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【観光史上、最悪の年】観光復興と次世代のために、足りていないもの。


この1年間で考えていたことを赤裸々に書きたいなと思い、夜遅い時間に書きなぐりました。7,500文字の長文になってしまいましたが、ぜひ読んでもらえると嬉しいです。(TABIPPO代表取締役・清水直哉)


2020年は「観光史上、最悪の年」と言われています。

国連世界観光機関(UNWTO)のデータによると、世界で観光客数は74%が減少、2020 年の国際到着数が前年比で10 億人減少して、国際旅行の損失は、約1.3兆米ドル以上と言われています。

また、この危機によって観光業にかかわる約1億2,000万人の雇用が危険にさらされました。

文字通り、「最悪の1年」です。


そんな中、僕らTABIPPOは、4月に新サービスをリリースしました。

2030年の観光業界を担う次世代リーダー養成スクール「POOLO NEXT」です。すでにたくさんの方からの反響があり、数多くの受講者の方からお申し込みを頂いている状態です。


今回のnoteでは、なぜ僕らが「POOLO NEXT」を立ち上げたのか。そして、「観光史上、最悪の年」と言われた1年の間に、何を考えて、なにをしていたのか。そんなことを書きたいと思います。


突如襲ってきたコロナの影響と、苦悩の日々。

2020年に、予想できなかった出来事が観光業界を、そして僕らTABIPPOを襲いました。みなさんご存知の新型コロナウイルスです。

1月までは、なんとか僕らも事業を続けていることが出来ましたが、2月からはその影響を大きく受ける結果となります。

海外旅行を中心としたビジネスを展開していたTABIPPOは、ほとんどの仕事を失うことになりました。

タイ・バンコクでの大規模なイベント開催も、ドイツ・ローテンブルクで企画していた体験型学習プログラムのツアーも、ハワイ・ハワイ島でサステイナブルな体験をする旅行企画も、突如中止せざるを得ない状況となりました。

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400名がタイ・バンコクに集まった2019年が懐かしい・・・


その他にも、リアルな場でのイベント開催は難しくなり、WEBメディアのトラフィックは大きく減少。クライアントからの広告タイアップの案件も、ほぼ全てがゼロの状態となり、瀕死の状態でした。

創業メンバーの退職なども重なっていたため、当時の精神状態はなかなかヒドいものでした。このあたりについては、また別でnoteを書きたいなと思っています。

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渋谷にあるオフィスも固定費の問題で、泣く泣く解約

ただ、仲間と一緒にそこを乗り越えるために、乗り越えた先の未来に対して、できるだけポジティブな形で種まきをするために、いろんなチャレンジもした1年でした。


1年間でチャレンジできたこと

当初より、10周年の大きな転換期として進めていた「コーポレートアイデンティティ」や「ロゴ」「WEBメディア」のフルリニューアルによって、大きく体外的な打ち出し方やメッセージを変更。

元々はリアルな場でのコミュニティづくりが得意だったTABIPPOも、コミュニティづくりのほぼ全てを「オンライン」の空間に移行することで、デジタル化によるポジティブな可能性を感じることも出来ました。

いまでは、年間300回以上開催しているイベントは、ほとんどがオンライン開催となり、例年開催している大規模イベント「BackpackFESTA」や「PEACE DAY」もオンライン配信に挑戦しました。

このあたりから「ワーケーション」などを中心としたコロナ禍における、あたらしい旅行スタイルへの兆しや、可能性もさまざまな視点から議論されるようになってきました。

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ワーケーションの企画・開発の仕事が増えた1年でもありました


そんな中で、チームの仲間たちとは、「とにかく観光・旅行業界に貢献ができるアクションを起こし続けよう」と議論を続けました。

その中でまず生まれたのが、「TRAVEL at HOME -家から世界を楽しむアイデア-」「#私たちは旅をやめられない コンテスト」「NEXT JAPAN TRAVEL -あたらしい旅、だいすきな場所-」などのメディア特集であり、TBWA HAKUHODOさんなどと一緒に企画をしてリリースした「観光復興ガイド」でした。

特に「観光復興ガイド」は業界でも大きな反響を生むことができ、たくさんの観光従事者の方に実際に使って頂き、喜んで頂くことが出来ました。ユーザーが遊びながら「観光復興」ができることをテーマにした観光復興ボードゲームも実は制作&クラファン中です


