見出し画像

空き家はすぐに傷みます!税金面での優遇を受けるためにも定期的なメンテナンスを

「空き家は傷むのが早い」と耳にしたことはありますか?
これは事実です。今回は、何故空き家はすぐに傷むのか?その理由、劣化を防ぐためにできるメンテナンスについてお話ししたいと思います!

空き家のメンテナンスを怠り放置してしまうと、固定資産税が高くなる「特定空家」や先月から施行が開始した「管理不全空家」に認定されてしまう恐れもあります。

折角のお家を特定空家に認定されないためにも、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

家の傷みが早くなる4つの理由

使っていないのだから、建物自体が傷むことはないのではないか、と考える方もいらっしゃるでしょう。そんな疑問を解決すべく、まずは、空き家になると傷みが早くなる4つの理由を説明します。

◆換気不足による湿気

人が住んでいる家は、窓の開け閉めや換気扇の使用、人の出入り等で、住んでいるだけで自然に換気が行われています。空き家になってしまい、雨戸や窓、玄関などを閉め切った状態にすると、空気の循環や出入りが発生せず、湿気もたまってしまいます。

湿気がたまるとカビが発生して壁紙や床材、柱などが腐食してしまい、どんどん建物が傷んでしまいます。また、雨戸やカーテンを閉めると太陽光も入ってこなくなるため、常に日当たりが悪い状態になります。そうなると、湿気もたまり続け、建物が傷むスピードもいっきに速まってしまうのです。

◆水が流れないことによる虫やネズミの侵入

しばらく使われていない家に入ると、水回りから異臭がすることがあります。それは下水のニオイが上がってきていることが原因です。

人が住んでいると料理や洗い物、洗濯、トイレなどでたくさんの水を使います。
人が住んでいる家なら、下水への配管に水がしっかりとたまり、それがフタの役割をしてニオイに加え、虫、ネズミなどの侵入を防いでくれます。

人が住まなくなれば、配管の水は次第に蒸発してしまうので、窓や玄関を閉め切っていても中は虫だらけになってしまう可能性もあるわけです。

◆庭木や雑草が伸び放題で家にダメージを

空き家になって庭の木や草が伸び放題になると、隣の家に迷惑がかかるだけではなく、自身の家にもダメージを与えてしまいます。
例えば、木の葉が屋根に落ち、それが雨どいを詰まらせることがあります。そうなると、排水が上手くできなくなり庭が水浸しの状態になったり、本来は雨がかからない場所に雨がかかることで、壁等の傷みが早まったりもします。
また、木の成長によって根が伸び、それが地中のさまざまな配管を圧迫したり、中に入って詰まらせたりといった悪影響を及ぼす可能性もあります。

◆傷みやトラブルに気づくのが遅れてダメージが増大

湿気や水回りの問題は住んでいる間は起きにくく、また、仮に起こったとしても生活に深く関わることなので気づくのが早く、迅速な対処ができます。庭木や雑草についても同様で、住んでいれば仮にトラブルがあったとしてもすぐに気づくはずです。

しかし、空き家になって長期間メンテナンスをせず放置してしまうと、気づいたときには取り返しがつかない状態になってしまう可能性もあるわけです。

また、長く空き家にしていると、人の出入りがないことに目をつけられて、不法投棄されてしまうことすらあります。

空き家とメンテナンス

空き家に必要なメンテナンス

空き家の傷みが早まる要因として「湿気」「水回り」「庭木」「トラブルに気づくまでの時間」の4つがあると述べてきました。空き家を所有するのなら、まずはトラブルを防ぐために「定期的なメンテナンスのための訪問」をすることから始めましょう。

訪問時にはすべての窓を開けて空気を入れ替える、しっかりと蛇口から水を流してニオイや虫を防ぐようにしてください。
湿気がこもりやすい梅雨や夏には訪問する頻度を高めるといった工夫も必要です。

庭の木に対しては伐採や剪定を検討するとよいでしょう。生長しすぎると自身で手入れするのが難しくなるので、業者に依頼することも視野に入れてください。
雑草対策には除草剤を、外からの虫や動物よけには忌避剤を、それぞれ設置するのもおすすめです。

メンテナンスは特定空家にしないためにも必要

居住する予定のない空き家の解体をせずに空き家として残す大きな理由に、固定資産税の優遇が挙げられます。固定資産税は土地と建物それぞれに課せられますが、人が居住するための家屋が建っている土地(住宅用地)については特例措置があり、税金が軽減されています。

土地の広さにより変動しますが、特例措置によって土地部分の固定資産税は6分の1や3分の1になります。建物部分の固定資産税は建物としての価値に依存するので、古い家屋などの場合、建物部分の固定資産税はほとんどかかりません。そのため、建物部分の固定資産税を払っても建物を残して土地部分の固定資産税の優遇を受ける方が、税金の支払いは安くすむのです。

2015年に定められた空き家対策特別措置法により、自治体から「特定空家等」に認定されれば土地の固定資産税の特例を受けられなくなりました。
加えて、2023年12月には「管理不全空家」という新しい定義が施行され、特定空家の前段階で固定資産税の優遇が解除される可能性も出てきました。

特定空家と認定される条件は、「倒壊の恐れがある」「管理されていなくて景観を損なっている」「衛生上問題がある」「周辺環境のために放置しておくことが不適切」といったものです。つまりは建物の管理不足が要因となっています。

さらに固定資産税の優遇解除以外にも、罰金や行政代執行による解体処分となる場合もあります。解体処分となった場合、その解体費用は所有者に請求されます。

固定資産税の優遇解除は、ある日突然されるものではなく事前の通知や勧告があります。もしメンテナンス不足で勧告を受けてしまった場合はすぐに対応するようにしましょう。

利用予定のない空き家は売却や活用を

たとえ固定資産税の優遇を受けられても、将来的に住む予定がないのなら、税金や管理の手間を考慮して、空き家と土地をまとめて売却あるいは空き家を解体して更地としての売却を検討するのがおすすめです。

または、空き家を賃貸に出したり、用途変更し住居以外の方法で使用したり、空き家を解体して更地にアパートを建てる、更地を駐車場にするといった活用方法もあります。自身の所有物となれば固定資産税もかかり続けますが家賃収入を得られれば、税金を賄うことも管理を業者にお願いすることもできます。

空き家の放置、それだけは避けてほしいというのが私の願いでもあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?