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幼い頃の思い出-縁側にて-

小学校の夏休みを思い出す。

当時、小学生だった私は縁側でお昼寝をするのが好きだった。セミの声、風鈴の音、木々が揺れる音、潮の香り、ござ(上敷き?)の感触。海が満ちていれば波打つ音も聞こえてくる。私はその夏の雰囲気を感じることが好きだった。

目が覚めたあとは、3時のおやつの時間だ。おばちゃんが麦茶とスイカを縁側まで運んできてくれた。おっちゃんは畑仕事を中断し、麦わら帽子と土で汚れた長靴を脱いで私の隣に座る。

 麦茶で乾杯。
キンキンに冷えた麦茶が身体に染みた。私が今でもコンビニで麦茶を選びがちなのはこの頃の思い出が影響しているのかもしれない。

スイカを皆で一緒に食べる時間も好きだった。
おっちゃんとスイカの種飛ばしもした。(あの頃のように全力で種を飛ばそうと必死になることは、この先ないだろうなと思う。)

縁側でゆったりまったりとした時間を過ごす。
身体に出来たござのあともいつの間にか消えていた。
「水戸黄門の時間じゃ、中に入ろう」とおっちゃんが言う。
私にとって、おっちゃんおばちゃんと見る水戸黄門は本当に幸せで安心できる時間だった。(故に詩村の水戸黄門歴は長い)

夏になると思い出す。
今となっては、夏に外でお昼寝をしようものなら蒸し焼き熱中症RTAだろう。
あの頃の私にとっては当たり前の日常だった一部も、今の私にとってはかけがえのない思い出であり、同じ感覚を二度と味わうことができないものだ。

…いや、いつか誰かに夏の雰囲気を味わわせられる時が来るかもしれない。その時は、一緒にスイカ飛ばしでもしよう。風鈴の音を聴きながら。


これもまた夏の思い出の中の一つ。
他にも花火とか海とかカブトムシとかの思い出があるけれど、これはまた別の機会に。

#夏の思い出

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