また、このタイミングで、ANAホールディングスが主体となる「旅と学びの協議会」にリーダー企業&第1期会員として参画しましたが、観光の未来のために、今なにができるのか?業界の垣根を越えて、議論ができたことはTABIPPOにとっても非常に大きな出来事でした。

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ANA、IBM、ソフトバンク、パソナという名だたる企業の中で、TABIPPOがリーダー企業となれたことは光栄でした。


そんな中で「これからの観光」について様々な企業の方や、旅人たちと議論をし続けてきて、浮かび上がったのが1つの大きな課題です。


未来を担う次世代リーダーが足りない。

それは「観光業界には、次世代を担うリーダー人材」が足りないという課題感でした。

もともと、20-30代を中心とした「若年層」に向けて事業を多角展開しているTABIPPOですが、そんな若者たちと接する中で、もっと僕らのコミュニティから「次世代リーダー」を輩出していかないといけないという危機感をもったのです。

観光業界には、コロナ以前から大きな課題がたくさんあります。生産性の低さやオーバーツーリズム、地域振興との乖離や、事業におけるDXが進んでいないことなど。課題だらけです。

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ハワイ州観光局のWENサイトのレスポンシブルツーリズム特設WEBサイトをTABIPPOが制作。業界変革の中で、サステナブルツーリズムに関する関心は急速に高まりました。


そんな中、正しい観光復興に向かっていくためには、とにかく「人材」が足りていないのです。

例えば、僕はもともとIT/WEB業界で働いていましたが、そういった業界では、20-30代の次世代リーダーたちが数多く活躍をしています。

観光業界は、どうでしょうか?

どこをみても、僕の世代からみても先輩であるリーダーの方たちが業界の中心となっており、そういった偉大な先輩方の努力に依存している状態となってしまっています。

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例えば、旅と学びの協議会にも、偉大で、尊敬すべき先輩方がたくさんいます。でも、もっともっと若い世代からの突き上げが必要だと感じるのです。


業界の中では「若い」と言われ続けていましたが、22歳でTABIPPOをつくり、26歳で起業をした僕自身も、早いもので33歳となってしまいました。

そんな僕らのような世代で、一緒に観光の未来をつくっていけるような人材を増やしたいのですが、正直、僕らの力だけではぜんぜん足りません。切実にそう思っています。

そのために、作ったのが「POOLO NEXT」です。6ヶ月という時間をかけて、このサービスを通して、「未来の観光に貢献するニューノーマルなビジネスプランを生み出す」ことを実現したいと思います。


チャンスにあふれている観光業界。

「いまさら、このタイミングで、観光!?」そう思う人も多いかと思いますが、僕はいまだからこそ「チャンスにあふれている」と確信しています。

緊急事態宣言などで制限もある中、なかなか今すぐには自由に国内を旅することは難しいかもしれません。もちろん海外へ渡航するのはまだまだ時間がかかります。

ただし、観光産業はもともと市場規模も多く、グローバル化の中でも高い成長率で伸び続けている産業です。そして、まちがいない100人に100人が「観光は復興する」と答える、非常に重要な産業なのです。

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POOLO NEXTでは無料体験講義として、あたらしい時代のビジネスチャンスについて様々な方々と語りました。


奇しくも、観光業界はコロナによってポジティブに変革していくと考えられています。

持続可能な観光の模索、若年層からのリカバリー、再定義される旅の価値など。変革のタイミングは、ビジネスにとっても大きなチャンスと言えるのです。

本当に!?と思われるかもしれないので、例としていくつか身近な事例をご紹介できればと思います。


変革の時代だからこそ生まれる新しいビジネス

SNSやメディアで話題になった「令和トラベル」は、元RELUX創業者の篠塚さんが立ち上げたあたらしい会社ですが「海外旅行業界のDX」を徹底的にやりきることで、デジタルトラベルエージェンシーを立ち上げると発表しています。篠塚さんのあたらしい挑戦は、スタートアップ界隈の中でも非常に話題になりました。


また、先日僕らのメディアでも取材をさせて頂いたSANUの本間さんは、元々は業界で有名なゲストハウスを経営・プロデュースされていた方です。コロナ禍におけるあたらしいチャレンジとして「自然と共に生きる」をコンセプトとして新たな暮らし方を提唱するライフスタイルブランド「SANU」をリリースしました。

