『締め切りが仕上がり』クリエイターと仕事するときの掟
クリエイターは表現を追求する生き物。どんな時も現状に満足しないクリエイターは良いクリエイターの条件だと思う。逆に言えば、何でもすんなりOKとしてしまう人はクリエイターとしては、あまり信用できない。
ただそれはビジネスとの相性は最悪だ。なぜなら時間を溶かすから。マネジメントが機能しづらいから。
そんなクリエイターたちが表現は違えど、みんな口にする言葉がある。「締め切りが仕上がり」つまり、アウトプットは締め切りが決めるということだ。NHKプロフェッショナルで密着されたエヴァの庵野秀明監督も同じことを言っていた。
僕は自分自身、クリエイター側面もあるが、プロデューサー的側面が強い人間だから、両面からこの言葉の重要性を実感する。
僕が思うに、クリエイターと一緒に仕事するプロデューサーの最も重要な仕事は、適切な締め切りを立てることである。締め切りがあって初めて着手されるし着地ができる。締め切りがないことでクリエイターが動いていなければ、それはプロデューサーの怠慢である。
クリエイターは締め切りで動く生き物だと思ったほうがいい。自分から能動的に確認しないが、本当の締め切りは気にしている。それまでに集中して制作する時間が確保されてないとやる気にならない。忙しい人ほどスケジュールが細切れ化してるから注意が必要だ。
もしもクリエイターと仕事している人で、締め切りとアクションが決まってないプロジェクトがあれば、失敗する前に急いで巻き直したほうがいい。締め切りが決まらないまま終わる打ち合わせがあったら不安になろう。それは自分の首を絞めることになる。
締め切りベースでコミュニケーションする。嫌味なく心地よくリマインドをする。それはクリエイターと付き合うお作法である。もし仮に「やってる」「やったよ」という報告があっても、自分の目で見るまでは、アウトプットが出てくるまでは信じてはいけない。クリエイターには表現を任せても、進行だけは任せてはいけない。