見出し画像

南伊豆滞在。9日目~最終日のあれこれ。

私は今、近所のスターバックスで「アール グレイ ブーケ ティー ラテ」と「はちみつをかけたアメリカンワッフル」をつつきながら、この記事を書いている。

なんだこれ新種の薬物か? ってくらい甘くて絶妙に頭がバグる。でもそこがいい。

さて。もともと常人の7倍ほど優れた性能を持つ私の頭の中の消しゴムが、かつてない速度で動いてしまいました。

そう、いまや伊豆に行ったことしか覚えていないのです。

一緒に見た空は忘れても~ 一緒にいた事は忘れな~い

って感じ。

いや、一緒にいた事すら忘れたら、そりゃおまえ健忘症だろって言いたいけれど。

忘れないために記しておくつもりが、「記憶を手繰りながら書く」という別物になり果てながら、伊豆滞在記・最終回です!

9日目、2/2(木)くもり

曇天なものの、いやらしい寒さではなく、正しく花曇りという天気。
散歩中に猫と戯れて(一方的に威嚇されて)、日課となったマックスバリュのトイレへ向かう朝。

昨夜思い立ったとおり、残りの数日で「ゆるキャン△」の聖地巡礼をすることを決めました。

しっかりとした聖地巡礼記事は改めてブログで更新する予定です。

竜宮窟・爪木崎はすでに観光していたので、もっとも近い下田へ。

道の駅で食したのは、金目鯛のフライがごろりと入った「下田バーガー」です。

金目鯛の煮つけも食べましたが、こちらは何と言っても骨がない!
圧倒的な食べやすさ。

私のように箸もロクに扱えない人間は、フライになった金目鯛にかじりついた方がよさそうです。

舌先でほどけていく金目鯛は、淡白ゆえに甘辛タレとチーズとの相性抜群。
総入れ歯になってもバーガーを食べ続けたいおじいちゃん・おばあちゃんにおすすめです。

もちろん若者も大満足のボリューム。

某バーガー研究員さん曰く、この手のクソデカバーガーは「口をべろんべろんに汚して食べる」のがある意味でのマナーらしいです。

総入れ歯のおじいちゃんおばあちゃんは顎が外れるかもしれないので、ナイフとフォークを使ってください。

下田といえば、「開国してくだサ~イ」騒動の後、函館と共に最初に開かれた港です。

いわば、日本近代化のスタート地点。黒船を模した遊覧船もありました。

ちゃんと SUSQUEHANNA(サスケハナ)と書いてあります

また、坂本龍馬が脱藩を許された地であるため、像もありました。

まあ実際に海辺でそんな取り決めがされたわけもなく、正確な場所は宝福寺だったようですが。

次に向かったのは河津。2月の桜で有名な町ですね。

作品ではちらと出てくる程度なのですが、念のため押さえておこうと……。
残念ながら河津桜は一分咲き(一部?)という感じです。

お次は「伊豆オレンヂセンター」。
ゆるキャン△も前面に押し出されています。

一杯飲むと3年長生きと言われるオレンジジュース。100杯飲まなきゃ。

ここで日向夏系の「はるか」を買ったのですが、皮が硬すぎて指が通りませんでした。

(ちなみにポンカンのようにとび出た部分を齧ってから皮を剥く、という蛮族じみた方法で食べられます)。

本当はこの日、細野高原まで行く予定だったものの、出発が遅れたため引き返して、爪木崎(3回)へ寄って帰りました。

10日目、2/3(金)、天気しらん

いつも付けていた記録ノート(日記)が真っ白に近く、死んでいたのか? と疑うほど動向が不明な1日です。

たしか午前中は仕事をして、午後は道の駅で焼き芋ソフトを食べた気がします。

あと下田へ向かう道にあった「スパイスドッグ」というお店でココナツカレーを食べました。

スパイシーだけどまろやか。犬は入っていません。

ピンポイントに食のことしか覚えていなくて、いよいよ物忘れ外来を受診するときが来たのでしょうか。

そうそう、さらに食の話は続き、この日は節分。豆だかいわしだか鬼だかを食べる日です。

十数年前から日本人の脳は恵方巻なる食べ物に支配され続けています。

私も恵方巻菌に侵された一人なので、「南伊豆の新鮮なお魚を巻いた恵方巻を食べたあああい!」などと考え、近所の魚屋へ走りました。

ザ・魚屋って感じの店で、注文に合わせて捌いてくれる場所でした。

マックスバリュの米と海苔で巻いたら祟られそうな豪華お造りがでてきちゃったよ……。

さすがに全部巻くのは気が引けて、半分は普通に食べました。 
海沿いの海鮮はねっとりと味が濃いのですね。

ちなみにこの日は、最後の夜。
最後の晩餐までサンキュー、マックスバリュ。

最終日(?)、2/4(土)、晴れ

実は前日まで「2/5が最終日」だと勘違いしており、慌てて部屋を片づけました。
案の定、食費が限界突破をしたせいで宿代が足りません

私には召喚する檀一雄がいないので、しぶしぶ楽天カードで支払い。最近の宿はペイペーも対応しているようで。

金がない、では逃げられない世の中ですな。

ゆるキャン△聖地巡礼を続けるため、南から西伊豆へ移動しました。車で1時間半くらいでしょうか。

西伊豆は名前の通り伊豆半島の西側で、駿河湾越しに夕日が見えるサンセットスポットが多数あります。

話は大暴投レベルで逸れますが、ゲストハウスは車通りの多い商店街通りに面していました。

そのため1台用の駐車場(車庫)へ入れる際に「後ろ向きで出るのは許さん、切り返しは死罪」くらいの圧を感じ、10日間でだいぶバック駐車の腕が上がりました。
(私は免許を取ってから10年、ほとんどバック駐車をしていません)。

