『羅小黒戦記』は何が凄いのか?その魅力を語らせてもらう
【羅小黒戦記とは?】
『羅小黒戦記』というアニメ映画を知っているだろうか?2019年に公開された中国産アニメーション映画だ(ちなみにタイトルの読みは、『ロシャオヘイセンキ』と読む)
筆者もつい最近までは知らなかった。知ったのはInstagram。フォローしてる阿佐ヶ谷ユジクさんの投稿↓が目に留まったのがキッカケだ。
凄くないですか、これ…
1日1回上映、48席とはいえ、1か月分がまるまる埋まってる状況なんて前代未聞。全くのノーチェックだったが、これを見て『ここまで人気の羅小黒戦記とはどんな作品なんだろう?』と思ってたところに、上映延長&延長分の予約が開始したので、予約して観てきた訳だ。
ちなみに阿佐ヶ谷ユジクでは、ユジク黒板アートで『羅小黒戦記』が描かれていたぞ。しかもこの黒板を手掛けてるのは、本作の美術監督の潘婧(HanGinngu)さんと背景制作の知更鳥(KOMADORI)さん(ちなみに黒板は1/5(日)まで)というのだから凄い。
【作品情報とあらすじ】
テーマは、一言で表すなら「妖精と人間の物語」。ひいては「自然と人間の物語」といったところだろうか。パンフレット等によれば、監督のMTJJは、日本のアニメに影響を受けているとの事だが、上述したテーマもあってか、どことなくジブリっぽい雰囲気も感じられる。
【そもそも羅小黒戦記とは何か?】
『羅小黒戦記』とは、元々は中国で人気のウェブアニメだ。今作の監督でもあるMTJIにより、2009年から漫画の連載が始まり、2011年にウェブアニメを制作したところ、想像を超える人気となり、今回の劇場アニメに繋がったとのこと。
原作でもあるウェブアニメ版は、人間界を彷徨っていた羅小黒(ロシャオヘイ)が、人間の女の子小白と出会い、ほのぼのと生活する日常を描いた物語となっていおり、劇場版とは内容がだいぶ異なっている。YouTubeでは、日本語字幕付きのウェブアニメの1話を見ることができるので、興味ある方はチェックしてみてはいかがだろうか(以下にリンク先あり)
さて、そんな『羅小黒戦記』の何にそこまで感嘆し、何がそんなに騒がれているのか、筆者の感想を通して書いていこうと思う。
【何故、ここまで人気が拡がったのか?】
上記の記事によると(ITmediaビジネス様参照)本作が公開された経緯だが、元々は在日中国人に向けたテストケースだったらしい。しかし、公開したところ、TwitterなどのSNSを中心に口コミで人気が拡がり、今に至るらしい。特に日本のアニメーターの方達や監督などがコメントをした事が大きな影響となったらしい。
【中国アニメーションの完成度の高さに感嘆…】
驚いたのは、アニメーションとしての完成度の高さ。筆者はそこまでアニメを見ている訳ではないので、現在のアニメの世界事情は知らなかったが、本作を観て、中国アニメに対する認識が10年は遅れていた事を実感してしまった。
ストーリーも素晴らしいが、アニメーションの技術力がすさまじく高い。動きが本当なめらかで、カクカクしてる部分など一つもない。パンフレットによれば、劇場版の制作チームの人数は50人との事。これは劇場アニメーションの人数にしては小規模、背景に関してもかなり美麗に描き込んであるが、外注せずに、全て自社完結の形で制作したというのだから驚きだ。
【羅小黒がとにかく可愛い。愛らしさに溢れたキャラクターと物語】
登場するキャラクターがとにかく可愛い。日本のアニメに影響を受けてるだろうキャラクター達は、日本の観客にとっても親しみやすいデザインになっている。
特に主役の羅小黒、コイツがとにかく可愛らしい。猫の妖精だが、年齢が8歳と非常に幼い(妖精は200歳とかもいるので、本当に若い)人間モードと猫モード、どちらの形態にもなれるのだがどっちも愛らしく、純粋な皆に愛される弟キャラとなっている。
そして羅小黒と無限による師弟関係の描かれ方も何とも愛らしい。中国は儒教の国だからか、こういう師弟関係を題材にした物語がよく映える。また哪吒(なたく)も中国では本当に人気が高いキャラクターなんだと実感した(何の説明もなく颯爽と出てきて驚いたが、どうやら中国では国民的人気キャラクターの為、説明なしの扱いらしい)
