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ひび

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日々のことについて文章を書きます。
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2020年7月の記事一覧

青春の旅人

8月になったら、一人旅に出ようと思う。店を閉めて、仕事も休んで、何日間か遠くの知らない街で過ごすのだ。何の用事も持たずに一人で遠くへ行く。遠くといっても、外国などでは無い。国内、しかも電車で2、3時間くらいの場所で良い。決められた予定も目的も無いのがミソである。もしかすると、それは、ちっぽけな体験かもしれぬ。だが自分にとって、これは大きな決意だった。

思い返すと、この歳になっても未だ一人旅を経験

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カネコさん

注文していたCDが届いた。カネコアヤノさんという人の「ひかれあい」と「さよーならあなた」というやつである。カネコさんが歌っている映像を偶然YouTubeで見て一目惚れした自分は、YouTubeに転がる他の楽曲をタダ聴きしても良かったのだが、何となくCDを買おうと思い、調べると、カネコ商店という名のオンラインショップ(物亀と同じくベイスだった!)があったので、そこで適当に2枚注文した。

普段、自分

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忌まわしき露天

先日、久しぶりにスーパー銭湯へ行った。ぼくは全て脱ぎ捨てて熱い湯に浸かろう世界はこんなにも汚れているから、と思って、手ぶらで行った。平日の夜だからか、それほど人もおらず、これは快適に浸かれますぞ、露天風呂を独り占め、とルンルンしながら服を脱ぎ丸裸になって、バンザイしながら駆け出した。満天の曇り空、車の音、都会の二酸化炭素。情緒も糞も無いが、それでも露天風呂は良い。広い浴槽にはチビのおじさんと自分し

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お褒めの言葉

真っ直ぐな人が好きだ。たとえば、良いものを良いと言い、苦手なものは苦手と言う、好きなものには胸を張って好きだ!と言える、そんな真っ直ぐな人を見ると、ときめく。

何せ自分は、真っ直ぐに憧れるだけのヘナヘナである。いやあ、まあ、別に、が口癖の、誤魔化し野郎である。昔から好きな娘にはわざと冷たいフリをして、素っ気無く接してしまうような駄目ボーイあった。だが、大人になって、ヘナヘナなりに考えた結果、好き

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かにくんの話

去年の生國魂神社夏祭りで出会った沢蟹のかにくんが我が家に来てから、もうすぐ一年が経つ。かにくんは、この一年間を強く生き抜いた。何故か餌はあまり食べないのだが、無事に冬も春も越えて、近頃は矢鱈とソワソワしている様子、昼夜問わず水槽の中を縦横無尽に動いている。再び夏祭りが近付いてきたことを楽しみにしているのか、とにかくご機嫌である。

沢蟹のオスとメスの見分け方は、両ハサミの大きさで分かる。ハサミの片

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見る

あんまりじろじろ見るなよ。恥ずかしい。けれども、ソッポ向かれたら向かれたで、ちょいと鬼さんこちら、と手招きしてしまう。だから、たまにはじいっと見つめておくれ。私はいつも天使を見ていたい。どこにいても、何をしていても。

ナンパの野獣

世の中の女性の大半が、街でナンパされた経験があるという。特に都会では、夜歩いているだけで男に声を掛けられる。女性からすれば急に見知らぬ男に近付かれることは恐怖でしかない。そもそもナンパする男というのは若いチャラ男だけでなく、学生や、サラリーマンや、おっさん、爺、つまり男全般である。乙女たちよ、野獣には気を付けなさい。どんな優しそうなイケメンであっても、絶対について行ってはならない。男の、凶悪なる下

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金に無頓着な自分は、未だに上手く金を使うことが出来ない。無駄な大金出費をしたかと思うと、買わなければならないものを何故かケチって買わず仕舞いでいたりする。

先日、布団のシーツを新調した。これは、買わなければならないものか?と言われれば、はっきり言って、別に買わなくても良いものである。ただ、何故かそのときの自分は、今日はシーツ買うんや、と決めてしまって、そうなるともう脳内の決定は揺るがぬ。シーツシ

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