【脳の仕組み】人の脳はネガティブなことに反応しやすい
生きていると、「なんで自分だけ・・・」と思うような不運の連続は誰にでも起きることでしょう。
これはマーフィーの法則といって、心のどこかで「起こって欲しくない」と思っている出来事に限ってなぜか起きてしまうという法則が働いているようです。(厳密に言えば、全てが悪い方向へ進むと言うよりは潜在意識が現実を引き寄せる力があるという法則。)
例えば身近な例でいうと「PCデータのバックアップを来週取ろうとしてたのに、誤って今日机から落として壊してしまった」「病院に行くとなぜか熱が下がる」「買った株が直後に下がる」みたいなものもある意味マーフィーの法則だと言えるでしょう。
潜在能力が現実を引き起こすなら、毎日ハッピーなことが起こりまくっててもいいはずですが、そうならないのはなぜでしょう?
ということで今回はそのようなオカルトチックな法則が、脳科学的にどうしておきてしまうのか、脳の構造や心理学の研究結果を元にしながら紹介していきたいと思います。
人はネガティブなものに反応してしまう
1998年にJohn Cacioppoさんという心理学の教授が発表した研究論文で、「Negative Information Weighs More Heavily on the Brain(ネガティブな情報は脳へ大きく作用する)」というものがあります。*1
彼は当時所属していたオハイオ大学の男女学生33人を対象にしてPositive・Negative・Neutoralの感情を想起させる3パターンの画像を見せた時に被験者の脳波に違いが出るかを調査しました。
Positiveの例としてチョコレートアイスクリームやピザ、Negativeの例として死んだ猫や白骨化している牛、Neutralの例としてナンバープレートのような画像を使い、それらに対する脳波の反応を撮りました。(#画像がもつ印象に個人差のバラツキがないように、印象の定量的評価の方法としてValence-Arousalという感情円環を参考にしている)
するとLate Positive Potential (LLP)という頭頂葉での脳信号の出方に優位的な差が見られ、Positiveな画像よりもNegativeな画像を見たときに大きな信号強度が見られる傾向にあったという調査結果を得ることができました。
これによりCacioppoさんは、脳はより否定的である刺激に対して強く反応しがちなため、私たちは良いニュースよりも悪いニュースの影響を強く受けるのだと結論づけております。
なぜ人はネガティブな情報に意識してしまうのか?
これは生物学的に原始的な脳の構造が関与しています。
我々の脳は危険を察知したときに、その状況を回避するための反応が生理的レベルでおきます。
例えばストレスを感じたときには下垂体や副腎でホルモン物質が分泌され、心拍数の増加や食欲の低下を指示することで、逃走するための活動能力を高めようとします。
これと同じように、Negativeな情報をいち早く認知する私たちの能力は、身体的な危害から遠ざけるために進化した機能として十分に説明することができるでしょう。
脳がそもそも危険を察知できなければ死んでしまいますからね。
最後に
人はみんな悩みを抱えたり、うまくいかないこともたくさんありますが、それでもきっと失敗の数だけ嬉しいこともたくさんあるはずです。
我々の脳が構造的にネガティブなニュースに注意を向けがちなだけなので「自分は運が悪い」などと決めつけるのではなく、「脳がそういう風に思わせるようになってる」と割り切って考えられるようになると、ずっとずっと楽な生き方ができるのではないかと思います。
こんな風にちょっとした脳科学の雑学が、悩んでいる人の励ましになって、より良い人生を送るための糧になれば筆者としてもとても嬉しいです。
もし、あまりにも不運が続くようで、良いことが探しても一個もないということであれば、一度神社に行ってお祓いするのも検討してみてください笑
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*1:Negative Information Weighs More Heavily on the Brain http://www.wisebrain.org/papers/NegativityBias.pdf
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