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㉔「原因の可能性があるもの」を全てクリアにするのは本当に近道なの?

コラムが続きましたが、本編に戻ります。

年齢は40歳。

不妊治療クリニックで凍結している残り「1つ」の凍結胚盤胞の移植周期に入ります。

最初に体外受精で授かった子がもう1年生にあがる年なので、もう平日に行くというのが厳しくなり、沖縄から通う為に、春休みを利用して日程を組み、生理周期3日目(D3)に久々に加藤レディースクリニック(以下KLC)の門を叩きました。


久々に行くと色々とシステムが変わっていて、その一つがまたすんなり運ばない、私への「壁」になるのでした…。

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私がKLCに通い始めたころは、実はセキュリティが全然厳しくなく…

移植当日に例えば別の女性がオペ室に入っても先生や看護婦さんが顔を覚えている訳でもないし、顔写真付きのカルテ等があるわけでもなかったので、口頭での生年月日の確認さえクリアすればわからなかったと思います。


なので、当たり前といえば当たり前なのですが、静脈での本人確認や、移植のフロアへのカードなど私が通い始めた頃とは段違いに厳重になっていました。


そして丸2年空いているので、「再診」に必要な血液検査も、風疹の抗体検査等今までより増えており、そこに予想もしていなかったトラップが待っていました…。

それは「甲状腺検査」。

過去2回の時にはなかった検査で、

加藤レディースクリニックのHPにも、

甲状腺から分泌されるホルモンの異常により、月経不順や流産率が増加したり胎児の発育に影響があると考えられています。検査時に異常と判断された方は、専門機関にて治療を行っていただく場合があります。 

と現在は記載されており、以下の3つの項目の検査をするというものでした。

〈甲状腺ホルモン〉
TSH(甲状腺刺激ホルモン)
脳下垂体から分泌されるホルモンで、甲状腺の機能を調節する働きを持っています。
FT4(遊離サイロキシン)
甲状腺から分泌されるホルモンで、バセドウ病や橋本病など甲状腺の疾患があると値が異常になります。
TPOAb(抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)
甲状腺ペルオキシダーゼという酵素に対する自己抗体です。
慢性甲状腺炎で陽性となる事が多く、バセドウ病でも陽性になります。

この3つの項目が普段のホルモン値と同様に、血液検査をする結果が上がってくるというものなのですが、この「TSH」という数値に引っかかってしまいました。

今まではなかった検査なので、今までの自分がどうだったのかという比較もできず、甲状腺で有名な表参道の伊藤病院の紹介状が出されました。


とにかく、このステップを乗り越えないと「移植」には進めない・・・と。


さてーーーどうする…。

と悩んでいても仕方ないので、その足で伊藤病院に問い合わせをすると、予約はいらないとのことなので、東京にいる間になんとかしなければと、翌日の朝1番に伊藤病院に向かいました。

(この病院もとても混雑している病院ですが)

なんとか検査を終え、その日に血液検査も出て説明もしてくれました。

結果は、

<一般の女性としての数値は「正常」。でも妊娠を希望する女性としては少し「高値」。このまま「移植」することはお勧めできない薬を飲んで値が正常値になってからの移植をお勧めする>


というものでした。

■いま40歳。

■沖縄から通っている身。

■(KLCで授かった)上の子は、6歳。小学校に上がる年なので、学校を休ませて連れてくることはできない。

■長期休みにしか動けない。この周期を逃すと、次は夏休みになる。

■私の年齢もひとつ上がってしまう…

頭の中はぐるぐるぐるぐる…でも今までも、こんな場面には幾度となく経験したじゃないか!!!!と、とにかくめげずに、先生にくらいついて質問してみました。


①どうしてもこのタイミングを逃したくない

→本人が決めることだから、その後どうしたかとこちらで経過をたどることはしないけどお勧めはしない

②前回も前々回も検査すらしいていないので、同じような値だったかもしれないということではないのか

→過去のことはわからないし言っても仕方ない

③一般の女性の数値でOKなのであれば、この数値でも妊娠している人はいるんじゃないのか?