上述した通り、本作のテーマは『自然と人との共生』。このテーマを扱った物語自体も素晴らしいのだが、ある意味、昔から描かれてきた普遍的なテーマであるし、筆者はそこに目新しさは感じなかった。もし、この映画が日本のアニメ会社で製作・公開されていても、正直、ここまで感嘆はしなかったと思う。これほど完成度の高いアニメーション映画が、中国発であること、そこが筆者が感嘆を受けた一番の理由だ。そしてこの完成度の高さとキャラクターの可愛らしさ、関係性が人気の要因だと思う。
圧倒的な人員の差、アニメーションでも、いづれ日本は脅かされるだろうとは思っていたが、ここまでとは…日本のアニメーションに影響を受けてる事は見て分かるが、模倣ではなく、技術を完全に自分たちのモノにしている。そこが恐ろしい。今作を見て焦ってる日本のアニメーターも少なくないのではないだろうか?それくらいの危機感を感じさせる素晴らしい作品でもあった。
現時点でも、かなり埋まってしまっている状況だが、アニメ映画好きな人なら、少し無理をしてでも観に行く価値は十二分にある作品だと思う。是非とも劇場に出向いて、その目で確かめて欲しい。興味を持った方は是非。
【『羅小平戦記』の現在の状況:2022/8/28更新】
前回の投稿から半年近く経ったが、今もまだ人気が収まらないという事で、今現在で分かってる羅小平戦記を巡る状況などを簡単にしるしておきたい(進捗があり次第、このページが更新していこうと思う)
【2022年10月7日よりTVアニメとして地上波放送決定!:2022/8/28更新】
『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』はTV放送版アニメとして10月7日より地上波放送することが決定した。劇場版をディレクターズカット版として全5話にて分割放送するとのこと。さらに新規描きおろしも追加予定とのことで要チェック!
【字幕版の劇場公開状況:2020/6/1追記分】
コロナによる自粛などもあって、映画館自体が閉館していた状態だったが、現時点では、全国のいくつかの劇場で公開、もしくは公開が決まっている。公開館に関してはこちら等の、映画サイトなどで随時更新されると思うので、調べて欲しい。
都内は、6/1からユジク阿佐ヶ谷で上映が決まっているぞ!また、今後は日本のアニメ関連企業と協力して、日本語吹替版による再展開も予定されてるとの事。どうなるのか気になるところだ。
ちなみに、ユジク阿佐ヶ谷では6/1以降、『羅小黒戦記』のチケットを購入した方に先着で『羅小黒戦記』のオリジナルのしおりを配布しているらしいぞ(1名様につき1枚とのこと)気になってる方は、この機会に行くのもいいし、ファンの方は是非、足を運んでみてはいかがだろうか(ユジク阿佐ヶ谷以外にも劇場公開してる映画館で、しおりを配ってるとのこと。気になる方は最寄りの劇場をチェックしてみるのもいいかも。)
【8/26追記分】
2020年8月13日にもって、『羅小黒戦記』(字幕版)のロングラン上映が終了したとの事。(チームジョイ株式会社様公式Twitterより)文中でも字幕版と言及してることから、これから恐らく吹替版の上映に向けて何か動きがあるかと思われる。また吹替版の上映が決まり次第こちらでも報告したいと思う、
【日本語吹替版の公開が決定!:2020/8/28追記分】
8月27日、ついに『羅小黒戦記』の日本語吹替版の公開が決定したぞ。公開日は11月7日、全国順次公開予定との事。吹替キャストは、シャオヘイを花澤香菜、フーシーを櫻井孝宏、ムゲンを宮野真守ら豪華キャストが演じることが発表された。日本語吹替版のポスターと予告編も解禁されたので下に貼っておくぞ。
ポスターの雰囲気も吹替もすごく良い!特に吹替の声はピッタリ!ポスターといい、吹替のキャストの配役といい、当初の公開規模を考えたらかなり気合が入っていることが伺える。ちなみに各吹替キャスト、日本語吹替版プロデューサーのコメントも届いたので、こちらに載せておきたい(公式サイトより抜粋)
との事。ちなみに前売り券を買うとシャオヘイのアクリルストラップが付いてくるとの事(下記写真参考)。前売り券は、9月5日から発売なので、気になる人は売り切れる前に早めに手に入れる事をお薦めしたい!
