”その行為をした自分にご褒美を与える”。小さなもの、勉強したらゲームしてもよい等。週末に旅行あるから、それまでに勉強をここまで進めておこう等。また、積極的にプラスの感情をつくるのも効果的。(勉強以外で) 嬉しいことがあったから勉強もがんばれる、楽しい予定があるからその前に勉強がんばれる等も、人として自然な感情である。上手く使おう。

・「報酬系システム」「感情のバランス」を自分なりに活用する普段の生活スタイルの確立を目指そう。ただし、ご褒美の価値を感じにくくなるため、その回数設定には注意。欲を満たす量は、ある程度制限されていた方がかえって満足感を得やすい。あまりストイックに追い込み過ぎない事。楽しみは一つだけ残す。楽しい,嬉しいの感情があると辛い時でもマイナスの感情が相殺されるので、バランス取れた状態を保ちやすくなる。追い込むなら、徐々に生活を変えていくこと。

・【運動】の重要性。運動は感情のエネルギーを発散させるのに役立つ。脳の運動系の機能が鍛えられると感情をコントロールしやすくなる。

・【集中できない時がある?】集中と拡散の切替がうまくいってない可能性有。集中と拡散は、人間は同時には出来ないしくみになってる(ex.全体の風景を見ながら、ひとつの対象の細部に注目する事は苦手なようにできている)。全体の作業を書き出し、まずは目の前の優先度高い一つに集中して取り組むと決める。集中をかき乱すものを、ひとつずつ排除していく(ex. ゲームや携帯の電源を切り、見えない場所に置く)。気になる事で5分で終わる事なら、すぐにやってしまう等、ひとつずつ工夫を取り入れてみる。

【勉強の効率】15分を一コマとして考える。ノートに書く、声に出す等の出力(アウトプット)は、「出力+再入力(視覚や聴覚から)」なので効率的。自分なりの言葉にまとめての出力(声に出す、ノートにまとめる)をするのは大事。

・解釈できない情報にあたった際には、まず解釈できる情報を探す。納得感は脳にとっての「快」であり、ご褒美。納得感が、勉強を続けたくなる動機付けになる。

・9時間以内に前に習った事を一度でも復習、ノートを見返す。ノートは人に教えたくなるようにまとめる。十分に解釈できてることは人に教えたくなる。教える事で誰かの役に立てると、その快をまた求めたくなる。

・五感を使って、多面的に記憶するように努める。使う場面を意識して覚える。記憶強化には目的や必然性が重要で、使う場面を知る事が、その情報を覚える目的や必然性を強化する。悪習慣は、ヘッブの法則で、脳にインプットされ習慣化されてしまう。「規律と訓練でしか、人間は変えられない」(ナポレオンを破ったウェリントン公爵のことば)

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