→いるかもしれないけどそんなのわからない

④薬を内服しながら、今回の周期で進めることはできないのか

→薬の効果はそんなすぐには表れない

⑤(受付で渡された資料に昆布の食べ過ぎに注意と書いてあったので)沖縄は昆布を食べる確率が多いので、それは影響していないか…

→食べ物からの数値は血液検査には表れないので、尿検査で。その結果は今日は出ない。


・・・しつこくしつこく聞きました。でも、先生としては、

気持ちは分かったけどおすすめはしません。ただそれだけでした。

こちらは熱く熱く質問したけど、先生は冷静だった…(笑)

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家に帰ってまた検索魔になり、色々と考えたけど、(私の勝手な個人的な解釈だけど)私は、

その甲状腺の数値の値を妊娠を望む人のベストの数値に下げる事と、私の年齢がひとつ上がることを天秤にかけました。

40歳と41歳の成功率では、統計でも全然違うことも過去にたくさん調べた経験があります。

もちろん、甲状腺の結果があまりにも正常範囲からかけ離れていたなら治療をしたと思います。でも一般女性では正常の範囲内。

自分が41歳になる方が(移植が遅くなる方が)成功率は下がるんでなないかと「私の中で」結論付けました。


そして、その検査結果を持って、またKLCの予約を取り、このままこの周期で移植をしたいと伝えました。

診断結果に何が書かれていたかわかりませんが、

先生はお勧めしたくないみたいだけど?

ともちろん言われましたが、できないとは言われませんでした。

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先に進もうと思ったのに、

前にはなかった壁が急に現れて前に進めない。

そういうことは今までも何度も何度もありました。

今までは、原因がわかっただけありがたい。と、一つ一つ解決していったけど、今回は、どこかモヤモヤする気持ちと納得いかない気持ち、そして怖い気持ちがありました。

それは、何ていうかとてもとても難しいけど、

「原因」を探すということは、不妊治療においての一番の近道だと思うけど、明確な「原因」ではなく「原因」の「可能性があるもの」を全部クリアにしていくことは果たして近道なんだろうか?

前に書いたような

あれもこれもあれもこれも妊娠によくないものは全部だめと縛られてがんじがらめになってしまうんではないのか?

実際一般の方の甲状腺の値を全て調べたら、この値でも妊娠している人は当たり前にたくさんいるんではないか?

でもそんな気持ちも1人目の為の移植だったら、きっと、できることなら何でもやります!!可能性があるなら片っ端からつぶしていきます!と受けていたと思います。

今は、2人子供を授かっているので傲慢になっているんではないか…

なんて診察室で難しい顔でモヤモヤと考えていました。


でも、私としても、

焦ってもいいことないことは分かっているけど、間違いなく今回を逃したらもうチャンスが得られない気がしていました。

(妊娠するチャンスも移植をするチャンスさえも)


やっとの思いで授かった二人の子供がいる中で、(寂しい思いをさせて、お金もたくさん使ってetc…)甲状腺の病院と、KLCに通う…

本当にそれがベストなことなのか・・・

上の子二人の生活を優先させるべきではないか(時間もお金も)。


要は、このチャンスを逃したら、

「移植しない」という別の選択肢も出てきそうな気がしていたんだと思います。

凍結胚を処分することになるかもしれない。それが怖くて怖くてたまらなかった。

でも。結局今までもだってずっと自分の直感で「道」を作ってきた。

と思い、なので、やはり直感に頼って。どうしても今回移植をしたいと。

先生にお伝えしました。

先生も他のホルモン値の値は問題ない次のチャンスが数か月先になってしまう、3人目となる移植である等を踏まえて、数値も一般女性の数値では範囲内ということもあったので、何とか何とか、予定通り移植することで進めてくれることになりました。


次は移植です。このブログももうすぐクライマックスです・・・。



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