「私もいけるやん、ンホホ」と思っていたところ、見通しがよすぎる沢田公園の駐車場で岩に大激突。ちなみに前向き駐車です。

運転はいつになっても慎重さと緊張感が大事ですね。

沢田公園は、海に面した露天風呂が有名です。リンちゃんが朝風呂していたところです。
なんでも海上からは丸見えなんだとか。船舶免許とらなきゃ。

天窓洞や三四郎島、トンボロなどの景勝地が連なる「堂ヶ島」、「俺のぶっかけ丼」なる事案めいた海鮮丼が食べられる「堂ヶ島食堂」。

俺のぶっかけ丼

西のあれこれを堪能し、黄金崎へ向かいます。

「馬ロック」と呼ばれる岩があり、何が馬なのかよくわかっていませんでしたが、今見たら馬です。

……馬です

黄金崎は日が傾き始めた15時ころから、柔らかい西日であたりが黄金に染まります。
とはいえ、立ってるだけで髪が連獅子騒ぎの強風だったため、あまり長くはいられませんでした。

サンセットはそこから近い大田子海岸の「ゴジラ岩(めがねっちょ)」にて堪能。

季節が合わず、よくわからない島(岩?)にちょうど夕日が隠れていましたね。

「サンセットまで西伊豆で過ごしたらもう今日は帰れねえな……」と覚悟を決めて、海沿いの民宿で一泊することに。

Twitterでは「何か出そう」とのコメントがいくつか寄せられましたが、実際にはそこまで雰囲気ありません。

むしろベランダの電飾が夜通し光っており、愉快な感じでしたよ?(寝られん)

そして最終日へ。

re最終日、2/6(日)、晴れ

掃き出し窓を開けるとオーシャンビュー。
よきロケーションで目が覚め、日の出より先に大瀬崎にある大瀬神社へ向かいました。

ここも聖地なのですが、かなり奥まった場所にあり、正直「ちょっと寄ったにしてはおまえどんなコース通ってんだ?」と言いたいですね。

ビャクシンというヒノキ科の針葉樹が群生しています。

柔らかいハリネズミのよう。
年をとると針状の葉が丸くなるようです。人間と同じですね。

語感だけで勝手に「ハクビシン」だと思っていましたが、そりゃネコや。

ビャクシン群生地にある「神池」は、海に面しているのになぜか淡水か汽水かで、鯉がいます。

で、自販機にエサが売っていたので買おうとしたところ、硬貨が詰まりました。

もう一枚で押し出そうとしたところ、さらに詰まりました。
鍵で押してみも悪化の一途です。

金は返ってこない、餌は買えない。というか自販機をおかしくさせてしまった。

いや、元からおかしかったんだろうけど、こういうのは管理者に報告しなくてはいけないのだろうか……?

境内をうろうろして逡巡。人とお話しするの怖いんだよおお? わかる?? この、社会不適合者の気持ち??

で、ようやく意を決して「神社の人に話しかけるぞ! 深の呼吸うう」とやりつつ、カメラをバッグにしまったら――

ガシャン。


……は?

掛け鞄に入れたはずのカメラが地面に落ちているじゃないですか。

私がバッグだと思った場所は、バッグと腹の隙間にある空間だったわけですよ。つまり無ですよ。
一体いつからそこがバッグだと錯覚していた? やかましいわ、最初からだよ。

慌てて電源を入れたらボディは大丈夫でしたが、背面モニターが白んでいました。

つまり、それは……。

ここで私の記憶は途絶して、気づいたら家に居ました。
私はその後、家までの200kmの道のりをどう帰ってきたのでしょうか。記憶にないのです。

嘘です。この後、鯉のエサを買い直してエサやりをしています。

レンズと引き換えに得たエサだが旨いか?

公園で鳩にエサをやるリストラされたサラリーマンって、きっとああいう気持ちだったのでしょうね。

昔から特技は「公園で鳩にエサをやるリストラされたサラリーマンの物まね(ガチ)」でしたが、これからはもっと真に迫った演技ができそうです。

記憶にないのです、の半分は本当で、ショックのあまりただアクセルを踏んでいただけなので特筆すべきことはありません。

いつだって物事は唐突に終わりを告げます。
そのため、この滞在記もこれにて終了です。
ご愛読ありがとうございました。あまぼし先生の次回作は来週くらいに更新します。

旅の終わりはいつだってちょっと寂しさが伴いますが、ここまで残酷なものがあるでしょうか。

忘れたい、でも忘れたくない。

グッバイ静岡、グッバイ諭吉。また、めぐり会いたい。

おわり。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?