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締め切り#016 にわにわに っ記vol.01 / 池上幸恵

駐車場の一角に生えた雑草を抜いて、にわを作って1ヶ月が経とうとしている。

・・・と思ったら、まだ10日しか経っていなくてびっくりした。感覚的には3週間とか1ヶ月くらい、毎日起きてにわを眺めご満悦、水をやってはご満悦、植え替えしてはご満悦、という暮らしをしてきた気分だけど、時間というのはやっぱり伸びたり縮んだりするものだから、1ヶ月経ったはずの時間は10日しか経っていなかった。


●2022年5月19日(木)

思い立って駐車場の一角の雑草を抜く。木を切り倒した跡地の部分。
ミントの水やりだけだと、朝の日課の水やりが物足りなく感じられて、ちょうどこの場所は手頃なサイズなきがした。ミントと一緒に鉢に植えたゲラニウムが枯れてしまってがっかり。ゲラニウムのことを調べると、「強くて丈夫な植物なので初心者にも安心」ということが書いてあって、さらにがっかり。

「おぎはら植物園」に苗を買いにいく。あれもかわいい、これもかわいい。とにかく「寒さに強い」ということが書いてあるものを買う。白い花が咲くペチュニアがとてもかわいい。ペチュニアは小学校の時に苗を与えられて育てた(花が枯れたらちゃんと摘むこと、と教えられて、摘むと、べたべたしてた)覚えがあるので、小学生のわたしでも育てられたんだから大丈夫だろうと思って買った。白いペチュニアには「栄養系」と書かれていて、園芸ではあたりまえの用語なんだろうけどふしぎだった。栄養系。

地面に植えてみると、買い物カゴの中にあんなにたくさんあった苗がすごく少なく見えてスカスカで「あれ・・?」と思ったけど、とにかくかわいくてしょうがない。


●2022年5月20日(金)

雨。朝起きてすぐ洗面台の窓を開けて庭の確認。今日もかわいい。youtubeで「カーメン君」という園芸超人の動画チャンネルを見つけて見続ける。

お気に入り植物「ギンバカゲロウ草」

●2022年5月21日(土)

晴れのち雨。「日向」だと思ってたところが思いのほか「日陰」だったり、時間によってコロコロ日陰の部分が変わる。庭の日当たりのことなんて気にしたことなかった。

お気に入り植物2
「ブラックマジック」というサトイモ。左のやつは金魚草の「ブラックプリンス」

●2022年5月22日(日)

晴れ。今日もかわいい。畑のパセリが黄色くなってるのが気がかり。ベビーサンローズの花が咲き始めた。そんなに好きな色の感じじゃないけどとにかくうれしい。でも調べたら、ベビーサンローズは霜がだめみたいなので、この地域での冬越しは完全に無理そう。寒さに強いどころか「やや弱い」みたいなこと書かれてて、あれ〜?と思う。

●2022年5月25日(水)

標高1300メートルにある、「萌木の村」のナチュラルガーデンを見にいく。篠原くんが「これがいい」と言うものを、アプリ「Picture This」で調べてみるとだいたい「ハマナス」と「ワレモコウ」だった。

タイツリソウ。釣り竿に鯛がたくさんぶらさがってるように見える、たいへんめでたい花

●2022年5月27日(金)
「萌木の村」のナチュラルガーデンにあった植物が、家の庭にすでに自生しているのを見つけて植え替えたりする。あたりまえだけど、もとから家の庭に生えているやつは、うちの庭の環境に適応してるし、寒さを越せるっていうことだ。篠原くんがグランドカバー用に、雑草のように増えるという「クラピア」を引っこ抜いたやつをもらってくる。

奥のシダ植物とか、タマリュウ(龍のヒゲみたいな草)が、家の庭に自生していたもの

●2022年5月28日(土)
トックリランを植え替えてなかったなと思って植え替える。土がものすごく湿っててびっくり。乾燥気味に育てる、と書いてあるけど「表面の土が完全に乾いたら水をやる」とも書かれてるし、表面の水なんて3日もあればかわいちゃわない? それって乾燥気味なの? と、謎。

●2022年5月30日(月)
なんと家の庭に「ワレモコウ」まですでに生えていることが発覚。「株分け」というのはいったいどうやったらいいんだろう・・。
完全に日陰だと思ってた場所が、3時間くらい日向になる場所だったので、そこに植え替えた「ユキノシタ」の葉っぱが日焼けして死にそうだったのでもとの場所に戻す。5月19日にこの庭を作ってから、はじめて1日中家にいたので日向 / 日陰のうつりかわりがようやく判明する。

ノラ猫のニャン富田。見かけるノラ猫全員に、ニャン富田とつけているのでどの子が初代かわからなくなってしまった。ネコはみんなかわいい。


つづく

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