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恋人を親に紹介した。両親は狂喜乱舞し、父が皆で写真を撮ろうと言い出した。タイマーがカシャ…
朝が来る。ビルの窓が一斉に陽を反射し、1日が始まる。品川駅始発のリニアに乗って、名古屋の…
一目惚れだった。 敵対しているというのに。気持ちを押し殺した。それなのに彼女が言う「愛し…
衝撃波を残しながら、カモメの編隊が空を飛ぶ。カジキマグロの群れが、高波をおこして迎撃す…
「何堂々と歩いてんだよ」 六角形や八角形たちと下校していると、立方体や正八面体、3次元集…
そろそろ働くか、とアルバイト情報誌を開く。手を止めるほどのものはない。ふと、ひとつの求人…
気がついたら死んでいた。 これが三途の川か、向こうから船がきた。渡し守が口を開く。 「ハーイ、川ワタルナラ6ドル、ヤッスイヨ」何で片言。「グローバル化ネ」 慌てて周りを見渡すと、朝顔の植木鉢。庭の手入れをしてたっけ。 「紫朝顔、素焼鉢、培養土に軽石ネ。江戸の亡者も喜ぶヨ」 さよなら、現世。
ボーイフレンドは海兵隊だった。 一度陸地を離れると、次に会えるのはいつの日か。毎日砂浜で…
集団登校の集合場所へ、重い足で向かう。入学してすぐ、皆にいじめられた。それ以来一言も発さ…
自衛官の制服に萌えるクラスタがあるらしい。 大人気なのはどれだろう、新旧どちらの制服なの…
月明かりだけが差す部屋、彼に抱き抱えられるようにして月を見つめる。 少し離れ気味の切れ長…
赤子と園児のいる生活はとにかく修羅場、どこまでも余裕はなかった。 特に、弟の存在を絶対に…
配られた高校数学のページをめくる。さすが進学高、異世界だ。「三角関数、意味あんの?」クラスから声がきこえる。 我々はピラミッドの積み石なのだ。全員で高みを目指し、上に登った者が科学の火を繋ぐ。意味なく見えるもの、それこそが必要なものなのだ。 僕は諦めない。高みを目指す。