プロのPMが現場で実践しているフォルダ管理のコツ
「プロジェクトを進めていくうちに、フォルダ構成がぐちゃぐちゃになって、どのファイルがどこにあるのかわからなくなった」
「みんなが見ている資料のバージョンが違う」
「いつも資料を探すのに苦労している」
「複数のフォルダ内でファイルが重複している」
こんな経験はありませんか?
これまで私は、15年以上プロジェクトマネジメントに携わる中でフォルダ管理について試行錯誤し、最良のフォルダ管理にたどり着きました。それが、スケジュールに合わせる管理方法です。
今回は、フォルダ構成をスケジュールに合わせるべき理由と併せて、誰もが使いやすいフォルダ構成をつくるポイントを紹介します。
フォルダ構成は全体スケジュールから落とし込むと使いやすい
フォルダ構成を全体スケジュールから落とし込んだ方がいい理由はたったひとつ。基本的に、事業やプロジェクトはスケジュールに沿って動いていくからです。
ほとんどの新規事業やプロジェクトは、最初に計画と全体スケジュールを作成し、その流れに沿って仕事を進めていくことになります。その流れをフォルダ内にも作っておくと、仕事が進めやすくなるのは当然です。
例えば、私が行なうプロジェクトマネジメントの全体スケジュールはだいたいこんな感じです。
これをフォルダ構成に反映させると、下記のようになります。
フォルダの先頭に番号付けをして、流れに沿って並ぶようにしています。このフォルダ構成にしておけば、「現在は企画フェーズだから、『10_企画構想』フォルダを参照すれば良いな」というように、一目でわかるようになります。
このルールをメンバーに周知させておけば、管理者だけでなくメンバー全員がフォルダ内で迷うことはなくなります。
ここからは、使いやすいフォルダ構成にしていくためのポイントを紹介します。
POINT①
プロジェクト計画や管理方針など、プロジェクトの核となる資料は一番上のフォルダに設置する
新規事業やプロジェクトを進めるにあたって、関わるメンバー全員が簡単に全体像や管理ルールにアクセスできるようにしておくことはとても重要です。
そのため、プロジェクトの核となる資料は一番上のフォルダに設置します。一番重要な資料に一番簡単にアクセスできるようにしておくということです。
最上部に配置されたフォルダを見れば、誰でもその事業やプロジェクトの概要をすぐに理解できるようになります。
ちなみに、全体計画は一番初めに行うので、スケジュールに沿ったフォルダ構成をすれば自然とこの配置になるはずです。
POINT②
企画や要件定義後、実務フェーズからは担当するチームごとのフォルダにする
全体の企画や要件定義が一通り終了すると、そこからは具体的な作業工程に移っていきます。そうすると、チームに分かれての作業が増えていきます。同じ開発であっても、フロントエンド開発チーム、バックエンド開発チームなど、各チームが一フォルダ内で仕事を完結できるよう、ひとつのフォルダにしておくと良いでしょう。
ちなみに、全体の企画や要件定義後からチームごとのフォルダに分けるのには、理由があります。それは、企画や要件定義までは分担がはっきりきまっていないことが多く、様々な資料を参照しながら進めていくためです。
ひとつのフォルダにまとまっているほうが使い勝手が良くなるので、下記のように、大まかなフォルダ構成にしておきます。
POINT③
受領フォルダは個別で作成する
クライアントやベンダーとやりとりする事業やプロジェクトの場合には、多くの資料がメールやチャット上で飛び交います。その際に受領した資料は、様々なフォルダに入れずにひとつのフォルダにまとめて入れるようにします。
「いつかもらった資料にこの内容が書かれていたな...」というように受領資料を参照したい時は頻繁にありますが、様々なフォルダに分散して格納してしまうと、あちこちのフォルダを探す手間が発生します。そうならないよう、受領資料は全てひとまとめにしておきましょう。
共有漏れがないよう、受け取ったらすぐにフォルダに格納することも忘れてはいけません。
この時のフォルダ名には必ず、「受領日」と「資料名」と「提供元」を入れます。いつ誰からもらったか一目でわかるようにしておくことが重要です。
また、様々なジャンルの資料を複数まとめて受け取った場合、資料の種類ごとにフォルダを切るのもポイントです。
例えば、2019年5月20日に、A開発会社のB様から下記3つの資料をまとめて受領したとします。
・旧システム構成資料.ppt
・新システム構成資料.ppt
・デザインカンプ.psd
この場合には、
・20190520_システム構成資料(A開発会社B様より)
∟旧システム構成資料.ppt
∟新システム構成資料.ppt
・20190520_デザイン資料(A開発会社B様より)
∟デザインカンプ.psd
というようにすることで、より探しやすくなります。
以上が、使いやすいフォルダ構成の作り方とポイントです。
管理方法やルールを決めずに何となくでフォルダを構成していくと、いつの間にか使いづらいフォルダ構成になります。適切に資料配置することができませんし、粗末なフォルダ管理は、資料を見つける手間を発生させるだけでなく、結果的に誰も資料を共有・利用しなくなるというリスクまで潜んでいます。新規事業やプロジェクトを円滑に進めるためには、フォルダの管理や整理はとても重要な作業ですので、面倒くさがらずにコツコツと続けていきましょう。
ファイル名のネーミングもフォルダと同様にポイントがあるので、次回紹介します。
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