全国の劇場情報などは下記の公式サイトからチェックできるぞ。
【9/9追記】
9月9日にTOHOシネマズ日比谷にて、前売り券を買ってきた。ムビチケじゃないというは意外。前売り特典もゲット!しかし、前売り特典をつける辺りも日本語吹替版は気合が入ってる…!気になる人は、特典がなくなる前に購入することをおすすめするぞ。
【10/4更新】
羅小黒戦記の日本語吹替版に、元TBSのアナウンサー宇垣美里が声優初挑戦することが決まった。アニメ好きとしても知られる宇垣美里だけに、どんな声で吹替えしてるか気になる…!
【4DX、MX4Dなどの上映形式と入場者特典情報について:2020/11/8更新】
11/7から遂に公開された『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』だが、Filmarksで4.2という高得点をたたき出す(2020/11/8時点)など、評判もかなり良さげ…!そんな中で、11月13日より全国74館の劇場にて4DX、MX4Dで上映されることも決定したぞ!
そして数量限定の入場者特典も判明!1週目の来場者にはイラストカード、4DXでの鑑賞者にはシャオヘイとムゲンがデザインされたポストカード、MX4Dで鑑賞した人にはシャオヘイとフーシーがデザインされたポストカードがプレゼントされるとのこと。(詳しくはこちらの記事を参照)個人的にはイラストカードが物凄く可愛い…!
【DVD、Blu-rayのソフト、配信状況など】
2020年5月31日時点では、DVDや配信などの情報は確認できていない。しかし、本作の人気を考えると何らかの形で劇場以外の視聴方法は展開する可能性が高いと思う。現在は劇場で上映しているので、上映がひと段落しそうな頃に、何か情報があるのかもしれない。また分かり次第追記していくぞ。
(追記分)『羅小黒戦記』のBlu-ray / DVDが7月9日に発売されることが決定した!!ソフトには日本語吹替版だけでなく、中国語オリジナル音声を収録してるとのこと。通常版だけでなく完全生産限定盤もあるとのことなので、なるべく早くチェックすることをお薦めしたい!
【グッズ展開など】
全国の劇場を確認したわけではないが、都内のユジク阿佐ヶ谷などではぬいぐるみなどのグッズを劇場で販売していたりした。グッズの入荷や販売状況等は、ユジク阿佐ヶ谷のSNS等で更新されているので、気になる方はチェックしてみてはどうだろう。またAmazonなどでも、ぬいぐるみや公式原画集、漫画(ただし日本語訳ではないので気を付けて)などが販売されているぞ。
また『羅小黒戦記』を配給しているチームジョイ株式会社でもグッズを通販しているぞ。気になる人は是非チェックしてみてくれ。
アニメイトの通販サイトで、羅小黒戦記のフィギュアやボトルキャップが販売しているとの事。写真見ても可愛さが伝わってくる…!興味ある方はチェックしてみては。
【その他】
こちらの記事によると、アニメ界のオスカーと呼ばれる、アヌシー国際アニメ映画祭に中国発アニメとしてノミネートされたらしい。オスカーと獲得するか注目どころ。また続報が分かり次第、こちらも更新したい。(その後の記事によると、どうやらグランプリにはいたらなかったようだ。)
2020年になっても、まだまだ話題の羅小平戦記、気になる方は、この機会に是非ぜひ観てみて欲しい!
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