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本気で学ぶには、お金をもらう

今週「独学」について話すことになっていて、
なにかコツみたいなことってあったかな?と思って、
自分でやってきたことを振り返ってみたのだけど、
簡単に書くと一言で
「お金をもらって学ぶこと」
これに尽きるのかなと思った。

デザイナーという仕事をやっている。
もう20年以上やってる仕事だけど、最初は独学だった。
だいたいデザインが何かも最初はよくわかってなかった。

デザイン事務所に入って修行したとかでもなく、
いきなりずぶの素人がデザインの仕事をフリーで始めた。

つまりいきなりゼロから独学で勉強しながら仕事をしてた。

きっかけはバイト先の先輩と作り始めたフリーペーパーだったんだけど、
最初はデザインをしてるという感覚はなかった。
ほかにやる人がいないから紙面をレイアウトしてただけ。
学校の先生がプリントを作ってる感覚。
それをデザインとも思っていなかった。

これがデザインなんだなってなんとなく思ったのは、
仕事を頼まれるようになってきてからだった。
その頃はまだMacを持っている人が少なくて、
「Mac持ってるならデザインもできるでしょ!」
くらいの軽いノリでいろいろ小さなことを頼まれるようになった。

ちょっとした告知のプリントだったり、
小劇団の公演のチラシとか店のチラシとか、
頼まれるから必要にかられて、必要なことだけを覚えていった。

でもこれがすごく効率のいい勉強のしかただったんだと思う。

実践で勉強する方が早いってこと。

やらなきゃいけないから必死でやる。
で、期限もあるから余計なことはしないし、覚えない。
そのとき必要なことを必要なだけ覚えていく。
それを繰り返していくと少しずつやれることが増えていく。
短期間で、ものすごく力がついたんですよね。

ここですごく大事なのが
「きちんと仕事としてやる」ってことだと思う。
つまりしっかりお金をもらうということ。

「素人なんでお金はもらえません」
ではなくて、
つたない代物しか作れないし、
できるのは小さな貢献かもしれないけど、
お金をしっかりもらってやること。
これがすごく大事。

「無料でもいいです」
って報酬なしでやるのは
責任が伴わなくなるからやめたほうがいい。

「無料でいい」は自分のギャラが高くなりすぎて
でもどうしてもやりたいというときに発動すべきことで、
貢献度が低い未熟な時には逆にやらないほうがいい。

「本気で学ぶために、お金をもらう」
このくらいのスタンスが正解だと思う。

ふつうは「学ぶならお金を払って習いに行く」なんだろうけど、
圧倒的に力がつくのはお金をもらって学ぶことだ。

お金を払うなら学ぶことより、
いい道具を買うことや、技術やスキルを上げるために使うべき。
映画とか読書とかそういう自己投資もそう。
仕事や人生の先輩と飲みに行くのだってそう。
ここは出し惜しみせずにお金を使う。
もったいないとか考えない。

仕事をする上で足りないものがあったら、ギャラと割が合わなくても買う。
どうでもいいようなものは買わなくていいけど、
例えば参考になりそうな本とか、フォントとか、ソフトとか。
ギャラに見合わなくても買う。出し惜しみはしない。

こういう投資がのちのち効いてくる。

お金をもらいながら学んで、
お金を払ってレベルアップしていく。

コツコツとそれを積み重ねていく。
たぶんこれを小さく繰り返して今があるんだと思う。
20年も続けてればそれなりに少しは形になるものです。
もちろん、まだまだ、なんですけどね。

イベントではこういう話を中心に、
その先の話とかもう少し実践的なところを話せたらなーと思う。
たぶん今回は飲みながらはしゃべらないと思います…。

できれば参加している人に質問してもらってそれに答えるのをメインにしたいんだけど…
参加しなくてもいいので、こういうことを聞いてみたいなことがあったら教えてくれると嬉しいです。


ちなみに独学でデザインの仕事を始めた頃の話はここで書きました。
よかったら読んでみてください。


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