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【エッセイ】自転車日本一周記19

四国上陸

四国初上陸は愛媛県だ。フェリーで到着したのは八幡浜。県庁所在地である松山を目指すことはしないで南下を目指した。
海岸線沿いを通り、高知県へ向かった。

四国上陸も、そこはいまだに梅雨。
晴れ間もあったけれど、雨の日が相変わらず多い日が続いた。暇があれば洗濯をすることを欠かさなかったがそれでもずっと雨の中を漕ぎ続けているのだ。否が応でも臭いは気になる。
だから、なるべく店に寄ることを避けた。長居はもちろんしなかった。

高知県の途中でようやく晴れが多くなっていった。同時にお遍路さんの存在も多くなっていったし、お遍路さんと勘違いされる機会も多かった。それだけ四国にとってお遍路さんの存在が大きいのだと思ったものだ。

高知で言えば、パンクして。修理しようと思ったら深い川に前輪のパーツが落っこちたのが印象的だ。雨の中、川に降りパーツを拾いもとにもどるときに腕をひっかいて怪我をした。道中、トラブルは多いけど疲れているのを一番実感した瞬間だ。それの大きな要因はやっぱり雨だと思う。
これは教訓だね。雨はやる気も体力も奪う。
余裕があったら進むのを止めてもいいと思う。やることなかったからひたすら進んだけどね。



高知県の後半から徳島県は爽快だった。久しぶりに浴び続ける日差しは気持ちよかったし、四国の最南端。土佐清水市あたりの景色は気持ちよかった記憶がある。

徳島といえば渦潮。その手前で一晩を過ごした。夕日が綺麗だった。



と、順調というか急ぎつつ進んでいたのは香川に大学時代の先輩が住んでいて、ちょっと面倒をみてくれる約束が合ったからだ。

先輩の家につくなり、うどんの食べ歩き、高知まで行きかつおを食べ、アーチダムを見て、金刀比羅宮の階段を登った。
ついでに岡山県まで行ってジャグリングサークルの練習会に参加までした。
四日ほど遊び回った。なんだかたくさん話をしたけど。
十年後のビジョンがどうのこうのと言われたのを当時の自分は気にしていた。今書いているのがあれから十年後だ。あのころのビジョン通りだ。なんてとても言えないほど違う人生を歩んでるね。

そして、愛媛県に再突入して公園でアカペラサークルの練習を聞きながら寝る準備をしていたときだ。
スマートフォンを落として、画面を完全に割った。黒画面だ。スマートフォンのトラブルが二度もあるなんて思いもしなかった。

だから、次の日は旅の中でも最高だったしまなみ海道を通ったのだけれど一個も写真が残ってない。それが心残りだったりする。




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