これも、未来の観光に貢献するサービスであり、変革の時代だからこそ生まれたサービスだと思います。(本間さんには、POOLO NEXTで講師もして頂きます)


また、沖縄県・石垣島に初のライフスタイルホテル「THIRD石垣島」を立ち上げた佐々木さんも、コロナ禍という変革のタイミングだからこそのアクションを取り続けています。ホテルにとっては非常にネガティブなコロナ禍においても、様々なメッセージをSNSで投げかけることで、若者の共感を得ています。


POOLO NEXTでメンターをやっていただく、KabukStyle社の大瀬良さんが運営する「HafH(ハフ) 」は、好きな時に好きな場所で働くための月額制サービスですが、ワーケーションの文脈でユーザーに愛されているサービスです。コロナの影響で働き方が大きく変化したことが、よりポジティブな影響をうけたサービスの1つだと感じています。


あくまで、数多ある事例のいくつかをご紹介させて頂きましたが、変革のときだからこそチャンスが多く転がっていることがよく分かると思います。

ちなみに「観光」をテーマにしたビジネスってなんだ?

という質問をよく言われるのですが、僕らTABIPPOでは広義な意味として「観光=ツーリズム」を捉えています。

僕らがやっている事業自体も、めちゃくちゃ「観光ど真ん中なのか?」と言われれば、旅行商品を売っているわけでもないですし、特定の観光地に根付いているわけでもないですし、そういう意味では自由に、広く捉えてもらって大丈夫です。

いわゆる旅行業だけでなく、WEBサービスやメディアをつくるのでも良いですし、人材育成やキャリア支援・教育の領域でもいいと思います。最近だとD2Cや、DXに注力するなにかビジネスでもいいかもしれないですね。

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コロナの影響を大きく受けてしまい、今はサービスを休止していますが、僕らTABIPPOが2018年3月からスタートさせた「旅人採用」というサービスがあります。人材紹介というビジネスモデルですが、未来の観光に貢献するために作ったサービスでした。

また、あまり大きなビジネスではなく地域に根付いたゲストハウスやコミュニティづくりでも全然良いと思います。

こうやって書いてみても「観光業界」にはビジネスチャンスがたくさんあり、イノベーションが起きやすい状態だと言うことがよくわかります。


POOLO NEXTで実現したいこと

このあたらしいサービスで僕らが目指すのは「未来を担う次世代リーダーが集い、誰もが豊かに旅する時代へ、復興させる」ことです。

いままでは、自由に旅ができる時代だったかもしれません。ただし、そこには大きな課題があり、このタイミングで変革が必要だったのです。

僕らが目指したいのは「誰もが豊かに旅する時代への、観光復興」。それをこのPOOLO NEXTで次世代リーダーを育てることで実現したいと考えています。

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起業をしてすぐ、2014年に旅をしたブラジル・レンソイスの写真です。こうやって当たり前に海外を旅できる時代を、そして豊かに旅できる時代に向けて、観光復興に取り組みたいです。

同じ元の状態に戻るのは、早くても2024年と言われ、その先にある「2030年」という1つのゴールに向けて、観光の在り方は大きく変化する必要があるのです。

だからこそ、ピンチを嘆くのではなく、自らが先頭に立つことで観光の未来を担う「次世代リーダーの輩出」が至上命題なのです。


共に、時代をつくる仲間を集めています。

最後に、ぜひ今回の話をみて少しでも共感していただける方には「POOLO NEXT」に参加して頂きたいなと思っています。

今回、noteにあつくるしく書いたさまざまな観光業界の課題をすべて解決して、本当にいまの業界に必要だと思うエッセンスをすべて詰め込みました。

個人で参加される方も多いかもしれませんが、ほとんどは企業で働きながら参加する方だと思いますので、ぜひ会社内で推薦などもお待ちしています。すでに観光業界で頑張っている方、これからあたらしいチャレンジをしたい方、どなたでも大歓迎です。

ぜひ、一度POOLO NEXTの公式サイトを覗いてみて頂いて、興味がある方はすぐにでも面談にいらっしゃって頂ければと思います。


長くなりましたが、お付き合い頂きまして、ありがとうございました!

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