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140文字小説「家族写真」

恋人を親に紹介した。両親は狂喜乱舞し、父が皆で写真を撮ろうと言い出した。タイマーがカシャリと鳴る。確認した母が叫んだ。

「やだ、お父さんの頭が光っちゃったじゃない!」

父のハゲ頭がハレーションを起こしていた。笑う訳に行かない犠牲者である彼を見ると、震えながら悲壮感漂う顔を作っていた。

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